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ノノ*^ー^) えりがナマタでえりながカメで |||9|‘_ゝ‘) Part3
583 :
名無し募集中。。。
:2012/02/19(日) 20:10:57.27 0
>>262-264
,
>>318-322
,
>>422-430
つづき
苦手な方はスルーでお願いします
目を覚ました衣梨奈の目に飛び込んできたのは、見覚えのない照明と天井だった。
此処が絵里の部屋でないことも、まして衣梨奈の部屋でないこともなんとなく分かった。
そうなると、此処はいったい……と衣梨奈は体を起こすと、ズキッと頭が痛んだ。
「いっ……た…」
衣梨奈はだれかのベッドに横になっていたことに気付く。
ひとりで占領して申し訳ないなと思うが、だれの部屋だろう。
初めて見た絵里の部屋とは違い、綺麗に整理、片付けられたこの部屋の主人はだれだろう。
「あ、起きた?」
衣梨奈がベッドから降りると部屋に入ってきたのは、先ほどまで一緒にいたれいなだった。
彼女はジャージ姿に濡れた髪をタオルで拭きながら衣梨奈に笑いかけた。
「もう絵里かなり酔ってたけん、今日はれなン家泊まりぃよ」
衣梨奈は彼女の言葉を噛み砕きながら、必死に記憶を掘り起こす。
そうだ。確か居酒屋で梅酒を飲んでいたら楽しくなって、途中からもう呂律も回らなくなって頭も痛くなって…
それから…それから……?
584 :
名無し募集中。。。
:2012/02/19(日) 20:11:27.57 0
衣梨奈はまだ少し痛むこめかみをおさえながら、またれいなとキスをしてしまったことに胸を痛めた。
拒むことが出来ないことも分かっているのに、瞬間に頭に浮かんだ絵里のことを思った。
今日、れいなと会っていることを知らない絵里は、いま、なにをしているのだろう?
「まあ風呂入りぃよ、いま空いとぉし」
れいなの言葉に衣梨奈は思考を止めた。
しかし、「風呂」という言葉に衣梨奈はドキッとする。
それは、つまり………
「絵里ぃ?まだ酔っ払っとぉ?」
れいなは「ニシシ」と笑いながら衣梨奈の頭を撫でたあと、化粧水をコットンに沁み込ませていく。
衣梨奈は漸く、自分の置かれている状況を把握した。
内心、冷汗は止まらないが、とにかくあまり不自然にならないようにと、衣梨奈は「うん」と返事をし、立ち上がる。
「お風呂場にジャージ置いとるけん、使いよ」
れいなの言葉を背中に受け、衣梨奈はゆっくりと部屋を後にする。が、すぐに戻ってきた。
「……お風呂、どこだっけ?」
585 :
名無し募集中。。。
:2012/02/19(日) 20:11:57.32 0
---------
シャワーを浴び、借りたジャージに腕を通しても、衣梨奈にはこの状況を切り抜ける妙案が浮かばなかった。
これからどうするのが正解だというのだろう。
中学生である衣梨奈といえど、この状況が指し示す意味が分からないわけではない。
れいなと絵里の関係が何処まで進展しているのかなど、衣梨奈は知る由もないが、もし「そういう行為」になった場合、衣梨奈はさすがに受け入れるわけにはいかない。
彼女とキスを交わした瞬間、衣梨奈の頭の中には、絵里と、もうひとり、一瞬だけではあるが確かに彼女の笑顔がよぎった。
―――えりぽんっ
そうして笑いかけた聖の姿が、離れない。
ただどうしようもなく、聖に逢いたくなった。
その願いが、いかに儚く、意味を成さないものだと分かっていたとしても―――
衣梨奈はれいなにドライヤーを借り、髪を乾かし始めた。
心臓の音がひどく耳に残る。ドライヤーの音よりも耳障りな心音だけが、衣梨奈の世界のすべてだった。
どうする?どうすれば良い?
どうすればだれも、傷つかなくて良い?
586 :
名無し募集中。。。
:2012/02/19(日) 20:12:56.17 0
衣梨奈はドライヤーで乾かす手を止めて、ふと目の前にある鏡を見た。
ひどく不安げな瞳を持った亀井絵里が、鏡の中からこちらを見つめている。
22歳の彼女は、14歳の衣梨奈にどうしてほしいのだろう?
14歳の衣梨奈は22歳の絵里として、どうすべきなのだろう?
「これ……ありがとう」
衣梨奈はドライヤーをれいなに手渡すと、れいなはひとつ頷き、それを取る。
彼女は鼻歌交じりに寝る準備をしていた。
それは至極当然の行為でしかないのだけれど、その先にあるかもしれないひとつの可能性が見え隠れし、衣梨奈の心臓が鷲掴みにされる。
再び鏡の中の自分を見る。
亀井絵里の瞳に映るのは、紛れもなく亀井絵里でしかない。
その奥にある生田衣梨奈はただその運命を受け入れるしかないのだろうか。
これほどに心が揺れ、魂が叫んでいるというのに―――
587 :
名無し募集中。。。
:2012/02/19(日) 20:13:37.58 0
衣梨奈がふと目を閉じた瞬間、背中に温もりを感じた。
その温もりが、れいなのものだと気付いたとき、衣梨奈は泣き出しそうになるほどの安心感と切なさを携えた。
れいなは衣梨奈をそっと抱きしめ、首元に回した腕の力を心なしか強める。
「…なんか、悩んどぉと?」
耳元で囁かれた言葉に、衣梨奈は思わず声を詰まらせたが、奮い立たせるように「なんで?」と聞く。
れいなは衣梨奈の肩に顎を乗せて言葉を紡ぐ。耳にかかる甘い吐息に、衣梨奈は、震える。
「……泣きそうやから」
甘くて優しいその言葉が胸を真っ直ぐに射抜く。
衣梨奈は回されたれいなの腕をそっと握る。もう、なにもかも話してしまいたくなる。
この温もりの中、たったひとりで抱えてきた痛みを、苦しみを、寂しさを、解放してしまいたかった。
だけど、もし話してしまえば、傷つくのは、れいなであり絵里であった。
本当に好きじゃない人にキスをしてしまった後悔を、れいなに背負わせたくなかった。
もうこれ以上、だれにも泣いてほしくなかった。
「なんでもないよ。だいじょうぶだよ、れいな」
だから衣梨奈は、自分の中で溢れそうになった感情にキツく蓋をし、れいなに精一杯笑いかけた。
れいなもその表情を見て、それ以上は追及することなく、優しく衣梨奈の頭を撫でた。
「寝よっか」
その言葉に衣梨奈は頷き、ふたりはベッドへと入った。
照明を消したあと、部屋には真っ暗な静寂が落ちた。
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