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マーサー王物語第3章

1 :名無し募集中。。。:2007/08/19(日) 12:10:07.70 0
いざ決戦へ


まとめサイト(保管庫様に感謝)
http://ookami-bc.hp.infoseek.co.jp/txt/kingdom.html

登場人物紹介
http://ookami-bc.hp.infoseek.co.jp/txt/kingdom/characters.html

127 :名無し募集中。。。:2007/08/23(木) 15:34:38.35 O
川*^∇^)|<の だよ!

128 :名無し募集中。。。:2007/08/23(木) 17:05:34.89 O
ボーノ

129 :名無し募集中。。。:2007/08/23(木) 18:56:41.64 0
今夜はついにあのお話

130 :名無し募集中。。。:2007/08/23(木) 19:06:10.16 O
キタ━━━(゚∀゚)━━━!!

131 : ◆dO/kErKplo :2007/08/23(木) 19:08:34.45 0
>>103
あ、それ面白いですね
そうすればよかったかも

132 :名無し募集中。。。:2007/08/23(木) 19:28:15.83 0
外伝V 愛するもの〜オカールとアスナ〜 8

「ガルルゥゥゥ・・・」
低いうなり声を上げながらオカールの方に顔を向け牙を剥き出す。
狼は左の前足を怪我していた。オカールをそれを見て狼の左へ左へと回りながら様子を覗う。
以前に番犬を相手にしたことはあったが、それとは迫力も危機感も段違いだ。
チラリとアスナの方を見た。木の陰に隠れている。その、オカールの隙を突いて狼が飛び掛る。
右前に前転しながら攻撃を避けるが、狼の爪が服に引っかかり勢いがそがれる。
狼はオカールの首筋めがけて噛み付きにかかる。身体を捻ってかわすが避けきれない。
ざっくりと鋭い牙で裂かれたのは左肩。傷を抑えた右手から真っ赤な鮮血がこぼれ落ちる。
「おねえちゃん!」
「大丈夫だ、アスナ。そこから出てくるなよ!」
「おねえちゃーん、ごめんなさぁーい。私がわがまま言ったから・・・」
再度、狼が飛び掛るが、今度は正面に構えていたダガーを半身に避けながら右側へ振り狼の鼻先を掠める。
通り過ぎた狼の後ろ足に切りつける。オカールはスリの技も練習させられていたので手は早い。
だが、いかんせんパワーが足りない。大きなダメージを負わせるには至らない。
アスナはもう既に泣き崩れてその場にしゃがみこんでいる。
すると突然、狼がアスナへ目標を変える。
とっさの事に一瞬対応が遅れる。アスナはオカールのほうへ、オカールはアスナのほうへ駆け出す。
オカールはアスナとすれ違うようにして狼に体当たりする。また、狼の牙が腕をかする。
アスナは恐怖のため、動くこともままならない。
そんなアスナを見てオカールはダガーを握りなおす。そして、上着を脱ぎ左肩にあて自分の血を吸わせる。
(ホラよ、俺の血は少しだがくれてやらぁ。だが、お前には死んでもらうよ。)
真っ赤に染まった上着を左腕に巻いて突き出し間合いを詰める。
身を低くした狼が迷わず獲物に再び飛びかかり、左腕に噛み付く。
してやったりと思ったオカールは、ダガーを狼の首に突き立てる。
ざくっりと食い込む刃の手ごたえを感じる。だが、狼も必死だ。更に噛み付く力を強める。
オカールの左腕に徐々に牙が食い込み更に血が流れる。

133 :外伝担当。。。:2007/08/23(木) 19:37:17.98 0
外伝V 愛するもの〜オカールとアスナ〜 9

「うあああぁぁぁーー!死ねよ!早く死ねよ!」
何度も何度もダガーを突き立てる。
狼が腕を食いちぎろうと首を振る。左腕の出血が更に増える。
オカールが突き刺したダガーを抉る。狼の口から狼の血が逆流する。
もう、闘いではない。生への執着の強いほうが勝つ根競べだ。
だが、オカールには執着する生がもう一つあった。負けるわけが無い。負ける訳には行かない。
千切れそうな左腕の痛みもかまわず、狼の首を刺し続ける。
(死んでたまるか!俺が死んだらアスナはどうなる。俺が生き残ってもアスナがいなきゃ生きていけない。
絶対に二人で生き残るんだ!左腕一本無くったって、生きていきらぁ!)
もう、痛みも感じない。食い込む牙も、その口から発せられる獣の匂いの息も、血の匂いも感じない。
ただ、生きることを願う。二人で生きることを願い刃を突き立てる。

