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週刊ウルフ創刊号

1 :名無し募集中。。。:2008/01/10(木) 20:43:06.78 O
いろんな書き手が集まって作品を投下するスレです
長編でも短編でもなんでもオッケーです
書き手は名前欄にトリップをつけたり批評の有無を明確に示しましょう

424 :名無し募集中。。。:2008/01/17(木) 19:39:19.20 O
タミフル

425 :名無し募集中。。。:2008/01/17(木) 20:12:07.89 0
ヴォルク・ハン

426 :名無し募集中。。。:2008/01/17(木) 21:11:31.80 0
エメリヤーエンコウルフ

427 :名無し募集中。。。:2008/01/17(木) 21:15:05.46 0
ウルフントップチーム

428 :名無し募集中。。。:2008/01/17(木) 21:16:14.07 0
ウルリルラー

429 :名無し募集中。。。:2008/01/17(木) 22:03:34.53 0
職人さん随時募集中

430 :初春、友理奈と僕【エロあり】:2008/01/17(木) 22:21:04.53 0
幼馴染の熊井友理奈と僕の関係はいつからおかしくなったのだろうか。
記憶を辿っても、もう思い出せない。
友理奈がかつては優しい子だったことなど、僕はすっかり忘れている。
僕は多少気の弱いところはあるかもしれないけど特にいじめられっ子というわけでもないのだが、友理奈だけは僕をひどくいじめた。
リコーダーの中を唾だらけにされたり、
サイズの小さい靴に砂利を詰めたのを履くように強要されたり、
何をしているのかはわからないけど、僕が食べる前の給食を友理奈がトイレに持って入って「もっと美味しく」してくれたり・・・
とにかく、友理奈は暇さえあればいつも僕に絡んでくる。
一日中僕をいじめる甘美なやり方を考えているとしか思えない。
そんな友理奈の転校の報せが電撃的に告げられた日から、友理奈のいじめは途絶えた。
そして、いよいよ明日から会えなくなる日の帰宅後、友理奈が僕を訪ねてきた。
有無を言わさず僕の部屋に上がりこみ、ドアを閉めるや否や、
「おちんちん見せなさい」
いつもと様子の違う、少し上ずったような声で命じた。
いつも冷たく僕の目を見据えている視線も、少し逸れたところを彷徨っている。
今までさんざんいじめられてきたが、性的なことを命じられたのは初めてなので僕もたじろいだ。
それでも長い間に培われた習慣で、僕は従ってしまう。
友理奈は僕のズボンとパンツを膝までずらした下半身に一瞥をくれた後、しばらく黙り込んだ。
無限に長く感じられる。
粗末なイチモツをこれ以上見られるのは恥ずかしい。
「もういいですか・・・?」
「まだ・・・」
友理奈はボソリと言い、僕に背を向け、スカートの中をまさぐって、足首までパンツを下ろした。
前かがみになって片足を上げ、パンツから抜いた。
もう一方の足の踝にパンツを引っ掛けたまま、束の間躊躇っているようだったが、意を決したように素早く脱ぎ捨てた。
それからベッドでうつ伏せになり、スカートをめくり上げた。
ぷりぷりの尻と、いつもより長く見えて眩しい太腿が露わになった。
「今までのこと、少しは悪いなぁって思ってるんだから・・・最期にいい思いさせてあげる・・・」
震える声で友理奈が言った。
「うち、まだ・・・したことないんだから・・・お尻に・・・こすりつけるだけだよ・・・」
友理奈に対する怖れよりも欲情のほうが先に立つ。
僕は友理奈の後ろ頭にぺこりと一礼し、恐る恐るベッドに上がって友理奈に重なった。

431 :名無し募集中。。。:2008/01/17(木) 22:22:45.64 0
友理奈の髪が顔に触れ、いい匂いが鼻をくすぐる。
服の上からでも、友理奈がじっとりと汗ばんでいるのがわかる。
背中から友理奈の大きな鼓動が伝わる。
僕は腰をもぞもぞ動かし、勃起したイチモツを尻の割れ目に埋める。
海綿体がどうかなってしまいそうなくらい、友理奈の尻は熱い。
クラクラして吹っ切れた僕は夢中で友理奈の尻にイチモツをこすりつける。
「あっ・・・あ・・・お尻の穴が取れちゃうよぉ・・・」
友理奈にしては珍しく情けない声を出しながら、肩が震えている。
泣いているような気もするが、気持ちよくてぶるぶるしているだけなのかもしれない。
どちらも、なのかもしれない。
僕にはそれがわからない。
わかる前に果ててしまったから・・・。

友理奈の尻に飛び散った精液がパリパリに乾くまで、僕たちは動かなかった。
動けなかったのではない。動きたくなかったのだ。
止まった時間の中を永遠に漂うように、ずっとそのままでいたかったのだ。
「ほんとはうちがいじめてほしかったんだ、ずっと・・・でもそんなの言えないよね・・・いじめてくれないから、でもいつも○○君と関

わっていたかったから、うちがいじめたの・・・」
背中に僕を乗せて、うつ伏せのまま、友理奈はしみじみ語った。

432 :初春、友理奈と僕【エロあり】:2008/01/17(木) 22:23:33.59 0
ベッドから起き上がり、やはり僕に背を向けたままパンツを履き、振り向いた時にはいつもの強気な表情に戻っていた。
だが、徒歩三十秒の友理奈の家まで一緒に歩き、いよいよお別れという時、友理奈が僕に、幼稚園以来となる涙を見せた。
「絶対会いに行くよ。小遣い貯めて」
友理奈に対して初めて、強い言葉が自然に出た。
友理奈と二度と会えない人生なんて、許せるわけがない。
「うん・・・・・・いじめに来てね・・・」
蒼ざめて儚げだった友理奈の顔に、赤みがさした。
「今度はお尻じゃなくて・・・アソコを・・・痛くしに来てね・・・それまで純潔をとっとくから・・・」
僕らは友理奈の家の前であることを忘れ、長い口づけを交わした。
舌を絡ませたりしない、互いの唇の柔らかさと温もりを確かめ合うだけの口づけを。
十四歳の僕たちの季節はこれからだ。

