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レス数が1000を超えています。残念ながら全部は表示しません。
ノノ*^ー^) えりがナマタでえりながカメで |||9|‘_ゝ‘) Part3

1 :名無し募集中。。。:2012/01/30(月) 21:26:25.09 0
◇ふとしたはずみで生田衣梨奈と亀井絵里の身体が入れ替わってしまったことから巻き起こるストーリー 
 身体の入れ替わった二人とガキさんとの三角関係の行方は!?

【プロローグ】

|||9|^_ゝ^) <新垣さん聞いてください!ブックオフで新垣さんの写真集がすっごく安く売ってたんでコンプしました!
( ・e・)<な〜によそれ あたしの写真集が価値がないみたいじゃないの 「安く」は余計!「安く」は
|||9|^_ゝ^) <そんな事ないですよ えりなにとっては大好きな新垣さんのですもん
        価値ありありですよ 安くですけどちゃんとお金は払って買ったんですから
        お買い物上手って褒めてください あと写真集にサインしてもらって・・
♪〜トラワヨー プサンハンヘー アーイタイー
∩・e・)<はいもしもし おーっ!カメ〜 今夜?いいよ オッケー! んじゃね〜ハーイ・・ ポチットナ
|||9|#‘_ゝ‘)<亀井さんですか?
( ・e・)<えー?あん そーそー 
|||9|^_ゝ^) <あっそうだ 今度写真集全部持ってくるんでサインしてもらって・・
(・e・* )〜♪今夜はカ〜メが泊まりにくるから さっさと仕事をおわらすべ〜 ガキカメー!ってか
|||9|^_ゝ^) サイン・・

|||9|^_ゝ^) ・・

|||9|‘_ゝ‘) <いいなぁ〜亀井さんは・・ えりなも亀井さんになりたいなぁ・・

◇とまぁそういうこって この後えりりんと身体が入れ替わったナマタがガキさんと
 「ガキカメ〜」と言いながら肛門を広げたり広げなかったり
 ナマタと身体が入れ替わったえりりんがガキさんにホッペを
    _, ,_
  ( #・e・) <なんかムシャクシャするのだ
つ<;゜_ゝ゜>⊂ <痛たたたたたたた

ってされたりされなかったり・・

753 :名無し募集中。。。:2012/02/25(土) 18:44:06.31 0
>>736
ナマタならバースデーTはやめても結局は黄緑Tで行きそうだw

>>745
黄昏聴きながら読んだよー
れなえり好きだし真野ちゃん好きだし大満足でしたw

754 :名無し募集中。。。:2012/02/25(土) 20:21:01.77 O
夜のほ

755 :名無し募集中。。。:2012/02/25(土) 20:30:51.52 0
告白編AFTER STORYに感想を下さった皆さんありがとうございます!
気に入っていただけたようで嬉しいです

告白編は完結ですが全く別のネタでひとつ浮かんだのでこの後投下します

756 :名無し募集中。。。:2012/02/25(土) 20:33:58.22 0
『結婚式狂騒曲』

コンコン。
衣梨奈が絵里の部屋で寛いでいるとドアをノックする音がした。
「お姉ちゃーん、入るよ〜」
「えっ!ちょっと待っ…」
衣梨奈の返事を待つことなく部屋に入って来た絵里の妹・理那は姉の姿を見て一瞬絶句した。
「ちょっ、お姉ちゃん何で新垣さんのTシャツ着てんの?しかもそれバースデーTシャツでしょ?」
「いや、まあこれはその…。えへへ」
笑ってごまかそうとする衣梨奈に理那はさらに追い打ちをかける。
「そのTシャツって確かイベント会場とかでしか買えないやつでしょ?どうやって買ったの?」
「いや、そのぉ、ネット?」
「もう。お姉ちゃんも元芸能人なんだから気を付けてよ」
まさか入れ替わる前に買って持ってたものを生田家からこっそり持ち出したとは言えない、と衣梨奈は内心冷や汗をかいた。


757 :名無し募集中。。。:2012/02/25(土) 20:35:31.63 0
その間にも理那は姉の部屋を物色していた。
理那が次に目を止めたのは部屋の床に大量に置かれた新垣里沙の生写真だった。
「お姉ちゃん最近よく新垣さんの写真買ってるみたいだけど、また増えた?」
「もう、いいでしょ。ガキさんとは仲いいんだし、それにガキさんもうすぐ卒業だからさ。それより何か用?」
苦しい言い訳をして衣梨奈は無理矢理話題を変えた。

「あ、そうだ。お姉ちゃん忘れてるみたいだけど、今度の土曜日、18日ね、私たち知り合いの人の結婚式に出るでしょ。そのことで話があったんだ」
え?結婚式?聞いてない!内心焦りながらも、衣梨奈は必死に平静を装い亀井絵里を演じる。
「覚えてるに決まってるでしょ。で、何?」
「うん。その知り合いの人に私とお姉ちゃんで結婚式の受付をしてくれって頼まれたからよろしくね」
「ええーっ!」
思わず叫んだ衣梨奈に理那は不思議そうな顔をした。
「何びっくりしてるの?ともかく、よろしくねお姉ちゃん」
「わ、分かった」
絵里の手前、勝手に断るわけにもいかず衣梨奈は仕方なく了承した。
「じゃ、それだけだから」と、理那は絵里の部屋を出て行った。