「おねえちゃん・・・おねえちゃん・・・」
遠くのほうでアスナが呼んでる。
(アスナ、まだこっちに来るな!まだ、危ないから来るな!)
「おねえちゃん・・・おねえちゃん!」
段々大きくなるアスナの声でわれに返るオカール。狼はすっかり息絶えてぐったりと身を横たえていた。
オカールの服は返り血と自分の血で真っ赤に染まり、顔も血飛沫で斑点模様だ。
ゆっくりと立ち上がりアスナを見る。怯えるような顔でこっちを見ている。無傷だ。
「ア・・スナ・・・もう、もう大丈夫だよ・・・おねえちゃん、頑張ってやっつけたから・・」
ほっとして腕から力が抜けダガーをポトリと落とす。
そのままスーッと意識が薄れ、アスナにもたれかかる様に気を失った。

134 :外伝担当。。。:2007/08/23(木) 20:49:36.91 0
自らほ

135 : ◆dO/kErKplo :2007/08/23(木) 20:55:28.11 0
帝国首都の中心あたりに位置するとある施設
この施設の地下室で反帝国勢力により日々密会を開かれている、言わば本拠地だ
そして本日も変わりなく例日通り集会が行われていた
「なんとしても戦争は食い止めなくてはならない、あの日のような惨劇は起こしてはならないのだ」
「しかし帝国剣士は知っての通り強い・・・どうすればいいものか」
「タカーシャイが現役を退いた今注意すべきはガキとロッキー三銃士程度だ
 しかも今はマーサー王国へ派遣されているらしい・・・ならば革命すべきは今しかないのだ!!」
反帝国勢力のうちの一人が高々と拳を挙げると同時にそれに同調した者たちも大声を上げ始める
その士気は少人数の割にはとても高く、叫び声は地響きを起こすほど轟いている
だがそんな鬨の声の中にたった一つだけ、まるで氷のような冷たい声が混じっていた
「結構なジシンを持ってるネ、どのツラ見てもザコにしか見えないアルけど」
反帝国勢力たちはそれを聞いた途端青ざめ声の主の側を振り向いた
ややキーが高めの声の主はその声のイメージ通り小柄で可愛らしい顔つきをしていた
ただ喋っている言葉の内容だけはニコニコした笑顔とは正反対だが
「ナンカ城に攻めてくるっていう情報がハイッタからアンタ達にはここで眠っててもらうアル
 二度と反抗スルキなんて出ないようにソノ両腕を斬り落としてやるヨ」
そう言うと小柄な少女は腰にかけていた鞘から剣を抜いた、その眼は本気だ
突然の来客に反帝国勢力たちは焦りを感じる
「お・・・お前最近帝国剣士になったとか言う大陸の剣士だな!!」
「わ、我々は帝国民なんだぞ!帝国を愛する帝国剣士が我々に危害を加えれるものか!?なぁ!!」
ギャーギャーうるさい反帝国勢力に半ば呆れつつ小柄の少女・・・リンリン・インタプリトはその手に持つ軟刀を突きつけた
「あいにくワタシはこの帝国に来てマダ半年も経ってないネ
 アンタ達に対する愛着なんてコレッポッチも持ってないアルよ・・・テイウカ帝国民だろうと敵は死ぬヨロシ」

136 : ◆dO/kErKplo :2007/08/23(木) 20:56:27.25 0
外伝を見ていてピコーン!ってきちゃいました
なんらかの形で設定を引用(っつーかパクリ)するかもしれませんがよろしいでしょうか?