終わり

433 :名無し募集中。。。:2008/01/17(木) 22:59:24.28 0
http://mamono.2ch.net/test/read.cgi/morningcoffee/1199965386/430-432

JavaScript:with(document.body)innerHTML=innerHTML.replace(/友理奈/g,'りしゃこ');focus();

434 :名無し募集中。。。:2008/01/17(木) 23:00:05.81 0
一瞬ウイルス貼られたかと思ったw

435 :名無し募集中。。。:2008/01/17(木) 23:00:51.15 0
自分だけで楽しんでたのに下手こいた
まじごめん

436 :名無し募集中。。。:2008/01/17(木) 23:01:43.47 0
>>435
何やろうとしてたんですか?

437 :名無し募集中。。。:2008/01/17(木) 23:05:00.95 0
ネームチェンジ?

438 :名無し募集中。。。:2008/01/17(木) 23:07:22.15 0
もしかして週刊ウルフまとめサイト作り?

439 :名無し募集中。。。:2008/01/17(木) 23:09:48.10 0
週刊ジュニアウルフは

440 :名無し募集中。。。:2008/01/17(木) 23:10:11.32 0
つーか日刊では

441 :名無し募集中。。。:2008/01/17(木) 23:23:59.46 0
日刊ウルフか
スポーツ新聞みたいだな

442 :名無し募集中。。。:2008/01/17(木) 23:28:51.83 0
バックナンバーと称したまとめサイトが欲しいな

443 :名無し募集中。。。:2008/01/17(木) 23:29:43.96 0
暗いと不平を言うよりも
進んで明かりをつけましょう

444 :名無し募集中。。。:2008/01/17(木) 23:32:16.67 0
>>443
よし頼んだぞ

445 :名無し募集中。。。:2008/01/17(木) 23:33:24.51 0
私は暗いと思わない

446 :名無し募集中。。。:2008/01/17(木) 23:34:11.53 0
>>443
よかったまとめ作ってくれるんだな

447 :名無し募集中。。。:2008/01/17(木) 23:34:50.23 0
ラッキーだな
すぐにサイト作成者が見つかるなんて

448 :名無し募集中。。。:2008/01/17(木) 23:35:32.18 0
>>445
そうかそうかやってくれるか。期待してるぜ

449 :名無し募集中。。。:2008/01/17(木) 23:36:08.96 0
なんか賑やかだな

450 :名無し募集中。。。:2008/01/17(木) 23:36:48.28 0
>>443がまとめサイト作ってくれるってさ

451 :名無し募集中。。。:2008/01/18(金) 00:14:25.54 0
保全乙

452 :名無し募集中。。。:2008/01/18(金) 00:15:04.54 0
VIPのパクリか?

453 :名無し募集中。。。:2008/01/18(金) 00:19:22.72 0
VIPは漫画雑誌作ってたな

454 :名無し募集中。。。:2008/01/18(金) 00:24:45.94 0
VIPはふざけて遊ぶ
狼は死ぬ気で遊ぶ
このスタンスの違い

455 :名無し募集中。。。:2008/01/18(金) 00:34:40.53 0
受け入れ態勢よぉ〜し
支援準備OK!
作品カモン!

456 :読み切り ◆GfCzY7k762 :2008/01/18(金) 00:38:55.92 0
 『ツチノコ騒動』

待機中の楽屋でお菓子を食べていた菅谷は突然短く叫ぶと、
次は思い出し笑いをして吹き出した。このパターンは、と他のメンバーは互いに目配せをする。

「ねえねえちょっと聞いてぇ。昨日面白いこと聞いちゃったんだぁ」

隣にいた夏焼に嬉々と話しかける菅谷。犠牲は夏焼に決まった。
菅谷の面白い話は、あまり面白くない。何故ならキチンとお話にならないからだ。
まず話している本人がこんがらがり、言葉の選択を間違え、わけがわからなくなる。
そのくせ聞く態度が悪いと機嫌が悪くなるから困ったものである。

「昨日友達がね、ツチノコを見たんだって」
「ツチノコ?」
「えっマジで!? その話ホントに!? ツチノコ!?」

逆隣の嗣永がいきなりテンションを上げて割り込んできた。
驚いて目を丸くする菅谷と夏焼だが、嗣永は構わずその真偽を聞き喚いている。

「ツチノコってあのツチノコでしょ!? それってすごくなーい?」
「でも友達なんでしょ? 梨沙子の友達って変わってる子多いから……」
「で、ホントなの?」
「ホントにホントだって。その友達が友達に聞いたんだもん」
「「は?」」
「だから友達だけどその友達から聞いたわけじゃなくて、友達の友達からだけどその子とも友達だから、友達が友―-」
「「ちょっ、ちょっとストップ!」」

二人の声は程良くハモった。これだからと他のメンバーは溜息をつく。
菅谷の友達だけれども、その友達が別の友達に話したのを昨日その友達から聞いたらしい。

「友達はわかったけど友達友達じゃわかんないから、誰なの?」
「それじゃ名前で言うね。友達の宇宙人が友達のネッシーに聞いた話らしいんだけど……」    -オワリ-

457 :名無し募集中。。。:2008/01/18(金) 00:49:05.99 0
カ、可愛いやないかい

458 :名無し募集中。。。:2008/01/18(金) 02:15:31.61 0
ウルフ

459 :ショートショート「雪」:2008/01/18(金) 04:40:00.44 0
PV撮影の合間、スタジオから抜け出した夏焼の視線に、ひとり佇む菅谷の姿が見えた。
ぽっかりと口を開け曇り空を見上げている。