758 :名無し募集中。。。:2012/02/25(土) 20:37:16.57 0
理那が自室に戻ったのを確認すると、衣梨奈は急いで絵里に電話した。
「もしもし!」
『あ、えりぽん。どうしたの?』
「あの、今度の土曜日に知り合いの人の結婚式に出なきゃいけないみたいなんですけど…」
『そっか、言うの忘れてた。入れ替わるちょっと前に話があったんだった。ごめんね』
「それで、私と妹さんで受付やることになって。どうしましょう?」
『あー、大丈夫大丈夫。理那に任せてえりぽんはてきとーに理那に合わせとけばいいから』
「え、そんな」
『ああいうのはノリで何とかなるから』
だめだこの人。このことでは絵里が頼りにならないと判断し、衣梨奈はもうひとつの心配事を相談した。
「あと、結婚式のテーブルマナーとかあんまり自信ないんですけど…」
『そっか。まだ中学生だもんね。でも私も春ツアー直前で教えてる時間ないし、理那かお母さんに聞いて』
「でも、怪しまれませんか?」
『大丈夫。絵里もテーブルマナーとか完璧じゃないから』
いや、自信満々に言われてもと思ったが、さすがに先輩に対してそうは言えずぐっと堪えた。
「分かりました。私の方で何とかします」
『ごめんね。でもえりぽんなら大丈夫だから』
「はい。頑張ります」
電話を切ると衣梨奈は頭を抱えた。
結婚式まで1週間。何一つ解決しない悩みに悶々としたまま、その夜は更けていった。


759 :名無し募集中。。。:2012/02/25(土) 20:40:54.24 0
今日はここまでです
例の亀井姉妹ツーショットが載った亀井妹のブログから思いつきました
ちょっと絵里のテキトーキャラが強調されすぎた気もしますがw

そんなに長くするつもりはないのでたぶん次回あたりで完結すると思います

760 :名無し募集中。。。:2012/02/25(土) 21:48:27.11 0
おつです!
中学生に呆れられてるよえりりん…w
あの写真はよかったなあ

761 :名無し募集中。。。:2012/02/25(土) 22:23:00.15 0
どうもこんばんは
>>731-735の続き載せちゃいます

762 :名無し募集中。。。:2012/02/25(土) 22:23:54.65 0
「かめぇ〜!久しぶり!」

新垣さんだ。本物の新垣さんだ。

遠目からでもはっきりとわかる、神様みたいな人。

衣梨奈が待ち合わせ場所に行くと、里沙はすでに到着していた。
目の前に新垣さんがいる、それだけで衣梨奈は泣きそうになった。
目の前にいるのに、自分を呼ぶ声は「生田ぁ〜!」ではないけれど。

「お久しぶりです。」

衣梨奈はできるだけ、笑顔を作ってそう返した。
自分でもびっくりするぐらい弱々しい声しか出なかった。
「だめだだめだだめだー!」と、心の中で自分にダメ出しをする。
しかし里沙は特に気に留めなかったらしく、言葉を続けた。

「いやぁ〜、急に誘ったのにありがとうね。じゃあ行こっか。」

763 :名無し募集中。。。:2012/02/25(土) 22:25:19.69 0
里沙がそう言って、二人並んで街を歩き始めた。
なんだろうこれ、ドキドキする。
今日も寒いね、という何でもない言葉にも上手く返事ができない。
会わなかった日数のせいなのか、衣梨奈はいつもよりも自分が緊張しているように思えた。
新しく出たじゃがりこの話を楽しそうにする里沙を、人の気も知らないで、と衣梨奈は少し恨めしく感じた。

目的の店に入って、向かい合わせに座る。
中学生にはあまり馴染みのない洒落たレストランだ。
普段行きなれているファストフード店やファミリーレストランとは違って、客は静かに談笑しながら食事を楽しんでいる。
ちょっと薄暗い照明や流れているクラシック音楽なんかも大人の気分にさせてくれる。

なんて贅沢な時間なんだろう、と衣梨奈は思う。
もう自分は喋らずに里沙が話すのをただひたすら聞いていたい、そう思った。

新垣さんの声は優しい。何だか特に、今日は。

その声を聞ける幸福と、相手が亀井さんだからなのかという悔しさが入り混じる。
「カメ、これ好きだったよね」と里沙がメニューを指さして注文したことすら面白くない。
衣梨奈はそんな幼稚な自分が少し嫌になった。
せっかくデートなのに、とまた自分にダメ出しをする。

764 :名無し募集中。。。:2012/02/25(土) 22:26:21.96 0
料理が運ばれてくると、最近どう、という里沙の言葉を皮切りに、お互いの近況から最近あった出来事など、四方山話に花が咲いた。
しかし、里沙がメンバーの話をすると少し寂しい気分になる。なんせメンバーにもずっと会ってないのだ。
9期元気かなぁ、なんて思いながら衣梨奈は里沙の話に耳を傾ける。

「最近、9期の生田衣梨奈がさぁ〜。」

グラスを揺らしながら、里沙が言った。
もちろん衣梨奈は飲んでいないのだが、里沙の顔はアルコールのせいで少し火照っていて、目もとろんとしている。
そんな里沙に不意に自分の名前を出されて衣梨奈はドキッとした。
思わず「はい」と返事してしまいそうになった。
「亀井絵里」として聞く、里沙からみた衣梨奈の話。衣梨奈は里沙を直視できないほど緊張した。

765 :名無し募集中。。。:2012/02/25(土) 22:28:23.48 0
「生田が・・・その、私のこと推してるとか言っててさ、すごいまとわりついてくるんだけど。」

正直うっとうしいとでも言われるのだろうか。
不安に駆られながら、衣梨奈は次の言葉を待つ。

「最近ねぇ、全然なのよ。いや、普通に話したりはするんだけどさ。
グッズ買いました〜とかってメールも来なくなったし、写真撮ってくださ〜いとも言われなくなったわけ。」