137 :外伝担当。。。:2007/08/23(木) 20:58:39.29 0
全然おっけーですよ
むしろどんどんお願いしたいくらいです。
もともと、設定は作者さんのものですしww

138 :外伝担当。。。:2007/08/23(木) 22:06:50.52 0
ニッコリ笑って人を切るリンリン、こえー

139 :名無し募集中。。。:2007/08/23(木) 22:07:17.74 O
リンリン・オブ・ジョイトイほ

140 :名無し募集中。。。:2007/08/23(木) 22:19:38.91 0
あー・・・リンリンの名前ミスったかも
リンリン・インタセプトじゃなくてリンリン・チューチーでお願いします
保管庫さんもここをこっそり変更してください><

>>外伝さん
有難うございます♪

141 :名無し募集中。。。:2007/08/23(木) 23:24:36.95 O


142 :名無し募集中。。。:2007/08/23(木) 23:56:58.04 0
両方から裏切り者多数てのは面白い事は面白いが収集がつかなくなるとオモ


帝軍(帝国軍に非ず)なんていつでも裏切りそうな奴だらけだし

143 :名無し募集中。。。:2007/08/24(金) 01:18:43.15 O


144 : ◆dO/kErKplo :2007/08/24(金) 02:50:12.10 0
それは一瞬の出来事だった
ニコニコした少女が今までそこに居たかと思えば次の瞬間居なくなったのだ
そして気づいた時には反帝国勢力の首謀者の背中がスパリと切り裂かれてしまった
首謀者がその激痛にもがき苦しみ他のメンバーが動揺している間にもまたひとりふたりと切り捨てられていく
ここは大屋敷とは言え反帝国勢力が集結してるのだ、こんな密集地帯で軽やかに動ける剣士なんて相手にした事もない
帝国に対抗するために屈強なツワモノが集ったのだがたった一人の少女にバッサバッサと切られてしまうなんて誰が想像しただろうか
「誰かヤツを止めろ!これだけ居るからなんとかなるだろが!」
「すばしっこいなら服を掴め!動きを止めれば我々の勝ちだ!」
みながリンリンを捉えようと躍起になるがいくら頑張ってもその小さな体を掴む事が出来ない
それもそのはず、リンリンは人海戦術がセオリーとされる大陸で日々戦い続けてきたのだ
密集地帯での戦闘はその体に嫌と言うほど染み付いている
もっともリンリンの強みはそれだけではないのだが・・・
「だ、駄目だ!こいつには勝てない・・・に、逃げるんだ!!」
大の男が抵抗も出来ず無様にも倒れていく様を見てようやく賢明な者が退却をみなに勧める
進められた反帝国勢力たちも言われるまでもなく地上へと続く階段へと殺到していった
「ソッチに行ったらもっと恐ロシイ人が待ち受けてるのに・・・愚鈍アルね」
リンリンの言う通り反帝国勢力の者たちが無事を求め向かった地上は楽園ではなくむしろ地獄であった
反帝国勢力を一人たりとも逃さぬため柄の帝国剣士ジュンジュン・シャンジャオが待ち構えていたのだ
「軟弱者メ・・・恥ヲシレ」
その手に持った硬刀「アノヒノネンドベラ」の一太刀で一気に薙ぎ倒されてしまう


145 : ◆dO/kErKplo :2007/08/24(金) 03:00:46.45 0
暫定プロフィールという事で保管庫さんは更新お願いします
話が進むにつれてまた変更していきますね


名前:コハル・プラムスター・ハグキラリ
武器:
特徴:とても明るい新人剣士

名前:アイカ・ダンケシェーン・アウシガ
武器:
特徴:不思議な感じの新人剣士

名前:リンリン・チューチー
武器:軟刀「マナツノシタジキ」
特徴:大陸の剣士、可愛らしい顔をしているが猟奇的

名前:ジュンジュン・シャンジャオ
武器:硬刀「アノヒノネンドベラ」
特徴:大陸の剣士、体格がガッシリしている

146 :名無し募集中。。。:2007/08/24(金) 06:25:28.01 0
相変わらず更新の遅い管理人で申し訳
更新しました

147 :名無し募集中。。。:2007/08/24(金) 08:00:49.50 O


148 :名無し募集中。。。:2007/08/24(金) 08:21:48.73 O
今さらだがオカールの二刀流指南は
「両手で1+1いつもの倍の高さを飛んで×2そして3倍の回転で×3の12倍」
のウォーズマン理論だったりして

149 :名無し募集中。。。:2007/08/24(金) 09:08:01.81 O
懐かしいネタだなw
銀牙の抜刀牙かもと思っていたりする

150 :名無し募集中。。。:2007/08/24(金) 10:54:42.10 0
面白いの見っけ
三節棍VS剣 映画だけどやっぱジェット・リーが一番使い方上手いと思う 昔から好んで使ってるよなこの人

http://jp.youtube.com/watch?v=PwPJspVmxAw&mode=related&search=

151 :名無し募集中。。。:2007/08/24(金) 12:38:29.10 O
ジェット・リーは神

152 :名無し募集中。。。:2007/08/24(金) 14:17:20.55 O
ジェット・シンは狂虎

153 :名無し募集中。。。:2007/08/24(金) 14:55:44.36 O
ジュンリンが大陸から来た剣士ってことは帝国や王国は島国の中にあるのかな?