「なにやってんの?」

声を掛けるが反応がない。「梨沙子!」と声を上げると、ようやく夏焼に顔を振り向けた。

「こんなところでなにしてんの?」

再度尋ねる。すると菅谷は上を向いて人差し指を空に向けた。

「雪、降らないかなぁって思って」
「えっ!?」
「だってほら、綺麗でしょ、ふわぁってなって、地面がダダダダダッて白くなったら」

手振りを加え早口で説明する。よくわからないが、雪が積もったら綺麗だってことか。

「それ待ってんの?」

眉をひそめ夏焼が尋ねると、菅谷は笑顔で頷き天を仰いだ。
雪が降るまでその格好で待ち続けるつもりなのか。

「でも…」
「ミヤー、出番だよ!」

言いかけたが、スタジオから清水の呼ぶ声が聞こえ、口をつぐんだ。
真剣な表情で空を見上げる菅谷を尻目に、夏焼はスタジオに駆け戻った。

──梨沙子の願いは叶わないと思うよ。だって…

スタジオの扉に手を掛けた夏焼の足元に、真っ赤に色づいたもみじが舞い落ちた。
                                                   了

460 :名無し募集中。。。:2008/01/18(金) 08:56:37.46 0
りーちゃん
ほのぼのするわ

461 :名無し慕集中。。。:2008/01/18(金) 11:46:51.63 0
落ちないで〜

462 :名無し募集中。。。:2008/01/18(金) 12:52:48.60 O
落としてなるものか!

463 :名無し募集中。。。:2008/01/18(金) 14:31:14.21 0
ウルフ

464 :名無し募集中。。。:2008/01/18(金) 16:13:10.61 0
ウッルフ

465 :名無し募集中。。。:2008/01/18(金) 18:32:36.43 0
保全ウルフ

466 :名無し募集中。。。:2008/01/18(金) 18:34:51.25 0
書き手より読み手が欲しい

467 :名無し募集中。。。:2008/01/18(金) 19:05:40.00 0
ここにいる税

468 :名無し募集中。。。:2008/01/18(金) 19:09:01.85 0
向こうのスレ見る限りだと結構読者はいるんじゃないか?
ROM専もふくめると

469 :名無し慕集中。。。:2008/01/18(金) 19:10:38.47 0
ROM専でござる

470 :名無し募集中。。。:2008/01/18(金) 20:50:27.62 0
ウルフ

471 :名無し募集中。。。:2008/01/18(金) 21:00:03.59 0
>>469
書き込んでるじゃねーか

472 :名無し募集中。。。:2008/01/18(金) 22:36:21.88 0


473 :名無し募集中。。。:2008/01/18(金) 23:01:41.81 0
何か各課

474 :名無し募集中。。。:2008/01/19(土) 00:08:06.91 0
待ちウルフ

475 :名無し募集中。。。:2008/01/19(土) 01:10:32.70 0
落ちそうじゃん

476 :名無し募集中。。。:2008/01/19(土) 02:20:57.59 0
ウルフ

477 :読み切り ◆GfCzY7k762 :2008/01/19(土) 02:55:10.77 0
 『どんな時も』

吉澤が玄関を出てふと飛び立つ鳩を目で追っていたら屋上に人影を見つけ、まさかと思い屋上まで来てみたら
涙と瑕疵でぐちゃぐちゃな顔をした道重を屋上の端に見つけ、それからずっとやめろやめないの応酬を繰り返していた。
暮れなずむ空の下。フェンス越しに対峙する自殺間近の少女とその子の担任教師。

「何があったんだ! 話してみなさい! それからとにかくこっちに来なさい!」
「やだ! 来ないで! 来たらもう死ぬ! 絶対死ぬぅ……」
「わかったわかったから! 落ち着こう! な、落ち着いて……落ち着いて。何があったんだ道重」
「さゆみはかわいい! かわいいの! どんな時も! なのに何でいじめられなきゃならないの!」

吉澤には心当たりがあった。とはいってもつい先ほど気がついたばかりだったが。
道重はその特異な性格からクラスでも友達がおらず孤立していたが、道重自身特に気にする様子もなくクラスメイトとも特に問題がなさそうだったので吉澤は心配していなかった。
しかし道重を見かける三十分ほど前、偶然クラスメイトが道重へのいじめの内容を話している場面に遭遇した。
その子達は吉澤を見ると逃げるように帰ってしまい、道重も教室に残っていなかったので吉澤は職員室で頭を抱え、もし事実ならと途方にくれたまま帰宅しようとして、今に至る。

「……そう、そうだ、道重はかわいい。かわいいよ」
「でもあいつら人のことずっと豚とかキモいとかブサイクとか言って! どんなさゆみもかわいいのに! あいつら――」
「そんなことない。そんなことないって。道重はかわいいよ。先生にはわかるよ道重は誰よりもかわいいって」
「でも! ……でも、みんな……私のこと」
「みんなホントはわかってるんだよ。でも嫉妬してるんだと思う。道重のかわいさに。自分でも思うでしょ?
 大きな目に、白い肌。ふっくらした唇。髪だって綺麗だし、お人形さんみたいだって。ね? いつも自分でそう言ってるじゃない。
 そう。どんな時でも道重はかわいいから。それはみんなわかってるから。だから、ほら、とりあえずこっちにきて。自殺なんてやめて」
「……」
「いつでも道重はかわいいから。今も、ほらかわいい。そのかわいい顔を持って近くで見させて。そんな所で死んだらかわいい顔も台無しだよ。ね、ほら」