少し不満そうにそう言う里沙に、衣梨奈は胸が締め付けられた。
6期メンバーや愛佳に必要以上に絡むとばれそうだから、と絵里は接触を控えているのだ。

全部言ってしまいたい。本当のことを、全部。
言いたいことが言えない歯がゆさから、衣梨奈は唇を噛みしめて俯く。

「もしかして飽きられちゃった?とか嫌われちゃった?とかすっごい悩んでさぁ。
まあ生田の自由だからそこはね、本人には言えないんだけど。」

そう言って寂しそうに里沙が笑った。
新垣さんの笑顔は日差しみたいだ、と衣梨奈は思っていた。春の日差し。
そう、例えるなら絶対春だ。あんなに自分を幸せにできる笑顔はないと思う。
でもこれは違う。人の笑顔を見てこんなに苦しくなるなんて知らなかった。

766 :名無し募集中。。。:2012/02/25(土) 22:29:42.27 0
新垣さん、衣梨奈だって言いたいことたくさんあります。
本当はこの前発売した生写真に「ぽんへ」ってサインしてほしいです。
バトン上手くなったから褒めてほしいです。
好きです、新垣さん。

でも、そんなこと言えない。
衣梨奈はそれらの言葉をぐっと飲み込んで、口を開いた。

「あの、ガキさんが嫌われてるなんて絶対ないよ。
その子はウザがられるのが嫌でちょっと控えてるだけだよ、きっと。」

衣梨奈はなんとか泣かずにそう言い切ると、にかっと笑ってみせた。
これが「亀井絵里」でできる精一杯だった。

「そっかなぁ〜。ふふ、ごめんね、カメにこんな話して。」

里沙が衣梨奈に微笑み返す。さっきから笑っているんだけど、笑っていない。
衣梨奈はこんな表情の里沙を見たことがなかった。
こんな傷付いたような笑顔を見るぐらいなら、いっそ理不尽でも怒ってくれたほうがいい。
しかし里沙をこんなに悩ませている原因は自分だということは苦しくもあり、どこか嬉しかった。

767 :名無し募集中。。。:2012/02/25(土) 22:31:30.79 0
>>762-766
中途半端ですがここまでです
次回で終わらせる予定でございます

768 :名無し募集中。。。:2012/02/25(土) 23:33:34.10 0
絵里としてもガキさんにどう接して良いかは悩みどころなんだろうね
遠くで見てるだけのえりぽんもツラいだろうけど…

おつです!

769 :名無し募集中。。。:2012/02/26(日) 00:29:53.26 O
ふたりともおつ!

770 :名無し募集中。。。:2012/02/26(日) 01:13:15.78 0
寝る前の保
明日はえりりん見てくるよw

771 :名無し募集中。。。:2012/02/26(日) 01:26:38.98 O
作者さん乙
えりぽんは生誕T我慢したんかなw

772 :名無し募集中。。。:2012/02/26(日) 03:13:30.88 O
おやすみー

773 :名無し募集中。。。:2012/02/26(日) 06:34:50.09 O
出勤前のほ

774 :名無し募集中。。。:2012/02/26(日) 10:07:32.95 0
おはようさん

775 :名無し募集中。。。:2012/02/26(日) 11:13:32.16 O
横須賀行く前にほ

776 :名無し募集中。。。:2012/02/26(日) 12:46:33.28 O


777 :名無し募集中。。。:2012/02/26(日) 14:58:25.43 O
ノノ*^ー^)

778 :名無し募集中。。。:2012/02/26(日) 16:22:02.49 O
ノノ*^ー^)<新垣さんの画像だけで濡れてきちゃったと‥

779 :名無し募集中。。。:2012/02/26(日) 16:52:03.59 O
抱いて貰いなさい

780 :名無し募集中。。。:2012/02/26(日) 17:55:25.48 O
えりぽんは相変わらずガキさんにべったりだったよw

あれもえりりんなのか…ww

781 :名無し募集中。。。:2012/02/26(日) 19:43:32.81 0
揚げておこう

782 :名無し募集中。。。:2012/02/26(日) 20:54:00.51 0
あげしお

783 :名無し募集中。。。:2012/02/26(日) 22:16:56.88 O
夜の保全

784 :名無し募集中。。。:2012/02/26(日) 22:38:57.23 0
『結婚式狂騒曲』>>758の続きを投下します

785 :名無し募集中。。。:2012/02/26(日) 22:40:38.76 0
それから結婚式までの1週間は大変だった。
テーブルマナーは絵里の母親に恥を忍んで一から教わった。結婚式の受付係についてはネットで調べたり理那と相談したりして準備した。
もしかしたらモーニング娘。加入後の初ツアーの時と同じかそれ以上の緊張感だったかもしれない。
そして完璧とはいかないまでも何とか様になるくらいまで準備できたところで結婚式当日を迎えた。

式場に着いて受付係の打ち合わせを終えると、早速理那とともに受付に立った。
衣梨奈が最初の招待客がやって来るのを緊張しながら待っていると、理那にそっとドレスの袖を引っ張られ耳打ちされた。
「お姉ちゃん、あがり過ぎ。顔怖いよ」
「う、うん」
これでは亀井さんに恥をかかせてしまうと衣梨奈は深呼吸を繰り返して何とかやわらかい表情を作った。
事前の打ち合わせで招待客との応対が多い案内係を理那が、比較的口を開くことが少ないご祝儀係を衣梨奈が担当することになっていた。
最初の数人こそ緊張から「ちょちょちょ、頂戴いたします!」とどもったり声を裏返らせたりしていた衣梨奈だったが、モーニング娘。のメンバーとして培ってきた度胸が活きて徐々に落ち着いて受付をこなせるようになった。