154 :名無し募集中。。。:2007/08/24(金) 16:34:46.08 O
ノソ*^ o゚)

155 :名無し募集中。。。:2007/08/24(金) 17:15:19.90 0
>>146
いえいえこっちが深夜にお願いしたので全然遅くないですよ
更新ありがとうございます

>>148
リ ・一・リ コーホー

>>150
すげええええええ
本編も凄いですけど相手の武器を持って戦う所が燃えますね(その後返すのが可愛いけど)

>>153
イメージ的には帝国や王国は島国ではなくフランスやイタリアやスペインのような感じです
大陸といえば大陸だけどはじっこ辺りっていう

156 :名無し募集中。。。:2007/08/24(金) 17:30:04.73 O
すいません↑は私です

157 :名無し募集中。。。:2007/08/24(金) 18:40:44.30 O
>>156

ケータイからの書き込みとは珍しいですね

158 :名無し募集中。。。:2007/08/24(金) 19:57:24.79 0
いやそれ違うだろw

159 :名無し募集中。。。:2007/08/24(金) 19:59:44.24 0
なるほどシルクロードを渡ってきたのか・・

160 :外伝担当。。。:2007/08/24(金) 21:07:34.63 0
今帰宅鋭意創作中

161 :名無し募集中。。。:2007/08/24(金) 21:14:06.82 0
もーそちょーん

162 :外伝担当。。。:2007/08/24(金) 21:17:51.06 0
外伝V 愛するもの〜オカールとアスナ〜 10

オカールが目を覚ますと柔らかな日差しが顔に当たっていた。
頭が痛いなと思って右手を動かそうと思ったら痛かった。
次に左腕で押さえようと思ったらもの凄く痛かった。
痛みで意識がはっきりしてきたらどこもかしこも痛くて泣きそうになった。
首だけを動かして辺りを見ると小さな小屋のようなところでオカールはベッドの上に寝ていた
「イテテ・・・」
起きあがろうとするが身体が言うことをきかない。
「ここはドコだ・・・ア、アスナは!イテッ・・・」
目を凝らして良く回りを見るがアスナの気配はない。
「アスナ・・・」

ガチャ
ハッとしてドアの開いた方を見るとそこには柔和な表情をした年輩の女性が立っている。
「おや、目が覚めたね。良かった良かった。アスナちゃーん!ねえちゃんの目が覚めたよ!そっちはもう良いからおいで。」
女性はドアのところから外へ向かって大きな声でアスナをよぶ。
すぐに、トテテテという幼い足音と共に入り口からアスナが飛び込んでくる。
「おねえちゃん!!」
満面の笑みでオカールのところへダイビングしようとするアスナ。
「ダメよ,けが人の所へ飛び込んだりしたら。」
笑いながらアスナの首根っこを空中で捕まえてぶら下げる。

163 :外伝担当。。。:2007/08/24(金) 21:22:29.81 0
外伝V 愛するもの〜オカールとアスナ〜 11

「むー・・・」
ふくれるアスナを横目に女性が名乗る。
「私はアッチャー・シスコ・イナバコフや。ここで農家しとる。」
「あの、わたし・・・」
「ああ、あんたは狼に襲われたんや。そこの妹さんが泣きながら走りまわっとるのを偶然見つけてな。
血だらけで倒れとったから、もう死んでると思たわ。でも大したもんやな、その年で狼を倒したんやからな。」
「え、えっと・・・」
「ああ、大丈夫や、手当はしといたさかいに。左手の傷が一番深かったけど傷跡は残らへんと思うわ。他のとこも一週間もすれば動ける様になる。」
(なんだかこの人ほっといたらずっと喋ってそう・・・)
そうオカールが思ったとき。
グーー・・・
突如の異音に一瞬、当事者のオカールも理解できなかったが、おなかのなる音だ。
途端に顔が真っ赤になる。
「ごめんごめん。うち、喋りだすと止まらなくなんねん。おなかへったやろ。そりゃそうや、2日寝込んでたんやからな。ほら、これお食べ。」
そう言って、鍋からスープを皿に取りもって来る。ふわりと優しい香りがオカールの鼻をくすぐる。
黄色くて粒々の入った、コーンスープだ。
「スープやけど、おなかにたまるように実が一杯入っとるから良く噛んでお食べ。」
オカールは木の匙を右手で取ろうとして、顔をしかめる。
「そうか、まだ痛むか。それならアスナちゃん食べさせておあげ。畑のほうは私がするから。」
「うん!」
満面の笑みで答え、スープをすくう。
「ふー、ふー。はい、アーン・・・」
「ア、アーン・・・」
つられて口を開けるオカール。コーンの甘みが口いっぱいに広がる。久しぶりの優しい味に涙が出そうになる。
「ゆっくりお食べ。」