吉澤の説得が通じたのか道重はハッとした顔をして、屋上の縁から降りるとフェンスに向かって歩き出した。
ホッとした吉澤だが道重は置いていた鞄から大きな鏡を取り出すと再び縁へ戻り、吉澤のほうを向くといつものように鏡を顔の前まで持ってきた。

「死ぬ瞬間の私って……もしかしたらブサイクなの?」

道重はそのままの格好で吉澤の視界から消え去ったのだった。

478 :華梨奈 ◆K3uNUi3vDQ :2008/01/19(土) 03:13:38.61 0
タイトル 友達の終わり


前日入りしたツアー終盤、ライブのリハも終わり
今回は珍しく郊外にある風情のある旅館の宿を取ることになった。
他に宿泊客もいなかったのでほぼ貸切状態だった。
高台にある旅館、メンバーのみんなには新鮮に映っただろう。
目の前には街が夕陽に照らされ、ポツポツと家に明かりがついていた。
今夜の夕食は庭でのバーベキューと
スタッフの計らいで前々から千奈美が言っていた流しおーどんをやるということでテンションの上がるメンバー。
食事の時間まで間があったのでおのおの時間まで自由行動。

「佐紀ちゃん知らない?」 と茉麻に聞くと
「さっき部屋に行ったよ。なんか疲れたから部屋で休むって。ご飯になったら起こしてって。」
「ありがと。」

奥の角の部屋が佐紀と桃子の割り当てられた部屋
ドアを遠慮がちにノックして返事を待つ。しかし返事は無かった。
「佐紀ちゃん入るよ。」 ノブをゆっくり回して静かにドアを開けた。
入り口から布団の端が見えた。

479 :華梨奈 ◆K3uNUi3vDQ :2008/01/19(土) 03:15:36.88 0
寝てるのかと思ってそっと入ると、佐紀はうつ伏せになってヘッドフォンで曲を聞きながら足をパタパタしていた。
「なんだ起きてるじゃん、佐紀ちゃん」といって近づく。
気配を感じた佐紀は、不意の侵入者に激しく驚いた。

「!    なんだミヤか〜、おどかさないでよ。」
「さっきノックもしたのに聞こえなかったの?」
「・・・うん。」

「なに聞いてるの?」といい、佐紀の隣で横になってヘッドフォンの片方を耳に当てた。
「さっきのリハ?」
「うん。もうちょっとでツアー終わりだからちゃんとやりたいし、気がゆるんできた感じがしたから。」
「だからさっきのリハあんなに一生懸命だったんだ。本番みたいだったから。」
「そう。だから今日は疲れちゃった。  ミヤ、何か用だったの?」
「大したことじゃないからまた今度でいいよ。」
「そお? 疲れたからちょっと寝るね。ご飯になったら起こして...」
と言うか言わないかの間に、夢の中に佐紀は堕ちていった。

あまりの寝つきの良さに驚いたが、リハの様子からしてもギリギリまでやっていたのは理解していた。
「おやすみ佐紀ちゃん」

話す相手を失った雅は、さっきまで佐紀が聞いていたリハの様子の入ったMDを聞いた。
真剣な中に時々こだまするみんなの笑い声。
舞台監督、照明、音響、振り付けの先生、いろんな人の声も聞こえた。
いろんな人が彼女たちのステージのために一生懸命やってくれている。
そういう人達の期待に応えるためにも佐紀は必死にやっていた。
「んぅ・・・。」寝返りをつと雅の方に向かう形になった。そのはずみで顔に髪の毛がかかった。
静かに寝息をたたえるその度に、艶々した黒髪が揺れる。
軽く髪の毛をかき上げる雅。そのとき佐紀が微笑んだ気がした。

480 :華梨奈 ◆K3uNUi3vDQ :2008/01/19(土) 03:17:25.86 0
いつも感じていた。
色々つらいこともあると思うけど、そういうところを見せない佐紀を尊敬をしていたけれど
少し寂しく雅は感じていた。

眠る佐紀ちゃんの頬をなで ふと思う
もっといろんな事を話して欲しい
もっと佐紀ちゃんの力になりたい
もっと傍にいたいの でも ちっとも言ってくれないね  ミヤじゃ力になれないのかな?
眠っているとわかっているから呟く。



