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もしあいぼんがまろやかなロマネコンティだったら

1 :名無し募集中。。。:04/08/17 08:32
田崎信也にご用心♥

128 :名無し募集中。。。:04/08/20 14:58
次の年の秋にじじいは倒れ春を迎える前にじじいは死んだ。
葬式の夜供えてあったあいぼんを一本くすねた。
ぶどうジュースのようなそれはしかし俺の子供の味覚には苦すぎた。

「おじいちゃん、いくらお盆だからって飲みすぎよ」
ふっと遠くにやっていた思考を取り戻す。
中学生になった途端妻に似て口うるさくなった孫娘に睨まれる。
その言葉に反抗するようにグラスを傾ける。
「おい、お前が二十歳になったら俺と一緒にコレを飲むんだぞ」
怪訝な顔をする孫娘を尻目にあいぼんを口の中に流し込む。
口の中で転がしたあいぼんは仄かに夏の香りを放ちながら甘く溶けていった。

129 :名無し募集中。。。:04/08/20 15:01
じいちゃん・・・・゚・(ノД`)・゚・

130 :名無し募集中。。。:04/08/20 15:06
こないだ、ワインをガブガブ飲んでたら、
普段俺のことキモイとか言って避けてる女が寄ってきて
「私にもあいぼんちょうだい」って言ってきやがった。かなりむかついたんで、
女の首根っこ掴んで口移しで自分の噛んでるワインをやるフリをしてやった。
殴られるか、悲鳴をあげられるか、どうでもいいが二度と近寄るなと思った。
ところが、驚いたことにその女は目を閉じて唇を少し開いたんだ。
俺の方がビビッて、あわててちょっと離れた。しばらくの間があった
後、その女は、「マジでするのかと思った」と小声で言って、ワインを奪って走り去った。
それから何日か後、その女がワインを飲んでたので今度は俺の方からひとくち くれ
と言ってやった。そしたら俺をからかうように、飲んでたやつを口に含んで口をとがらせた。
俺はその女の唇ごとワインをほおばってやったよ。
今ではその女も俺の彼女。
その時なめてたワインはもちろんあいぼんオリジナル。
なぜなら彼女もまた、特別な存在だからです。


131 :名無し募集中。。。:04/08/20 15:20
ついにあいぼんオリジナルまで登場か・・・

132 :名無し募集中。。。:04/08/20 15:30
>>124-128
割込スマソ_| ̄|〇

マスター、こんなドジな俺にもあいぼんくれるかい?

133 :名無し募集中。。。:04/08/20 15:38
飲あそ
もいう
うぼだ
。ん、


134 :名無し募集中。。。:04/08/20 16:52
なんてぇ良スレだ・゚・(ノД`)・゚・

135 :名無し募集中。。。:04/08/20 17:02
あいぼんはふくよかで繊細かつ濃厚な味わいだと思う

136 :名無し募集中。。。:04/08/20 17:09
一度でいいからあいぼん味わってみたいなぁ

137 :名無し募集中。。。:04/08/20 17:10
あいぼんはドイツの白みたいに甘みがあって、それでいて芯のある味

138 :名無し募集中。。。:04/08/20 19:14
落ちちゃいや〜ん

139 :名無し募集中。。。:04/08/20 19:22
この番組では皆さんのあいぼんにまつわる
想い出話を募集しております


140 :名無し募集中。。。:04/08/20 20:01
凄いの一言・・・本当にワイン飲みたくなってきた
・・・しかも高級なやつ

メーカーはどこでもいいから、マジで「あいぼん」って
名前のワイン、あいぼんが二十歳になったら記念に
造ってくれないだろうか・・・

141 :名無し募集中。。。:04/08/20 21:34
キープしとこう

142 :名無し募集中。。。:04/08/20 22:42
キープ

143 :名無し募集中。。。:04/08/20 22:53
「あ・・・」
不意にキーボードを叩いていた手が止まる
「そうか、今日は・・・」
昨夜からの妻の不機嫌と
カレンダーの控えめな赤丸の意味をこんな時に思い出すとは・・・
『あなた、今日は早く帰って・・・』
『あ、そうだ、今日は会社の奴等と飲んでくるから遅くなる』
重なった言葉と口を告ぐんだ妻のむっとした表情。
ああ、俺はなんてバカなんだ。

「あれ、今日呑んで帰ろうって・・・」
「すまん。どーしても帰らなくちゃならないんだ」
「なんだ?女でも出来たか?この前店で名刺貰った娘か?」
「いや、それよりもっといい女だ」
「けっ、さっさと行きやがれこのスケコマシ!」
「悪いな、今度一杯奢るよ」

