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ノノ*^ー^) えりがナマタでえりながカメで |||9|‘_ゝ‘) Part3

731 :名無し募集中。。。:2012/02/24(金) 21:16:56.38 0
「カメ」の話をする新垣さんはいつも嬉しそう。
その笑顔を見ながら、亀井さんになりたいって何度か思ったことがある。

まさか、本当にそうなるなんて。

衣梨奈が亀井家の自室で一人そんな考え事をしていると、一階でインターホンが鳴った。
絵里の母親の「いらっしゃい」という声に続いて、「お邪魔しまーす」という衣梨奈の声。
亀井さんだ、と衣梨奈は呟いた。衣梨奈の姿をした絵里が帰ってきたのだ。
ここは亀井家であるが、絵里が帰りに寄るのが日課となっている。

「ただいまぁ〜えりぽん。」
「お帰りなさい!」

衣梨奈が部屋のドアを開けて招き入れる。
外から帰ってきたばかりの亀井さんは少し冬の匂いがする、と衣梨奈は思う。
ほっぺたがちょっと紅く染まっていて、自分の姿なのになんだかかわいく思えてしまう。

「今日はね〜、雑誌のインタビューと、ラジオの収録とー」

もぞもぞと上着を脱ぎながら、絵里が今日あった出来事を話し始める。
衣梨奈は慌ててメモ帳を取り出し、絵里の傍らにしゃがみ込んで、絵里が細かく話す内容をすかさず書き留めた。

732 :名無し募集中。。。:2012/02/24(金) 21:18:07.85 0
相当疲れたのか、絵里は仕事の話を終えると、「以上でぇーす」と言いながらベッドにダイブしてしまった。
ごろんと仰向けになって、「お布団気持ちいいー」なんて言っている。

まずい、このまま寝ちゃいそうだよこの人。ベッドの上の絵里を眺めながら、衣梨奈は心の中でそう呟く。
そして、でも今日は衣梨奈も話したいことがあるんだ、とぎゅっと拳を握った。

「あの!亀井さん!」

衣梨奈がそう言うと、ベッドに寝そべっている絵里は目だけ衣梨奈のほうに向けて「んー?」と眠そうな声で返事をした。

「さっき、新垣さんからメールがきたんですけど・・・。」

生田衣梨奈だったときは毎日のようにしていたメール。
今では絵里の負担になってしまうからあまりできなくなった。
そのため差出人を見た瞬間に衣梨奈は叫びそうになった。
亀井絵里宛てのメールだけど、それでも嬉しかった。
「新垣さん」の出現で何かを感じたのか、絵里は上体を起こして衣梨奈の顔をじっと見た。

733 :名無し募集中。。。:2012/02/24(金) 21:18:57.03 0
「あの・・・明日の夜、食事に行かないかって。久しぶりに色々話したいって・・・メールがきて。」

衣梨奈が少し俯いて緊張気味にそう話すと、絵里は真面目な表情をふにゃっと崩して笑った。

「なぁんだ、そんなことか。いいよ、行ってきなよ。」
「ヤッター!!!」

あまりの嬉しさに衣梨奈がそう叫ぶと、大声に驚いた絵里の身体がびくっと動いた。
「あ、すみません」と衣梨奈が謝る。
ガキさんが関わるとこの子は本当に嬉しそう、と絵里は思う。
毎日毎日「新垣さん」の話をされて、挙句はお気に入りの生写真まで見せられて、衣梨奈がどれほど里沙を慕っているかはもう十分過ぎるほど知っていた。

734 :名無し募集中。。。:2012/02/24(金) 21:19:56.40 0
「でもくれぐれも、ばれないように気を付けてね!」
「はい!」

絵里が念のため釘をさしても尚、衣梨奈はにやにやが収まらない。
そんな衣梨奈に絵里は少し呆れつつも、微笑ましく思う。

えりぽんが強烈過ぎて薄れちゃいがちだけど・・・と、絵里は考える。
だけど、実際ガキさんもかなり好きなんだよな、えりぽんのこと。
それは生田衣梨奈になって初めてわかったことだった。
一見冷たくあしらっているように思えるのだが、里沙の、衣梨奈としての絵里を見つめる視線はいつも優しい。多分、誰に対してよりも優しい。
わかってんのかな〜えりぽんは、なんて思いながら、体育座りで手帳に何やら書き込んでいる衣梨奈を見つめる。

735 :名無し募集中。。。:2012/02/24(金) 21:20:52.99 0
どうしよう、久しぶりに会えるんだ。

こんなに嬉しいことは久しぶりだ、と衣梨奈は思った。
手帳にデート、と書き込んでハートマークを付ける。
生田衣梨奈としてではないけれど、そんなことはどうでもよかった。
生写真や写真集を毎日眺めているだけの生活は、衣梨奈にとって限界だったのだ。

「じゃあ寝ちゃいそうだから絵里帰るね。」

そう言って絵里はベッドから降りて、帰り支度を始めた。
そんな絵里を、何か言いたげな表情で衣梨奈が見上げる。

「あ、待ってください、あの・・・。」
「なに?」

絵里がドアノブに手をかけたところで、衣梨奈が立ち上がって引き留めた。
にやけていると思えば、また何か思いつめたような顔になっている。
ころころ表情が変わる子だ、と絵里は思った。

「・・・新垣さんのバースデーTシャツで行ってもいいですか?」
「それはやめて。」

そう言った絵里の顔は引きつっていた。

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