━佐紀ちゃんのことが…好きです━



希望があれば続く

481 :名無し募集中。。。:2008/01/19(土) 05:03:51.49 O
ほぜん

482 :名無し募集中。。。:2008/01/19(土) 08:15:34.69 0
さむい

483 :名無し募集中。。。:2008/01/19(土) 10:39:12.41 0
保全あげいたす

484 :名無し募集中。。。:2008/01/19(土) 11:30:50.60 0
正直百合物はよくわかりまてん

485 :名無し募集中。。。:2008/01/19(土) 12:49:04.92 0
ウルフしとくわ

486 :名無し募集中。。。:2008/01/19(土) 13:21:58.49 0
続けてー

487 :名無し募集中。。。:2008/01/19(土) 15:16:51.20 0
うるるん

488 :名無し募集中。。。:2008/01/19(土) 17:09:39.21 0
ウルフ

489 :名無し募集中。。。:2008/01/19(土) 18:19:31.79 0
ウルフ

490 :名無し募集中。。。:2008/01/19(土) 20:05:02.79 O
期待

491 :名無し募集中。。。:2008/01/19(土) 20:05:52.94 0
巧い人出てきて書いてくれりゃいいのに

492 :名無し募集中。。。:2008/01/19(土) 21:29:11.53 0
ウルフ

493 :名無し募集中。。。:2008/01/19(土) 22:47:43.88 0
ウルフ

494 :名無し募集中。。。:2008/01/19(土) 23:55:40.88 0
uruhu

495 :名無し募集中。。。:2008/01/20(日) 00:27:49.29 0
新作来ますよ

496 :アマノ ◆PU/AhSEXlo :2008/01/20(日) 00:38:14.12 O
『ナイトバーズ』 第一部

矢島舞美はいい気分で目を覚ました。
いい気分以外の気分で目を覚ます理由がなかった。

ひとつきっかけをつかんで途方もなく伸びていった女優の
例はたくさんある。舞美のきっかけは、ある舞台公演だった。
それまでの舞美はテレビのレギュラー番組1本、他は単発が時折あるだけで、
売り出し中の若手女優のひとりに過ぎなかった。
しかしそれでも、リハーサルには日をとられるし、
週2回は作曲家のところに歌の勉強に行き、
日舞、発生学、演技基礎などの専門教師についていたから、
日中から夜遅くまで、自分の時間はほとんどなかった。
そして多くの若者がそうであるように、舞美もまた
希望に燃えて懸命にハードスケジュールをこなしていた。

舞美に舞台出演の話がきたのは冬の寒い日だった。
大劇場でまるまる1ヶ月拘束される。
土日のマチネもあるし、レギュラー番組との
両立は大変だ。そのくせお金にならない。
事務所は渋ったが、舞美が主張した。
「賭けさせてください。テレビも絶対休みませんから」
舞美は、順調な若者が示す、貪欲で怜悧な表情をしていた。
「ちゃんとした舞台でしごかれてみたいんです。
私、まだなんにも身につけてないから」


497 :アマノ ◆PU/AhSEXlo :2008/01/20(日) 00:59:03.94 O
舞美の希望がいれられて舞台を強行することになった。
他の役者のスケジュールもあり、稽古はたいがい深夜になる。
テレビと舞台ではセリフのメリハリも発声も違うらしく、
稽古がはじまって2、3日で彼女は声を潰してしまった。
くしゃっとした顔で車の中に駆け込んで吸入器にかじりついていた。

公演がはじまり、しばらく彼女は夢中で格闘した。
彼女の役は不良少女で、かすれ声が偶然の効果になったかもしれない。
バイタリティに富み、弾力のある新しい型の
不良少女と劇評でも評された。
1ヶ月の公演を終えて、ひと廻り太くなったように自分でも思えた。
局のスタッフの表情にも、それが現れている。
劇界の人間として、ひとつの席を得たようだった。

そして間もなく、舞台だけでなく、映画からも声がかかり、
テレビの方でも舞美をヒロインにしたドラマが
続けて作られた。

世界は彼女に敬礼していたのだ。彼女は常に自分の
理性を保っていられた。気分よく目を覚ますのが当然だった。

名実ともに「人気者」となった舞美に
ラジオ番組のパーソナリティの仕事が新しく決まった。
おしゃべりをして、曲をかけることの他に
リスナーとの生電話のコーナーがあり、
舞美の率直な受け答えが評判になり、人気を博していた。


498 :アマノ ◆PU/AhSEXlo :2008/01/20(日) 01:22:00.43 O
「では次のリスナーさん、どうぞ。もしも〜し」
その日も恋愛相談から将来の夢まで、舞美は
電波の向こうの見知らぬひとたちとの語らいを続けていた。
「お名前とお年を教えてくださ〜い」しばらく間をおいてから
「…早貴です。中2です」どことなく陰気な少女の声が
ブースの中の舞美に聞こえてきた。
「早貴ちゃんね。えっと、今日はなにか質問とかありますかあ?」
舞美は快活に話しかけたが、どうにも反応が悪い。
“暗い子だなあ…”内心で思ったが舞美はあくまでも
明るく話をした。
「あたし…クラスでいじめられてて…」少女がポツリポツリと話しはじめる。
“悩み相談は苦手なのよね”舞美はそれでも
誠実に答えようと言葉を探していたが
ディレクターからは早く切り上げろ、と指示が出ていた。
「とにかく気持ちで負けちゃダメだと思うわ。
やられたらやり返すくらいの気持ちでね」
舞美は励ますようにいったが
電話の向こうの少女の反応は微妙なものだった。
「…わかりました」それだけいうと電話は
突然プツリと切れた。
「で、ではここで一曲お送りいたしましょう」
ディレクターのキューサインで
舞美はとってつけたようなフォローをした。
なんとなく後味が悪かったが、スタジオを出て
家に帰り着く頃にはすっかり忘れてしまっていた。


499 :アマノ ◆PU/AhSEXlo :2008/01/20(日) 01:35:56.99 O
翌朝、支度をしながら舞美はワイドショーにチャンネルを合わせた。
カフェオレを片手に今日のスケジュールの確認をする。
テレビの場面が切り替わり、煽るようなBGMが流れてくる。
吸い込まれるように画面を見ると
レポーターが緊張した面持ちでニュースの子細を伝えていた。

「こちらが同級生を刺殺した中学2年生の少女が通っている学校です」
レポーターが続ける。「未確認ではありますが
この少女は、事件の直前にラジオ番組の
電話相談に出演していたとの情報も入ってきています」

プルルルルッ!!けたたましく電話が鳴ったが
その音はもはや舞美の耳には届いていなかった。
時間が停止したかのような部屋の中、
湯気をたてているマグカップが
舞美の手から滑り落ちた。



以下次号


500 :名無し募集中。。。:2008/01/20(日) 01:39:52.59 0
いい引きだ
是非完結まで続けてくれ

501 :名無し募集中。。。:2008/01/20(日) 02:02:33.38 0
ドキドキするー!

502 :名無し募集中。。。:2008/01/20(日) 03:50:04.60 0
次号に期待!