144 :名無し募集中。。。:04/08/20 22:53
結婚して10年。
小学2年になるやんちゃ坊主と1年のおっとりした娘。
学校行事だママさんバレーだとやたらに予定の書き込まれたカレンダーに
ポツンと囲まれたシンプルな赤マル。
アイツはどんな気持ちで書いたんだろう。
「すみません、この『あいぼん』ください。ええ、ラッピングして・・・」
決して裕福な暮らしじゃない。
貧乏なのは結婚する前から慣れている俺たちだ。
こんな日くらい奮発してもバチはあたらない。
「あ、メッセージカードとかありますか?はい、ここで書きたいんですけど」

145 :名無し募集中。。。:04/08/20 22:54
電車の中で薬指に嵌めた指輪を見る。
十年前ほどの輝きはないが渋く、鈍く光ながらしっかりと手に馴染んでいる。
『これからさき苦労ばかりかもしれない。
でも十年に一回くらいはこうやっていい酒を飲んで
 美味いものを食って、そうして一緒に年をとっていこう』
若造の俺の口から出た、それでも紛れもない真摯な気持ち。
いい年になった俺は久しぶりに胸が熱くなるのを感じた。

『この10年ありがとう。
また10年たったらもっと上等のあいぼんを呑もう。二人で』

「玄関を開けたらあいつら飛びついてくるからな。割らないようにしないと」
いつもより重たい荷物を持ったいつもの帰り道は
ほんのりとカレーの匂いが漂っていた。

146 :名無し募集中。。。:04/08/20 23:18
涙が・・・。・゚・(ノД`)・゚・。

147 :名無しさん:04/08/21 00:02
素晴らしい…。・゚・(ノД`)・゚・。

148 :名無し募集中。。。:04/08/21 00:55
おやすみ前に一杯のあいぼん

149 :名無し募集中。。。:04/08/21 01:51


150 :名無し募集中。。。:04/08/21 04:07
keep

151 :名無し募集中。。。 :04/08/21 06:53
キープしときますね

152 :名無し募集中。。。:04/08/21 08:27
良い香りのするスレはここですか?

153 :名無し募集中。。。:04/08/21 10:24
あいぼんをソーダで割る

そこの貴方!今邪道って思いましたね!
でも、騙されたと思って一度試してご覧なさい。

あいぼんの芳醇な香りが鼻腔をくすぐり、喉の奥を炭酸が刺激する。
刺激された喉をあいぼんの甘くそしてほろ苦い味が優しく包む。
ほら!貴方も試して見たくなったでしょ。

この夏一番のお勧めあいぼんのソーダ割

ソーダ割の炭酸は本家のの印「のの炭酸」をご利用下さい。

154 :名無し募集中。。。:04/08/21 10:24
あいぼんに誘われて一人また一人と


155 :名無し募集中。。。:04/08/21 12:31
キープしときますね

156 :名無し募集中。。。:04/08/21 14:31
仕事終わりのお楽しみ by裕次郎

157 :名無し募集中。。。:04/08/21 16:16
幾盃もの美酒を飲んできたがあいぼんよ、お前ほど俺を唸らせた美人はいない

158 :名無し募集中。。。:04/08/21 16:23
I BORN TO BE LOVED.

159 :名無し募集中。。。:04/08/21 16:29
「もし無人島にひとつだけ持っていけるとしたら何を持っていく?」
この質問を口にする者はあいぼんを飲んだ事がない者であろう