786 :名無し募集中。。。:2012/02/26(日) 22:42:03.46 0
招待客が全員揃って受付の仕事も終わり、理那とともに披露宴の自分たちの席についた。
やがて食事が始まったが、心配していたテーブルマナーは時々隣の理那にフォローされながらもそつなくこなすことができた。
が、問題は料理のメニューだった。よりによって衣梨奈の苦手な料理ばかりが出て、半分近くはほとんど手をつけずにフォークやナイフを置くことになった。
普段は何とかごまかしつつ亀井家で食事をとっていたものの、ここではさすがにごまかしようがなく理那に「お姉ちゃん、そんなに偏食だっけ?」と怪訝な顔をされてしまった。

何とか大きなトラブルもなく結婚式も終わり、帰りの車の中。
満足に食事できなかった衣梨奈は思わず、「お腹空いた…。とんこつラーメンが食べたか」と呟いてしまった。
「何で博多弁?」
すかさずツッコミを入れる理那。
慌てて衣梨奈が取り繕おうとしたところで絵里から電話がかかってきた。

787 :名無し募集中。。。:2012/02/26(日) 22:44:51.10 0
「もしもし。亀…じゃなかった。えりぽん?」
『もしかして隣に理那いる?』
「あ、うん。帰りの車の中」
『そう。こっちは春ツアーの初日終わったとこ。えりぽんの方は結婚式無事に終わった?』
「う、うん。何とか」
『最近ガキさん避けすぎだったから、今日のライブでガキさんに抱きついちゃった』
照れくさそうに、それでも嬉しそうに話す絵里だったが、衣梨奈はそれを聞いて理那の存在も忘れ思わず叫んでしまった。
「えー、ずるいぃ。エリも新垣さんに抱きつきたいぃ〜!」
『え、えりぽん!理那いるんでしょ?まずいよ』
絵里の焦った声に我に返り隣を見ると、ドン引きした表情の理那がいた。
「お、お姉ちゃん。ちょっとキモい…」
「あ、あははは。えりぽん、もう電話切るね。またね〜!」
衣梨奈は絵里の返事も待たず電話を切った。
その後衣梨奈がドン引きした理那のフォローに苦労したのは言うまでもなかった。

788 :名無し募集中。。。:2012/02/26(日) 22:49:54.91 0
『結婚式狂騒曲』は以上で完結です
亀井妹のブログネタから話をふくらませるのがなかなか難しかったです…
旬のニュースを題材にしたエピソードとして読んでいただければ幸いです

789 :名無し募集中。。。:2012/02/26(日) 23:39:43.09 O
帰りの電車で読んだ おつ!
えりぽんなりの苦労もあるよねー…テーブルマナーとか自分も知らないしw

790 :名無し募集中。。。:2012/02/27(月) 01:07:31.33 O
寝る前にほ

791 :名無し募集中。。。:2012/02/27(月) 02:27:09.12 0
>>208-209

事務所で用事を済ませた後、ついでにメンバーがいる部屋に顔を出そうと思い廊下を歩く。
事前に言っていなかったからみんなびっくりするだろうなと想像すると思わず笑みがこぼれた。

「絵里・・・?」

後ろから声をかけられ振り返ると、れいなが立っていた。何でここにいるの?と言いたげに目を丸くしている。
田中さん、びっくりしてる。衣梨奈は初めて見るれいなの表情に驚きながらも、笑って返した。

「れいな、久しぶり」

れいなは何も返さず、ただ衣梨奈のことを見た。怒っているのか、困っているのか微妙な顔をして、立ち尽くしている。
とりあえずそばに行こうとれいなの方に足を進めた瞬間だった。

「・・・なんで、連絡くれなかったと?」

咎めるような口調でれいなは言った。なんでと問われても衣梨奈には答えられなかった。
入れ替わる前に絵里とれいながどんな風に連絡を取っていたなんて知らなかったし、絵里からも何も聞かなかった。
黙ったままで今度は衣梨奈が立ち尽くす。

れいなは何も言わないことに呆れたのか、黙ったまま衣梨奈の側を通り過ぎようとした。
思わずその腕を掴む。顔をこちらに向けたれいなとすぐそばで目が合い、
そんな距離でれいなを見たことがなかった衣梨奈は少しドキドキした。
違うんです、新垣さんこれは違うんです。心の中で言い訳をする。
一方、見つめるれいなの目には徐々に涙が溜まっていく。

792 :名無し募集中。。。:2012/02/27(月) 02:28:21.09 0
「放して・・・!」

振り払おうとするも、腕の力は弱々しかった。田中さん、こんなに非力なんだ。
当然ではあるが、れいなのことは何も知らないと実感した。

全く重ならない二人が入れ替わってしまったことで、何かがずれていくのを感じていた。
里沙との関係もれいなとの関係も。それだけじゃない、きっと、聖や他の9期との関係も。
戻ったときに、それらは元通りになるのだろうか。まず、元に戻れるのだろうか。
そんなことを頭で考えながらも、衣梨奈はその手を離さなかった。
れいなは諦めて腕を降ろし、うつ向く。

「嫌われたかと思った・・・」

震えた、小さな声。いつも強気な彼女の弱っている一面を、衣梨奈は驚きながら見つめる。
完全に他人事になっていると気付き、いけないと心の中で首を振った。

「ごめん、嫌ったとかじゃなくて・・・ちょっと連絡出来なかった」

れいなは納得したようなしていないような表情で衣梨奈を見つめる。何かを見透かされるような気がして、衣梨奈は身構えた。
そのまま、バレちゃったほうが楽なのかもしれないけど。

「・・・今も、好いとーと?」

聞き慣れた故郷の言葉は、耳に優しく響いた。そう言えば、ずっと聞いていなかったなあと今までの日々を振り返る。
ふと、れいなの言った言葉が違和感を持って衣梨奈の心に残った。

793 :名無し募集中。。。:2012/02/27(月) 02:29:09.98 0
連絡が無かったことを咎める、嫌われたかと不安になる。今も、自分のことを好きなのかどうか尋ねる。
絵里とれいなの関係は、それらのヒントから推量されうるものである。答えは一つしか無かった。
理解した瞬間、れいなの腕を握る手のひらに汗が浮かんだ。
れいなの問いに答える最善の返事は分かっていた。口にしなければと思っているのに、声が出ない。
頭には、あの人の笑顔が浮かんでいた。

「・・・当たり前じゃん」

そう答えるのが精一杯だった。

794 :名無し募集中。。。:2012/02/27(月) 02:29:53.06 0
終わり

795 :名無し募集中。。。:2012/02/27(月) 03:32:36.99 O
寸止め!
もうつづきが気になるよー!作者さんおつです!

