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週刊ウルフ創刊号

269 :名無し募集中。。。:2008/01/14(月) 07:49:49.11 0
■アイドル・デュエリストれいな(第一話)

「ターン・エンドたい」
れいなはステージに展開した自分のカードを眺め、満足げに微笑んだ。
「やったの! すごいの!」友人さゆみが歓声をあげた。
「このターンでれいなのステージには5体のメンバーがそろったの。しかも
相手ステージには《機械人形アヤ》1体のみ。次のターンにれいなの勝ちは
ほぼ間違いないの」
「さすがれいなですよ?」さゆみの肩を借りながら、立っているのがやっと
の絵里も、れいなの勝ちを確信して微笑んだ。
「ここで切り札の《聖天使コハル》を引いてくるなんて。これで次のターン
には《きらりんミルフィー・ストライク》でフィニッシュですよ?」
 さゆみも絵里も、先のデュエルで手痛いダメージを負っていた。しかし、
このターンのれいなの大攻勢に興奮し、身体の痛みを忘れてしまったようだ。


270 :名無し募集中。。。:2008/01/14(月) 07:51:05.92 0
「わたしのターン」
対戦相手の藤本は、しかし、いたって冷静であった。
「ドロー」
山札から引いてきたカードを見て藤本が不敵に笑う。「お前の悪運もここまで
だ」
「なにっ!」
「手札の《猿魔アヤンキー》を生け贄にして《機械人形アヤ》を《美脚神グレー
ト・アヤ》に上位転生! さらに手札から《狂犬ミキ》を通常召還。《狂犬ミ
キ》で《聖天使コハル》を攻撃」
「バカな! 《狂犬ミキ》の売り上げは1万5千、《聖天使コハル》の3万枚より
低いっちゃ。自殺行為ばい」
 召還したばかりの《狂犬ミキ》が引退し、藤本の売り上げが1万5千枚減ら
される。しかし藤本の顔に焦りはない。
「ここで《狂犬ミキ》の特殊効果発動。企画属性のメンバーによって一般人に
送られた場合、レベル4のミキ族メンバーに上位転生できる。わたしが転生す
るのは《美脚神グレート・ミキ》だ!」

271 :名無し募集中。。。:2008/01/14(月) 07:52:18.65 0
「あぁ! この形は……!」絵里が思わず悲鳴をあげた。
「企画カード《ユニット結成》!」藤本のカードが疾風に踊る。
「ステージ上の《グレート・アヤ》と《グレート・ミキ》をユニット化! 出ろぉ!
《究極美神ギャム》!!!」
空間を引き裂いて巨大ユニットが藤本のステージに出現する。
「このカードがステージに置かれたとき、相手のステージから歌唱属性、ダン
ス属性、企画属性のメンバー3体を謹慎させ、さらにその売り上げの合計を相
手プレーヤーの売上総数から減ずる」
紅蓮の炎がれいなのステージを舐めた。
「ぎゃあぁぁぁぁ」
れいなのステージの《愛戦士タカハシ》《魔導装置ガキサン》《光帝アイカ》が
リバース、れいな自身も爆風にあおられて吹き飛ばされた。
「まだまだオネンネするのは早い」藤本の猛攻はつづく。
「《究極美神ギャム》で《聖天使コハル》を攻撃! サンク・スプラッシュ!!」
闇の波動が《聖天使コハル》を引退させ、れいなの売り上げをさらに1万2千
枚けずる。
「もうサレンダーだろ、普通」藤本が冷淡に言い放つ。

272 :名無し募集中。。。:2008/01/14(月) 07:54:03.99 0
「まだだっちゃ」地面に叩きつけられたれいなが、泥まみれの顔で藤本を見
あげた。「まだ、れいなは負けちょらんけん」
「フフン、もう売り上げだって1万枚を割っているっていうのに、まだ歯向
かってくる気かよ」藤本は嘲笑う。「親父と同じで往生際の悪いヤツだ」
れいなの父親は藤本とのデュエルで命を落としていた。
「何とでも言えばよか。最後の最後まであきらめんのがウチらのデュエル魂
たい!」
「あ、っそ。次のターンにトドメを刺してやるよ。あの世で親父となぐさめ
あえよ」
藤本はさらに手札から《爆煙神官アイボマー》と《聖胎使ノノタ》を召還し
た。その効果でれいなの客席のファンが半減する。
「ターン・エンドだ」


273 :名無し募集中。。。:2008/01/14(月) 07:54:58.66 0
「これは……完全にチェック・メイトなの」
さゆみが消え入りそうな声でつぶやいた。
「れいなのユニットは《コハル》を失い、ほかに3体も謹慎状態。完全に
ロックされて全く身動きがとれないの。ファンも減ってしまい、このターン
に得られるファン・コストではれいなが何を召還しても《ギャム》の売り上
げにはばまれて相手プレーヤーにはダメージを与えられないの」
「たとえ防御に回ったとしても」絵里は自分がれいなの立場になったときの
戦略を思索した。「藤本さんは次のターンに《堕天神ダブルユー》が結成で
きるんですよ? さすがに2大ユニットに同時攻撃を受けては、一方はしの
げても、もう一方の攻撃はまともに受けてしまうんですよ?」
絵里にもれいなの勝ちにつながるパターンは見えなかった。
「バカなことを言うな!」二人の背後から声がかかった。
「ガキさん!」
れいな達の先輩デュエリストである新垣が四天王の一角を切りくずし、よう
やく到着した。
「これで残る四天王は藤本ただ一人」
「でも……れいははもう……」
「仲間を信じるのだ!」新垣が喝破した。「見ろ! れいなはまだあきらめ
てなんていない。なのにお前達があきらめてどうするのだ!」


274 :名無し募集中。。。:2008/01/14(月) 07:56:09.10 0
 れいなは鮮血を滴らせながら、震える足でなんとか立ちあがろうともがい
ていた。手足の力は失われ、何度も何度も転倒しながら……。
「れいな……」
見守る三人の胸にも熱いものがこみあげてくる。
「ガンバレ!! れいなぁ!!!」
絵里が思わず叫ぶと、つられるようにほかの二人も声を張りあげた。
「負けちゃダメなの! 立ちあがるの!」
「立て! れいな! お前の底力を見せてやるのだ!」
仲間の声援を背に受け、満身創痍のれいなが闘気を揺らめかして立ちあがる。
傷つき、焼け焦げ、ズタボロになりながらも、その目に宿る炎は衰えるどこ
ろか、いっそう熱く燃えあがっていた。
「れいなのターン!!」

                                          − つづく −

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