160 :名無し募集中。。。:04/08/21 17:22
緊急キープ

161 :名無し募集中。。。 :04/08/21 19:13
bottle keep

162 :名無し募集中。。。:04/08/21 21:05
キープ

163 :名無し募集中。。。:04/08/21 21:53
あいぼんの味は、人生の数だけあるんだね

164 :名無し募集中。。。:04/08/21 21:57
モーニングあいぼん飲もうよ二人で

165 :名無し募集中。。。:04/08/21 22:45
>>1はこんな展開になるとは思いもしなかった筈

166 :名無し募集中。。。:04/08/21 22:53
スレタイが良すぎだ

167 :名無し募集中。。。:04/08/21 23:50
優雅なスレ

168 :名無し募集中。。。:04/08/22 01:05
おいらにもボトルキープさせてくれ

169 :名無し募集中。。。:04/08/22 03:49
優雅だね・・・(*´・ω・)(・ω・`*)ネー

170 :名無し募集中。。。:04/08/22 04:55
あいぼん

171 :名無し募集中。。。:04/08/22 06:58
『あいぼん』ください

172 :名無し募集中。。。:04/08/22 09:13
キープ

173 :名無し募集中。。。:04/08/22 09:21
キープ

174 :名無し募集中。。。:04/08/22 10:02
「悪い人」
くつくつと笑いながら女の細く白い指が男の鎖骨の上をなぞる。
「ワインの試飲に協力してほしいだけって言っていたくせに」
「君があんまり飲みすぎたら困ると思って部屋を取っておいただけさ、
でも旨かったろうアレ」
「そうね、甘くて香りが豊かでとても芳醇で…それに情熱を秘めている感じだわ」
自分の胸をなぞる女の手を捕まえると男はそれを彼女の口元に持っていった。
「君のココはもっと甘かったよ、艶やかで、それに隠しもせず情熱的だった」
そう言って女自身の指で女の唇をなぞった。
「はしたない女は嫌い?」
「いいや、情熱的とはしたないは違うさ」
「ふふ」
意味深な微笑みを浮かべると女はベッドから身を起こした。
つい先程まで求め合い貪りあった白い裸体が
ベッドサイドに置かれた照明に照らされなんとも色っぽく影を作っていた。

175 :名無し募集中。。。:04/08/22 10:02
『いい女だ』
肩甲骨まで伸びた緩いウェーブのかかった髪の間から見える肌の白さ。
丹念に下書きを重ね、ここだ、という所を一気にペンでなぞったような腰のくびれのライン。
そして一目見て気を魅かれた熟れた果実のような赤い唇。
その唇はサイドテーブルに置かれた赤い液体に口付けられていた。
「おいおい、いくらあいぼんが旨いからってあまり呑まないでくれよ。
口当たりは軽いが後からじわじわ利いてくるんだ。
気がついたときにはもうすっかり骨抜きさ」
「大丈夫、まだそんなに酔ってないわ」
振り返った女はグラスを掲げ乾杯の仕草をした。
「秋の長い夜に」
そう言ってグラスの中ほどまで入った深紅の液体を口に含んだ。

176 :名無し募集中。。。:04/08/22 10:03
「あっ、おいそんなに飲んだら・・・んっ」
慌てた男につい、と豹のようなしなやかさで圧し掛かると女はそっと男の唇を塞いだ。
「・・・・ん、ごく」
男は口の中に注ぎ込まれてきた液体を飲み干す。
芳醇なワインの香りの中にかすかに彼女のつけたルージュの匂いが混ざっていた。
「言ったでしょう、まだそんなに酔ってないって」
唇の端から零れ落ちたワインを女の舌が器用に掬っていく。
見詰め合った瞳はあいぼんの瓶のように深い色合いをしていた。
「足りない分はあなたが酔わせて下さらない?」
挑発するような微笑は男の心を熱く滾らせた。

乱れたシーツの海に倒れこみながら男は先ほどの言葉を思い出していた。
『口当たりは軽いが後からじわじわ利いてくるんだ。
 気がついたときにはもうすっかり骨抜きさ』

ベッドサイドであいぼんを冷やしている氷がカラン、と音を立てた。




悪戯心を忘れない大人へ  あいぼん



177 :名無し募集中。。。:04/08/22 10:17
あいぼんの酔いに身をゆだねる快感

178 :名無し募集中。。。:04/08/22 10:44
若者には未来が有り、老人にはあいぼんが有る

179 :名無し募集中。。。:04/08/22 11:51
ハロモニ見つつあいぼんで乾杯

180 :名無し募集中。。。:04/08/22 13:36
すごい良スレだな・・・

181 :名無し募集中。。。:04/08/22 14:53
>>180
緩やかに流れる時間と惜しみない愛情がこんなスレを作り上げました。
そしてまだまだ育って行くのです
そう、まるで……。