796 :名無し募集中。。。:2012/02/27(月) 05:37:05.74 0
良スレ発見

797 :名無し募集中。。。:2012/02/27(月) 05:40:41.75 0
なーんて言うんですか緊・張・感!

798 :名無し募集中。。。:2012/02/27(月) 05:58:05.62 0
>>791-793

全部全部、分かっていた。彼女の視線が捉える相手も、自分が裏切り者になっているという事実も。
気まぐれでも何でも良かった。一瞬でも私の方を見てくれるなら。
優しく触れる指先に、切なく揺れる瞳に何度も期待したけれど、行為が終わったらすぐに帰ってしまう後ろ姿に、現実を思い知らされる。

あの時楽屋を出なければ、彼女の姿を見て立ち止まらなければ、あんな会話など聞かなくて済んだのに。
いや、あの会話を聞こうが聞かまいが、二人の関係も自分の犯した罪も事実として揺るがない。
もう、こんなことはやめよう。過ぎ去った時間は戻らないが、これからは誰も傷つかない方法を選ぼう。
それは真面目すぎる里沙らしい決断だった。

799 :名無し募集中。。。:2012/02/27(月) 05:59:30.03 0
「久しぶりやね、こんなん」

目の前に並ぶお肉を前にし、れいなは笑った。怒ってないみたいで、衣梨奈は安堵する。

「元気しとった?嫌われたとかいなとかよりまず心配やったっちゃん」
「うん、元気やったとよ・・・そう、元気だった」

故郷のなまりにつられて思わず口をついた。なんそれーと笑うれいなに、れいなの真似ーと笑い返す。
ふと、嘘をつくことにすっかり慣れている自分に気付いた。仕方がないとは言え、良い兆候では無い。
いつか、自分を失ってしまうんじゃないか。衣梨奈でも絵里でもなく、絵里の体に入った誰でもない人間になってしまうのでは。
想像すると寒気がした。

「ほんと寂しかったっちゃん・・・まあ今日会えて良かったけど」

何があったと?と聞かないのが、大人だなあと思った。
絵里とれいなは、今の衣梨奈と聖くらいの年からずっと一緒にいるのだ。
その時間が作り出した絶妙な距離感なのだろう。いつか衣梨奈たちもそうなりたいと思う。
今はまだ、些細なことで喧嘩して、全力でぶつかり合うけど――無くしてしまった日々が酷く懐かしかった。

「絵里も嬉しい。ほんとごめんね」

お肉は美味しかった。焼肉は元々大好物だったし、野菜も食べなくて済むから良かったのだが、何故か寂しかった。
きっと、隣にあの人がいないから。自分の手のひらを握るのが、あの人じゃないから。

800 :名無し募集中。。。:2012/02/27(月) 06:00:01.75 0
お店を出て、タクシーを捕まえようと手を上げるれいなの後ろ姿に声をかける。

「ごめん、れいな・・・もう帰らなきゃ」
「え、もう帰ると?」
「うん、ちょっと明日早くから用事があって・・・そうそう、お兄ちゃんにこないだ赤ちゃん産まれてさ」

嘘をつき、話を反らした。れいなは何も詮索してこなかった。

れいなの自宅まで送り届け、別れる。再びタクシーに乗り込み、あの人の住む場所を告げた。
どうしても、会いたかった。いけないと分かっているのに。

タクシーを降りてすぐ電話をかけた。出てほしいような出てほしくないような――そう思った瞬間、どこかで同じような感情を抱いたことを思い出す。
それがいつだったか思い出すより先に、電話が繋がった。

『もしもし?』
「あの、絵里なんですけど」
『うん、分かるよ』

低く優しい声が耳に響く。それだけで胸が高鳴って、どうしようもなく会いたくなる。

「今、ガキさんちの近くにいるんです」
『へ、なんで?』
「・・・会いたくて」

801 :名無し募集中。。。:2012/02/27(月) 06:00:36.21 0
あの決意もどこへやら、慌てて用意をする自分に苦笑する。
こんな風に会うのは初めてだった。いつも、里沙が泊まるホテルに絵里が来るという形だった。
無機質なホテルの部屋には何も残らない。愛しさも温もりも切なさも何もかも、跡形も無く消えていく。
代わりに心に残るのははっきりと輪郭を持った罪の意識だった。

エスカレーターが一階に着いて扉が開いた途端、走り出す。
暗闇の中ベンチに座る絵里の姿を認めて、胸が苦しくなった。

「ごめん、待たせた?」
「いえ、てか呼び出したの絵里なんですから、謝らないでください」

里沙の姿を見た瞬間、どうしようもなく抱き締めたい衝動に駆られた。
でも、絵里とれいなの関係を知ってしまった今はそれはしてはいけないと分かっていた。
今こうして会っているだけでも、充分いけないのだが。