503 :名無し募集中。。。:2008/01/20(日) 03:51:46.86 0
なかなか創刊号埋まらないな

504 :名無し募集中。。。:2008/01/20(日) 04:11:55.16 0
第一話だらけで埋めるつもりか

505 :名無し募集中。。。:2008/01/20(日) 04:19:58.47 0
書き手がそんな勘違いをしているやもしれぬ

506 :名無し募集中。。。:2008/01/20(日) 07:06:04.58 0
おはよ

507 :名無し募集中。。。:2008/01/20(日) 07:26:18.30 0
■アイドル・デュエリストれいな(最終回)

前回までのあらすじ >>269-274
 四天王最後の一人、藤本の苛烈な攻撃に絶体絶命のれいな。仲間たちの
熱い叫びを受け、死の淵から蘇る!


508 :名無し募集中。。。:2008/01/20(日) 07:26:54.06 0
「れいなのターン!!」
「いい加減、飽きてきたんですけど」藤本は辟易とした口振りだ。「あんた
が勝つ確率なんてゼロ以下じゃん」
「確率なんて関係なか。れいなは信じちょるばい。れいなの仲間と、れいな
のデッキと……」
れいなの手が山札にかかる。「れいな自身を!」
「ドロー!」
れいなは引いてきたカードを即座に使った。
「企画カード《ユニット解散》。ユニットから《仔猫れいにゃ》を脱退させる」
「そんなクズカードで何ができるんだよ」
「《仔猫れいにゃ》の特殊効果発動。このカードが単独で出現したとき、カー
ドを2枚ドローする」
れいながさらに2枚のカードを引いた。そのうち1枚を客席ゾーンに置き、
ファンを増やす。

509 :名無し募集中。。。:2008/01/20(日) 07:27:30.49 0
「企画カード《ソロ・デビュー》。《仔猫れいにゃ》を《夜叉髑髏レイナ》に
上位転生。このカードがステージに出たとき、相手ステージの黒属性メンバー
を全て謹慎させる。フライデー・フラッシュ!!!」
「な、何ぃ!」
藤本のステージにある《爆煙神官アイボマー》と《聖胎使ノノタ》、さらに
《美脚神グレート・ミキ》がリバースされた。
「いよいよ主役登場ばい!」れいながさらなるカードを繰り出す。
「企画カード《ソロ・コンサート》発動。《愛戦士タカハシ》《魔導装置ガキ
サン》《光帝アイカ》をバックダンサーにして《夜叉髑髏レイナ》を確変
転生!! 目覚めんしゃい!《超星天帝タナカ=レイナ》!!!」
渦巻く黒雲を散らし、光り輝く究極神が、いま天空より降臨する。
「このカードがステージに出たとき、謹慎中の黒属性2以上メンバーは芸能
界から除外される」
「うわあぁぁぁ!!」
聖なる光に照らされ《爆煙神官アイボマー》が蒸発した。藤本の売り上げが
7千枚けずられる。


510 :名無し募集中。。。:2008/01/20(日) 07:28:01.24 0
「さらにカード効果で相手ステージのユニットを1つ解散させる。無論《究極
美神ギャム》が解散たい! 同時に相手ステージにいる歌唱属性5以上のメン
バーを劣化させ、その売り上げに等しいダメージを相手プレーヤーに与える!」
ユニットを解散され、《美脚神グレート・アヤ》も《機械人形アヤ》に戻って
しまう。
「この効果が発動したとき、相手プレーヤーは手札の半数を失う」
藤本の手札が半減する。
「しかも、捨てられた手札数の5千倍《超星天帝タナカ=レイナ》の売り上げが
上昇する」
《タナカ=レイナ》を包んでいた光の輪がルビー色に輝き、売り上げが一気に
上昇する。
「そして《タナカ=レイナ》の売り上げが10万枚を越えた場合、相手の客席
ゾーンのファンを全て吸収、自分の客席ゾーンに配置する」
れいなの客席に活性化したファン4万人が詰めかけた。


511 :名無し募集中。。。:2008/01/20(日) 07:28:29.67 0
「ファン2万8千人を動員して《超星天帝タナカ=レイナ》のビヨンド・パワー
発動! 手札の企画カードを1枚ファン・コスト0で使用する」
れいなが手札の1枚を叩きつけた。
「企画カード《単独ツアー》開催たい!」
れいなのステージがライトアップされ、中央に鎮座する《超星天帝》の神々
しい姿が、交錯する光線の中に燦然と照らし出される。
「これにより、自分のステージ上の謹慎中メンバーが全員復帰、山札から
10枚ドロー、手札から5枚までのファンを客席に配置し、各属性のメンバー
を1体ずつ特殊召還、一般人から任意のメンバーを1体復帰させる」
「強すぎだろ!!」
「ターン・エンドたい」


512 :名無し募集中。。。:2008/01/20(日) 07:29:22.75 0
「さすがに今のは少しヤバかった……」藤本は顎をつたう汗を袖口で拭った。
「でも、デュエルはまだ終わってないから」
常人ならとっくに意識を失っていたであろうダメージを受けながら、藤本は
なお幽鬼のごとく立ちあがり、血走った眼を見開いてれいなを睨んだ。
「そうたい、まだ終わっちょらんけん」
「何ぃ!?」
「《超星天帝タナカ=レイナ》のアドバンスト効果発動! エンド・フェイズに
このカードがステージ上にある場合、そのプレーヤーが勝利する」
「ちょ……じゃあ今までの効果は……!!!」藤本の叫びは肉体と共に、膨
張する白熱光に飲み込まれ、消滅した。


513 :名無し募集中。。。:2008/01/20(日) 07:29:48.70 0
「……勝った? 勝ったの!」
「すごいですよ? あの状況からの逆転なんて考えられなかったんですよ?」
「やったな、れいな。お前もいいデュエリストになったのだ」
駆け寄ってきた仲間たちがれいなの周りを取り囲んだ。れいなは振り返り、
一瞬微笑んだかと思うと、不意に新垣の腕の中に倒れ込んだ。
「れいな! しっかりするのだ!」
れいなは薄目を開けて笑った。「ヘヘ、勝ったっちゃね……」
「もう! 心配させるな!なの」
「藤本さんはどうしてるっちゃ?」
「あの人なら、まだあそこに倒れていますよ?」
れいなは絵里の示す方を見やり、新垣の手を振りほどくと、痛む右足を引き
ずるように藤本に歩み寄っていった。