182 :名無し募集中。。。:04/08/22 15:16
ののたん以外にも奇跡はあるもんだな…

183 :名無し募集中。。。:04/08/22 15:33
>>182
いいこと言うじゃないか

184 :名無し募集中。。。:04/08/22 16:47
まさか後輩が優勝するなんて・・・

今日は特別な日だ。とっておきのあいぼんを頂こう・・・

185 :名無し募集中。。。:04/08/22 18:48
キープしとくよ

186 :名無し募集中。。。:04/08/22 20:49
マスター、いつものあいぼんを頼むよ

お客様、あいぼんに同じものは存在しません

187 :名無し募集中。。。:04/08/22 21:55
あいぼんが似合う男でいたいものだな

188 :名無し募集中。。。:04/08/22 23:35
 

189 :名無し募集中。。。:04/08/22 23:46
あいぼんは春の夜の夢の如し

190 :名無し募集中。。。:04/08/23 00:37
ボトルキープ

191 :名無し募集中。。。:04/08/23 01:38
キープ

192 :名無し募集中。。。:04/08/23 02:34
ボトルキープ

193 :名無し募集中。。。:04/08/23 05:56
目覚めのあいぼんを一杯

194 :名無し募集中。。。:04/08/23 07:30
あいぼん熟成中

195 :名無し募集中。。。:04/08/23 09:02
あいぼんほじぇん・・・(*´・ω・)(・ω・`*)ネー

196 :名無し募集中。。。:04/08/23 10:14
ラッキーチャチャチャ!美味しくて素敵な酒がある

197 :名無し募集中。。。:04/08/23 10:19
  マウンテン・ティム
\追悼ヤグゥ…/
   ̄ ̄∨ ̄ ̄
 ∋oノノハヽo∈
。・゚・( ;∩◇`;)・゚・。  シル
   (    )つ((◎))  シル
   (_)_)       シル

198 :名無し募集中。。。:04/08/23 10:26
今夜はなかなか寝つけそうにない…そうだ!いつものあいぼんを飲んで心地よい眠りに誘ってもらおうか。

199 :名無し募集中。。。:04/08/23 10:58
この世をば
我がものと思う
あいぼんの
切れたる事の
無しと思えば

藤原道長

200 :名無し募集中。。。:04/08/23 11:13
GET200に乾杯

201 :名無し募集中。。。:04/08/23 11:14
200年でも待っていたい
そんな銘酒あいぼん

202 :名無し募集中。。。:04/08/23 11:15
>>26
超好きこれw

203 :名無し募集中。。。:04/08/23 11:20
>>202
俺も。

204 :名無し募集中。。。:04/08/23 12:18
>>203
もれも

205 :名無し募集中。。。:04/08/23 12:30
25000円出してもいいな

206 :名無し募集中。。。:04/08/23 13:11
>19と>26はこのスレを名スレに作り上げた素晴らしいソムリエだ

207 :名無し募集中。。。:04/08/23 14:56
荒み切った俺の心にでも、人生ってすばらしいと思わせてくれる。

あいぼん。

208 :名無し募集中。。。:04/08/23 15:51
一人の男がいた。

仕事で一度失敗し、
負けずに立ち上がり成功し、
情熱的な恋をして、
結婚を祝福され、
一児の娘を授かった。

やがて愛する妻を失い、
愛娘も嫁に行った。

目に入れても痛くない程可愛い孫に見守られながら、
やがて男の人生は幕を閉じた。

名も無き男の平凡な人生の、
隣にはいつも深紅のあいぼんがあった。

男の人生が幸せであったかどうか。
それは貴方もご存じであろう。

209 :名無し募集中。。。:04/08/23 16:03
傍らにあいぼんがある、それだけで幸せを手に入れることができる

210 :名無し募集中。。。:04/08/23 16:45
古い仲間と集まったなら
昔は良かったと今を嘆く
ブルーチーズとあいぼん片手に
今宵もイナたい夜が行く

昔の彼女が笑って言う
哀しくなったら昔を思い出して泣くと
静かに揺れるあいぼんの水面
彼女の涙を汲んでおくれ

211 :名無し募集中。。。:04/08/23 16:53
この芳醇なスレだけは汚されぬまま熟成させていきたい

212 :名無し募集中。。。:04/08/23 19:01
キープ

213 :名無し募集中。。。:04/08/23 19:13
なんだか周りがあわただしいが、このスレは緩やかに流れているな

214 :名無し募集中。。。:04/08/23 19:15
このスレは略して「あいロマ」でいいんですか?

215 :名無し募集中。。。:04/08/23 19:41
まろやかなロマネコンティことあいぼんを応援するのだ!

216 :名無し募集中。。。:04/08/23 21:15
キープしておきますね

217 :名無し募集中。。。:04/08/23 21:16
未成年の俺でもキープしていいでしょうか?