「なんかあった?」
「ふふ、ガキさん髪乱れてる」

直してあげようと手を近づけた瞬間、顔を背けられた。拒絶されたと気付いて、手を引っ込める。

「・・・あのさ」

春は近づいていると言えど、外は寒い。冷たい外気に、里沙の声ははっきりと響いた。
これから先に告げられるであろう言葉に身構える。

「もう会うの、よそう?」

うつ向いたままそう呟く里沙の姿に、胸が締め付けられた。
いつかこうなることは分かっていた。むしろ、これで良かったのだ。
でも、素直に頷くことは出来なかった。

802 :名無し募集中。。。:2012/02/27(月) 06:01:09.08 0
立ち上がろうとする里沙の腕を掴む。そのまま強引に引き寄せ、抱き締めた。
華奢な体に、胸がときめく。このままずっと、一緒にいられたらいいのに。
自分の立場も何もかも捨てて、側にいたかった。そもそも、自分が絵里の姿じゃないといけないとは分かっている。
生田衣梨奈になった瞬間、自分はただの後輩に変わる。
あの頃は想っているだけで充分だったのに、ぬくもりを知ってしまった今は手放したくない。

「カメには、田中っちがいるじゃんか・・・!」

怒鳴る口調に抱き締める力が緩む。今まで怒られることは何度もあったが、こんなに感情的な姿は初めて見た。

「・・・そう、ですね」

冷めた現実を思い知らされた。亀井絵里でいる間は、好きでいることも許されないのだ。
何の躊躇いも無く好きだと言って、いつも側にひっついて、歌ってる姿にキュンとして、
誉められたら喜んで怒られたらしゅんとして、でもそのあと笑ってくれたらどうでも良くなって、メールして電話して――

ただ体を重ねる今よりも、ずっと幸せだったと気付く。
中途半端なぬくもりは何の意味も持たないのだと知る。
里沙を抱いているのは絵里であり、里沙が見つめているのも、絵里なのだ。
一気に虚しさに襲われる。里沙と重ねていたのは、何も生み出さないどころか傷つくだけの時間だったと気付く。
自分だけでなく里沙も、絵里も、れいなも。

彼女が手を離そうとしている。ならば、私も離さなきゃ。

これで良いんだ。正しい選択だったはずなのに、涙が溢れて止まらない。
走る後ろ姿が、目に焼き付いて離れなかった。

803 :名無し募集中。。。:2012/02/27(月) 06:03:59.88 0
終わり

ついさっき続きが書き終わりましたので
まず短いのを投下したのは焦らしたわけではありません

804 :名無し募集中。。。:2012/02/27(月) 06:07:53.48 0
あれ?朝っぱらから目から塩水が…
乙センチメンタル

805 :名無し募集中。。。:2012/02/27(月) 08:27:04.34 0
おはようあげ

806 :名無し募集中。。。:2012/02/27(月) 12:04:58.27 O
切ないよぉ…おつ!

807 :名無し募集中。。。:2012/02/27(月) 15:15:29.72 0
しみるねえ

808 :名無し募集中。。。:2012/02/27(月) 17:58:22.40 0
夕方の保

809 :名無し募集中。。。:2012/02/27(月) 19:50:53.74 O
書き手さんのレベルが高すぎる

810 :名無し募集中。。。:2012/02/27(月) 20:46:18.27 O
保全

811 :名無し募集中。。。:2012/02/27(月) 21:58:33.27 O
>>809
そうなんだよね
ガキさんの一人語りを書いてみたけど他の書き手さんのと較べると
あまりの出来の悪さに冷や汗かきながらだったからなあ
正直恵まれたスレだよね

812 :名無し募集中。。。:2012/02/27(月) 22:30:35.88 O
>>811
いやいや素晴らしい作品だよ!
自分はそもそも書けないから凄いなあって思うし

自信もって!

813 :名無し募集中。。。:2012/02/27(月) 22:31:24.39 0
夢を持って!

814 :名無し募集中。。。:2012/02/27(月) 22:33:25.26 0
川*’ー’)<かーがやけみるわぁい!!!

※9月30日日本武道館より

815 :名無し募集中。。。:2012/02/27(月) 23:24:57.12 0
>>811
素敵な作品だと思いますよ!
自分も他の作家さんの読んで自分の文章力のなさに冷や汗かきながら作品書いてる1人です
もう開き直って発想で勝負しつつ結構な数書いちゃってますがw

てことでってわけでもないけど新しいのの導入だけ書けたので投下します

816 :名無し募集中。。。:2012/02/27(月) 23:28:03.55 0
『Rへの手紙編』

「入って入ってー。って、本来はえりぽんの部屋なんだけどね」
絵里に促されて衣梨奈は久し振りに自分の部屋に足を踏み入れた。
「その辺に座ってて。あ、電話だ。ごめんね」
「あ、お構いなく」
部屋に入って落ち着く間もなく絵里の(つまりは衣梨奈の)携帯が鳴った。
「もしもしどうしたの?…え?ノート?貸してくれるの?うん、分かった。これから行くね。ありがと!」
電話を切ると絵里はすまなそうな顔で説明した。
「学校の友達が授業のノート貸してくれるって言うから、ちょっとそこのカフェで会ってくる。ごめんね。えりぽん、部屋で待っててもらっていい?」
「分かりました。待ってますので行ってきてください」
衣梨奈が了解すると絵里は手早く準備して出かけて行った。

817 :名無し募集中。。。:2012/02/27(月) 23:28:49.17 0
>>812-814
連携乙www

818 :名無し募集中。。。:2012/02/27(月) 23:29:20.26 0
>>815
ごめんなさい邪魔しました…支援

819 :名無し募集中。。。:2012/02/27(月) 23:29:53.73 0
「さて…」
暇になってしまった衣梨奈は何気なく勉強机の引き出しを開けてみた。
すると、見慣れた自分のノートや文房具に紛れて見慣れない1冊のノートが目に留まった。
1ページ目をめくってみると、絵里の筆跡で何か文章が綴られていた。
読んではいけないと思いながらも好奇心に負け、衣梨奈はノートを読み始めた。