514 :名無し募集中。。。:2008/01/20(日) 07:30:36.05 0
「フッ、笑いに来たのかい」藤本はうつぶせに倒れたまま、指一本動かせず
にいた。
「いや、お礼を言いに来たっちゃ」
「礼?」
「あんたとのデュエル、バリ面白かったっちゃ。あんたみたいなデュエリス
トと戦えて、れいなは幸せたい」
「フフフッ、変わった子だね」藤本の声はどこか楽しげであった。「お前の
ようなデュエリストがまだ生き残っていたなんて……世の中捨てたモンじゃ
ないかもね」
「ハハハハハ」
そのとき、どこからともなく哄笑が響き、藤本の言葉をかき消した。声の出
所を探して周囲を見回す一同。
「あ、あそこに誰かいるの!」
闘技場を見下ろす崖の上に、黒いマントをたなびかせた女が高笑いしていた。


515 :名無し募集中。。。:2008/01/20(日) 07:31:15.85 0
「あ、暗黒皇帝……」
「藤本、お前も使えん奴やのう。もう用済みや」暗黒皇帝と呼ばれた女が右
手を振ると、輝くカードが1枚空を切り、藤本の背中に突き刺さった。
「ぎゃあぁぁぁぁ!」藤本は絶叫と共に異空間に姿を消した。
「何ばしよると!」
「あ、あの人が地下デュエル界の暗黒皇帝、中澤裕子ですよ?」
「何!?」
中澤の声が闘技場に響く。
「侵入者っちゅうんはあんたらか。うちのモンが世話になったのう」
「待っちょれ、中澤! 今からお前を倒しに行くけん!」れいなの声は怒り
に震えていた。
「元気のいいお嬢ちゃんやないの。いつでも相手になってやるさかい、か
かって来ぃや」
「よし、みんな行くっちゃ」
「了解なの」
「絵里も最後までお供しますよ?」
「まったく、れいなといるとトラブルばかりなのだ」
4人のデュエリストは中澤の立つ頂上をめざし、狭く険しい道を駆けあがり
はじめた。

 戦え!アイドル・デュエリストれいな! 戦いはまだ始まったばかりだ!

                                          − 完 −


516 :名無し募集中。。。:2008/01/20(日) 08:53:34.38 O
キター!
ぜひ続きを

517 :名無し募集中。。。:2008/01/20(日) 10:59:42.31 O
期待あげ

518 :名無し募集中。。。:2008/01/20(日) 12:29:48.92 0
ウフル

519 :名無し募集中。。。:2008/01/20(日) 12:39:58.92 0
舞美の話もデュエリストも面白い

520 :名無し募集中。。。:2008/01/20(日) 13:58:53.43 0


521 :名無し募集中。。。:2008/01/20(日) 15:44:33.08 0
ウルフ

522 : ◆sjehs7tfE6 :2008/01/20(日) 16:10:05.38 0
だからね、好きとかそういうんじゃないの。ただ何か気になるっていうか、見てると無性
に腹が立つというか、自分でもよくわかんないんだけど。
「へゆうかさー、ほれってやっぱり『好き』ってことなんじゃないのー?」
紙コップを口にくわえたままでさっそく千奈美がちゃちゃをいれてきた。またそんな時に
限ってマネージャーさんが横を通りかかって、「男女交際はいかんぞ、夏焼!」とか言って
じろって睨んでくるの。ちい、声が大きいよ!
だいたい、ちいなんて話ほとんど聞いてなかったくせに、とかぶちぶち言ってると、
まぁさまで「うん、うちもそう思うなぁー」って言い出して、ほんとやんなっちゃう。
あたしだってもう中3だよ。恋の一つや二つしてきたっちゅうの! でも今度のは今まで
とはなんか違うのよ。だから困ってんのよ。相談してんのよ。なのにこいつらときたら…
「ねぇねぇ、同じクラスなんでしょ?仲良いの?なんかきっかけあるんでしょ?」
冗談じゃない!まぁさはともかく、ちいなんかに言ったら次の日にはメンバー全員に知れ
渡っちゃう! まぁ、あるといえばあるんだけど。「きっかけ」なんていう生易しい言葉
では語れない、それこそあたしにとってはセンセーショナルな「事件」が。

アイツとは「事件」までほとんどしゃべったことなかった。あたしは女子とばかり一緒に
いたし、クラスの男子はすぐ「ベりーズ工房〜」とかいってからかってくるのであんまり
好きじゃなかった。でもアイツだけはそんな男子の輪の中からちょっと外れたところにい
て、いつも教室の一番後ろの席でみんなのことぼーっと見てた。
男友達がいなかったわけじゃない。どちらかといえば「一目置かれてる」って感じ。陸上
部では長距離の選手で、県大会で何位かに入って表彰されてたっけ。女子の間では結構人
気があって、「クールでかっこいいよねぇー」とか言われてた。
あたしは小さいころから芸能界で大人の男の人と接する機会が多かったからあまり同世代
の男子には興味がなくって、友達がきゃぴきゃぴ言ってるのを、ふーん、そんなもんかぁ
くらいにしか思ってなかった。―――そう、あの「事件」までは。