218 :名無し募集中。。。:04/08/23 21:19
ロマぼんスレは成人未成年壮年層をも魅了する

219 :名無し募集中。。。:04/08/23 21:21
マジでいいスレだよ本当に

220 :名無し募集中。。。:04/08/23 21:37
パンが出るんだったらワインも出して欲しいな
http://food6.2ch.net/test/read.cgi/bread/1092915801/l10

221 :名無し募集中。。。:04/08/23 21:44
>>220
君も大人になりな

222 :名無し募集中。。。:04/08/23 22:29
「いやいや、もうここでいいから。うん、うん、じゃぁ・・・」
頭を下げる部下達に軽く振り返って手を振る。
ガラにもなく目に浮かんだものを見られないようそっけなく。
貰った花束に苦労しながらタクシーを捕まえる。


「お客さん、お客さん、着きましたよ」
遠慮がちにかけられた声に目を開けると告げた場所よりわずかに離れた所に止まっていた。
まぁいい。酔い覚ましに少し歩いて帰るか。
「あっ、お客さん花束っ!」
「ああっと失礼」
「何かのお祝いですか?あ、奥様か誰かの?」
好奇心で聞いてきたのだろう運転手に苦笑いを浮かべる。
「いや、私の退職記念にね、部下がくれたんだ」
少し決まり悪そうに口の中でもごもごいう運転手に礼をいうと
私は家に向って歩き出した。

223 :名無し募集中。。。:04/08/23 22:30
30年身を粉にして働いた。
抜群の切れ者というほどではないがそれなりに社に貢献してきたつもりだ。
時に家族を犠牲にし、自分の時間など持つことすら考えずがむしゃらに。
だが、定年まであと5年というところで早期退職者募集の話が舞い込んできた。
「老兵は死なずただ去り行くのみ」
部下の身代わりにと言えば聞こえはいいが要するにそういうことだ。
後5年で何が出来るということもない、
だが、懸命に仕えてきた会社に裏切られたという気持ちはどうしても拭えなかった。
「うえをむぅ〜いて、あ〜るこぉおぉ涙がこぼれーないよおぉに・・・」
部下達は少しでも私が居なくなることを悲しんでくれるだろうか。
詮無いことを思いながら30年通った道を歩く、
胸にすっぽりと開いた大きな穴を抱えて。
すっかりローンも払い終えた我が家が見えてきた。

224 :名無し募集中。。。:04/08/23 22:30
「おかえりなさぁい」
突然振ってきた紙テープに目を丸くする。
大きなため息と共に空けたドアの向こうには妻と娘と孫がにっこりと笑っている。
「なんだこれは」
顔をしかめて体にまとわりつく紙テープを乱暴に払いのける。
妻と娘は顔を見合わせて肩をすくめた。

カバンを孫に奪われ、スーツは娘に剥がされた。
妻の後をついてリビングへ向うと私のとっておきのあいぼんが置いてある。
「おい」
「30年、ご苦労様でした」
振り返った妻は深々と頭を下げた。いけない、年を取るとどうにも涙もろくなる。
「勝手にひっぱりだしおって」
よく冷えたそれを急いで開ける。
何かに集中しなければ零れそうなほど目の前が霞んでいる。

225 :名無し募集中。。。:04/08/23 22:33

「・・・うまい」
喉を滑るあいぼんが放つ甘く芳醇な香りを鼻から吐き出す。
いつの間にか娘と孫は風呂へ入っているようだ。
浴室から笑い声と水音が聞こえる。
「・・・良い酒だ。おい、この酒はな俺がまだ駆け出しの平社員の頃・・・」
永遠と続く私の自慢話を妻は静かに聞いている。
30年よく働いた。一にも二にも仕事だった。
家庭に割いた時間などもしかしたら一年にも満たないかもしれない。
ふと横を見ると妻の髪には白いものが目立ち始めていた。
目元にも口元にも細かい皺が刻まれ、
それでも嬉しそうに笑いながら私の話に相槌を打っている。
30年仕事に費やした。
それでも手元に残ったのは横で笑っている妻と子供たち家族だった。
あと、どれだけの時間が残っているだろう。この30年を埋めることが出来るだろうか。
すっぽりと空いた胸の穴がじわじわと埋まっていく気がする。
そうだ私はまだ終わっていない。
どこまで埋まるかわからないがとにかくやることが見つかった。

「・・・どうだ、来月あたりどっかに旅行にでもいくか」
そっぽをむいたまま言った私の耳に妻の笑い声が届いた。
あいぼんのせいだけでなく私の耳は赤くなった。


226 :名無し募集中。。。:04/08/23 22:55
グラスをかたむけ、静かに涙を流しながら読む。
このスレはそんなスレ。

227 :名無し募集中。。。:04/08/23 23:52
>>222
俺が第二の人生を歩み出すとき
あいぼんがあったらどんなに幸せだろう

228 :名無し募集中。。。:04/08/24 01:47
キープ

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0ch BBS 2005-12-31