"今日からこのノートを書いていこうと思う。
信じられないことだけど、娘。の後輩の生田ちゃんと入れ替わりまた娘。として活動していくことになってしまった。
生田衣梨奈を演じられるかも不安だけれど、自分の感情の方が不安だ。
もう二度とないと思っていたのに、再び彼女と同じ時間を共有することになる。彼女のそばにいるのに亀井絵里としては話せない。
そんな状況に耐えられるだろうか。代わりに、彼女に伝えられない思いをこのノートに日々の記録とともに書いていくことにしよう。
これは、彼女…れいなへの届くことのないラブレターである。""

「こ、これ、亀井さんから田中さんへのラブレター?よ、読んじゃいけない。…でも読みたい。…ええい、読んじゃえ!」
衣梨奈はまたしてもあっさりと好奇心に負けて続きを読み始めた。

820 :名無し募集中。。。:2012/02/27(月) 23:36:01.81 0
>>816>>819
導入なので短いですが今日の分は以上です
まだ全体でどのくらいの長さになるか見当もつかないしネタを拾いつつなので遅くなるかもですが徐々に書いていこうと思います

>>818
いえいえ気にしないで下さい
自分もちょっと投下のお知らせが分かりにくかったかもしれないので

821 :名無し募集中。。。:2012/02/28(火) 00:18:22.60 0
おつ!
これもまた良い切り口だね 楽しみに待ってるよー

822 :名無し募集中。。。:2012/02/28(火) 01:00:41.33 0
寝る前に保全

823 :名無し募集中。。。:2012/02/28(火) 01:01:30.62 0
寝る前に保全

824 :名無し募集中。。。:2012/02/28(火) 02:58:50.53 0
続き楽しみ

825 :名無し募集中。。。:2012/02/28(火) 04:44:21.41 0
寝る前に保田

826 :名無し募集中。。。:2012/02/28(火) 05:50:37.37 0
t

827 :名無し募集中。。。:2012/02/28(火) 08:08:32.00 O
>>825
ナマタは偉大な先輩を知ってるのかしら…w

828 :名無し募集中。。。:2012/02/28(火) 11:14:39.86 O


829 :名無し募集中。。。:2012/02/28(火) 13:02:20.07 O
新作キテた!

830 :名無し募集中。。。:2012/02/28(火) 14:17:28.22 0
昼休憩

831 :名無し募集中。。。:2012/02/28(火) 16:14:57.38 O


832 :名無し募集中。。。:2012/02/28(火) 17:58:05.71 0


833 :名無し募集中。。。:2012/02/28(火) 18:06:19.72 O
<ガキさん推しなんて裏があるに違いないの
<さっすがビジネスレズのプロは言うことが違うっちゃ
<ビジネスかどうか体で確かめてみる?なの
<えっ…ちょっと…あっ/////

ていう感じの小説はありますか

834 :名無し募集中。。。:2012/02/28(火) 18:18:10.37 0
自分で書けばいい

835 :名無し募集中。。。:2012/02/28(火) 19:59:07.30 O
待ってるよww

836 :名無し募集中。。。:2012/02/28(火) 21:18:42.45 0
wktk

837 :名無し募集中。。。:2012/02/28(火) 21:37:33.92 0
空気プチ壊してすみませんが>>731-735>>762-766の続き載せます

838 :名無し募集中。。。:2012/02/28(火) 21:39:06.13 0
「ちょっとね、贔屓しちゃだめだって意識してつい冷たくあたっちゃったことがあって。
それが悪かったのかなぁなんて。」

思い起こしているのだろうか、少し遠くを見つめながら里沙が言う。

そんなの衣梨奈がわからないはずないのに。
新垣さんは本当に誰にでも優しくて、平等だから。
差が出ないようにしてるんだって、わかってるのに。

そう心でつぶやくと、涙がこみ上げてくる。
衣梨奈の記憶の中の里沙は、いつも後輩と楽しそうに笑ってる。
そんな里沙だからこそ好きなのだ。

だって、知ってます?

グラスの中のお酒を飲み干そうとしている里沙に、衣梨奈は心の中で語りかける。

まだ入ったばっかのとき、衣梨奈の下らない話をちゃんと最後まで聞いてくれたの新垣さんだけなんですよ。
多分その頃からすでに好きだったんじゃないかなって、最近思うんです。

だからそんなことで衣梨奈が新垣さんを嫌いになるなんて、思われたくないです。

839 :名無し募集中。。。:2012/02/28(火) 21:40:06.37 0
「ガキさ・・」
「でもね〜!こっちだって大変なんだから!」

・・・え、新垣さん?

またフォローしようとするも、どん、と空になったグラスをテーブルに置いて急に何やら愚痴っぽくなる里沙に、衣梨奈はたじろぐ。

「無邪気に新垣さん新垣さんって寄って来るけど!本当は私だって生田がかわいくて仕方がないんだよ?
生田にずっと構ってあげてたいよそりゃ。だけど他の子だっているわけじゃん。
ほら、佐藤とかもさ、」
「・・・ふふ。」
「ちょっと、カメ〜。笑い事じゃないんだからぁ!」

里沙の言葉に思わず笑みがこぼれてしまった。
複雑だと思ったけれど、案外いいかもしれない、これ。
こんな本音、シラフでは、まして生田衣梨奈の前では言ってくれないだろう。
亀井さんの前だからこんな姿も見せるのかな、なんて思うとやっぱり少し面白くないけれど。

840 :名無し募集中。。。:2012/02/28(火) 21:41:07.95 0
「んふふ・・・だって新垣さんかわいい。」

つい、口に出して言ってしまった。「しまった」と思って慌てて口を押えてももう遅かった。

「なぁによ生田ぁ〜。」

って、新垣さん結構酔ってる?