523 : ◆sjehs7tfE6 :2008/01/20(日) 16:12:12.63 0
今から一ヶ月くらい前、もうすぐ11月って頃の雨降りの日に「事件」は起こった。
その日の日直はあたしとアイツ。ただでさえめんどくさいのに、朝から体調悪くておまけ
に先生から雑用いいつけられたりして、もうサイアクとか思ってた。
友達はみんな帰っちゃって、アイツと二人きり。アイツは何もしゃべらないし、あたしも
何もしゃべることないから二人ともずっと黙ったまま作業してたんだけど、しん、と静ま
り返った教室に雨音だけがやけに響いて、なんか息がつまる。 た、耐えられない!
「あ、『雨音はショパンの調べ』って曲知ってる?あれってさ…」無理やり話題を振って
みたけど、アイツはちょっとだけ振り返って「えっ?」って言ったきり、また前を向いて黒
板を消しはじめた。ちょっと、無視するつもり? もうアッタマきた!
猛スピードで日誌を書き終えて、「あたし、これ先生のとこにもってくね!」って捨て台詞
(間違ってるかな?)を残して勢いよく教室を出たら…
アタマにきてたんですっかり忘れてた。ウチの学校の廊下、雨が降ると湿気で滑りやすく
なるんだった。いきなり視界がぐるんって回って、いやというほど廊下に頭を打ちつけた。
たぶんすごい音したんだろうね、アイツがすっ飛んできて「夏焼!夏焼!」って呼ぶ声が
何となく聞こえた。あたしはとりあえずすっころんだ事だけは理解できて、やだ、パンツ
見えてないかな?とか訳わかんないこと考えながら気を失っちゃった。

気がついたらあたしは保健室のベッドの上で横になってた。あせってとりあえず布団を頭
まで被ると、保健室の先生とアイツが話してるのが聞こえてきた。
「頭の方はたいしたことないわ 一応目が覚めたら送ってあげなさい」そう言われて
なんかアイツがすっごいほっとした顔をして「そうですか」と答えた(ように見えた)。
なんだー、いいとこあんじゃん、アイツ!
先生は書類かなんかを書きながら話し続けた。「多分疲れが溜まってたんでしょうね」
そっか、朝から体調悪かったもんなぁ。それにしてもよかった、たいしたことなくって♪
「あんないびきかいて寝てるくらいだから」 ―――な、なにぃ〜!?
いびき聞かれた いびききかれた イビキキカレタ… その単語だけが頭の中でぐるぐる
回って、そのうち、いびき聞かれたとパンツ見られたとでは言葉の響きが似てるな、とか、
いや、記憶が無くなる前にスカート直したからパンツは見られてないに違いないとか、も
うどんどん変な方向に話が飛んでいって軽いパニック状態。
そうこうしてるうちに先生は出て行き、またもやアイツと二人っきりに。するとアイツの
足音がこっちに近づいてきた。やばい、いびきなんか聞かれちゃって顔あわせらんない!
寝たふりだ! 聞かなかったことにするのだ! 全部なかったことにするのだ!!

524 : ◆sjehs7tfE6 :2008/01/20(日) 16:14:27.57 0
「んで、いびき聞かれたくらいで意識しちゃってんの? かわいいー!」
まぁさがあたしの頭をなでなでしてきたけど、なんかむかつく。そりゃあんたはいいでし
ょうよ、まぁさ。いつも天使のような寝顔ですやすや眠ってるんだからさ。
あたしなんか自分がいびきかくなんて初めて知って、それだけでも結構なショックっても
んなのに、いびきを赤の他人に、しかもクラスメイトの男子に聞かれたんだよ!?
「須藤さんお願いしまーす」「はーい!」言い忘れてたけど、いま衣装合わせ中で先に千奈
美がやってたとこなの。まぁさは元気良く立ち上がると、「なぁんだ、てっきりキスでもさ
れたのかって思っちゃった♪」と言い残して鼻歌交じりに去っていった。
…心臓止まるかと思った。こいつ、たまにみょーに鋭いところがある。あなどれんやつ。
それだけは言えない。それだけは、いかにまぁさといえども口が100%ダウンの羽毛布団
のように軽くなってしまうに違いないから。
代わりに衣装合わせが終わった千奈美が猛ダッシュでやってきた。「ねぇねぇ、みやー、さ
っきの話、続き聞かせてよー!」 ちぃ、あんただけには死んでも言わないからね!
そう、寝たふりなんかしたのが間違いだった。本当の「事件」はここから起こったのよ!

アイツが近づいてきたとき、あたしは布団を顔の辺り、目が隠れるか隠れないかってとこ
まで掛けてた。一瞬いびきをかくかどうか迷ったけど、冗談じゃない!汚名返上とばかり
に、それこそまぁさばりの「天使のような寝顔」で寝たふりを続けた。
アイツはあたしの布団を肩まで掛け直してから、隣の椅子に座った。余計なことを…
真横に人がいる状況での寝たふりがこんなにつらいものとは思ってなかった。思い切って
目を開けるべきか、それとも寝返りをうってアイツに背を向けるべきか非常に悩んでると、
「でこちん」
アイツは一言呟いて、こともあろうかあたしの崩れた前髪をかきあげてきた! 
「ひぃっ!」思わず悲鳴と共に目を開けてしまったら、目の前数十センチにアイツの顔の
どアップが! 普通ならここでいい雰囲気になって、見つめあう二人…とかになるんだろ
うけど、あたしはそれどころではなかった。なんせ「ひぃっ!」だよっ、ひぃっ! どう
せなら「きゃっ!」とかかわいさアピールで目覚めたかったのに、いびきの上にひぃっ!
なんてどっかのオバサンみたい…なんてことを考えてたのがいけなかった。アイツに隙を
見せてしまったんだ!
気がつくとアイツの顔がさっきよりもっとアップになってる気がした。あれれっ?とか思
っているうちに、どんどんアイツの顔が近づいてきて…
アイツのくちびるが、あたしのくちびるに重なってたんだ。

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