衣梨奈が里沙の顔を覗き込もうとすると、発言したあとで我に返ったのか、
虚ろな視線をテーブルに移していた里沙がゆっくり顔を上げて衣梨奈を見た。

「・・・じゃない、カメ。あれ、おかしいな、ごめん・・・。」

眉間に手をあてて、申し訳なさそうに里沙が言った。
なのにこんなに嬉しいのは、失礼だろうか。
新垣さんは姿が違っても声が違っても衣梨奈だってわかるんだって、そう思うのは自惚れすぎだろうか。

「・・・生田でいいです、新垣さん。生田だと思って聞いてください。」

心底愛おしそうに衣梨奈が言う。
一瞬目を見開いた後、なになに〜とおどけて言った里沙だったが、目の前の「亀井絵里」の真っ直ぐな瞳に口を閉ざした。

841 :名無し募集中。。。:2012/02/28(火) 21:42:04.04 0
動悸が全身に伝わってくる。
これは音漏れを注意されるレベルだ、と思いながら衣梨奈は里沙を見つめる。

「衣梨奈は、新垣さんが世界で一番大好きです。」

止められなかった。あんな表情で生田なんて呼ばれては、もう限界だった。
「推し」という言葉で誤魔化していたけれど、自分ではとっくにわかっていた。
これは恋愛感情だ。
願わくば、明日になって新垣さんが覚えてなかったらいいんだけど。
一向に収まらない心臓の音をうるさく感じながら、衣梨奈はそう思った。

しばらく見つめあったまま沈黙が続いた後、里沙がおもむろに口を開いた。

「・・・あはは、何言ってんのさ。・・・うん、ありがとうね。」
「・・・。」
「・・・生田。」

またそうやって、とろけちゃいそうな声で呼ぶなんて。

新垣さんが言う「生田」は特別だ、と衣梨奈は思う。
その響きの懐かしさと信じられないほどの甘さに、泣きそうになってしまう。
他の誰が言ってもこんなに切なくならない。

842 :名無し募集中。。。:2012/02/28(火) 21:43:02.85 0
私もね、生田が好きだよ。いっちばん。」

少し伏し目がちに、それでいて目尻を下げて里沙が言う。

「新垣さ・・・」

衣梨奈が言い終わらないうちに、パン、と突然里沙が手を叩いた。
驚いた衣梨奈は口をつぐんでしまう。

「はい!まあこの話は置いといて!昨日ね、田中っちがさ〜。」

里沙は強引に話を切り替えて、必要以上に明るく話し始めた。

え、え、終わりなん?うそ?

衣梨奈が目をぱちくりさせて里沙を見るが、里沙はお構いなしに「田中っち」の話を続ける。
照れくさかった反動からか、随分と声高に話す。これはもう雰囲気を戻すのは無理そうだ。
話が終わると「あ、そうだ。何か追加する?」なんて無邪気な笑顔で聞いてくる。

843 :名無し募集中。。。:2012/02/28(火) 21:44:53.81 0
新垣さんはすぐ、そうやって照れるっちゃけん・・・。

どっちがKYなんだか、と衣梨奈は若干呆れつつも、さっきの里沙の言葉が頭から離れなかった。
あの大好きな笑顔で、大好きな声で言われては、しばらくは他のことを考えられそうにない。

・・・新垣さんも衣梨奈のこと好きやったったい。んふふ。しかも、一番って、んふふふふふ。

本当はもう少し気持ちを聞きたかったけれど、十分だと思うことにしよう。
あの里沙の口からあんな言葉が聞けたのだから。

次は生田衣梨奈として聞きたいなぁ。

楽しそうに料理を選んでいる里沙を見つめながら、衣梨奈はそんな風に思った。

844 :名無し募集中。。。:2012/02/28(火) 21:47:02.90 0
以上です!長くなって申し訳ない
それと>>842の一行目の「が抜けて申し訳ない

845 :名無し募集中。。。:2012/02/28(火) 21:50:48.61 0
おおおおおおっつうううう!
いいよいいよおおおおおおおお!!

846 :名無し募集中。。。:2012/02/28(火) 22:03:34.51 O
今気付いたけどブラボーの人かw
全然話の感じ違うけどどっちも好きだわ

847 :名無し募集中。。。:2012/02/28(火) 22:36:43.30 0
これはとても良い!

848 :名無し募集中。。。:2012/02/28(火) 22:40:19.22 O
面倒くさいやつらだなw
構うことないからガキさんのこと押し倒しちまえw

849 :名無し募集中。。。:2012/02/28(火) 23:12:00.14 0
おつ!
電車ん中で涙目でニヤけちまったじゃねーかw
イイよ!すげーイイよ!

850 :名無し募集中。。。:2012/02/28(火) 23:20:15.00 P
|||9|‘_ゝ‘)<お、押し倒しても良か?

851 :名無し募集中。。。:2012/02/28(火) 23:32:07.13 O
>>850
駄目
ガキさんが罪に問われちゃうぞ

852 :名無し募集中。。。:2012/02/28(火) 23:50:12.84 0
>>846
ブラボーの人てwその通りですがw
生ガキしか書けない無能だがみなさん感想下さってまるで夢のThe舞踏会

>>850
よかよか
そのために入れ替わったんだろう

853 :名無し募集中。。。:2012/02/28(火) 23:57:29.72 0
しまった>>850は生田に入り込んで生田の振りしつつ単純に欲を発散しようとしてるカメだな
完全に見切った

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0ch BBS 2005-12-31