164 :外伝担当。。。:2007/08/24(金) 21:28:03.72 0
外伝V 愛するもの〜オカールとアスナ〜 12

外に出るイナバコフを見送って、二人になったオカールとアスナ。
「アスナ、あの人は?」
「イナバさん?お姉ちゃんを助けてくれた後、この家に連れてきてくれたの。優しい人だよ。」
「そう・・・」
そう言ったきり、黙ってしまい黙々とスープを食べる。
(あの人は信用できるかな。裏切らないかな・・・)
オカールの胸の中には世話になった仲間に裏切られた事で不信の芽が芽生えていた。

それから暫くはイナバコフの家に居候することになった。
二人には親がなく、面倒見てもらっていた人が亡くなってしまい、途方にくれ町を出たところを狼に襲われた、と説明した。
とても、盗賊団にいて売り飛ばされそうになったとはいえない。
イナバは結構な広さの農場を持っており、麦、トウモロコシなどを中心にいろいろな野菜を栽培していた。
助けてもらった時も市場に野菜を卸に行った帰りだったという。
イナバの言うとおりオカールは1週間ほどで動けるようになった。傷跡は牙の後が3つ残ったが腕の内側であまり目立たなかった。
動けるようになるとオカールは畑を手伝い、アスナは家の中で掃除や洗濯などを手伝った。
最近は一人で暮らしていたというイナバは、賑やかになったと喜び二人をかわいがった。
オカールも汗水流して働いた結果として、大きく実った野菜を収穫する生活に今まで味わったことの無い充実感を感じていた。
何でもイナバは昔、名の通った剣士であったという。
「まあ、今は引退して悠々自適や。意味解るか。のんびりやってる言う意味や。」

165 :外伝担当。。。:2007/08/24(金) 21:30:47.41 0
ちょっと遠出しますので次の外伝更新は日曜日です

166 :名無し募集中。。。:2007/08/24(金) 21:30:59.75 0
>>150
ジェット・リースゴイね流石に武術大会何連覇だかしただけのことはあるわ
ただ殺陣だから本来の三節棍の使い方は隠してるけどね
実際はもっと足下、膝を潰してから頭部でトドメ刺すてゆう上下のコンビネーションで攻めるんだけど流石にそれは怪我人続出だから
やらんわねw



167 :外伝担当。。。:2007/08/24(金) 21:56:41.38 0
外伝V 愛するもの〜オカールとアスナ〜 13

ある日、納屋にあった剣をオカールが見つけると、イナバが言った。
「興味あるんか。何なら稽古つけてやろか?
あんたも妹と二人で生きてくためには覚えておいたほうがええかもしれんし。
まあ、あんたらがよければ何時までここに居てもええけど。ウチも寂しないしな。」
「お願いします。」
最初のうちはショートソードの木剣での稽古だった。
切る、突く、受ける、払う。基本動作を丁寧に教えるイナバ。
基本的な動きは小さい頃から仕込まれえてきたオカールには簡単なものであったが、
盗賊のそれとは明らかに違いその違いに慣れなかった。
それに加え、左手の力がなかなか戻らなかった。畑仕事程度なら問題ないが、
両手持ちの剣などは左手が支点に成るため上手く扱えなかった。
「うーん、傷は治ってるから大丈夫や思うけど。もしかしたら腱がやられたかも知れんな。」
「直らないんですか?」
不安そうに聞くオカールにイナバコフが笑いながら言う。
「いや、大丈夫や。動いてるから切れた訳じゃない。腱は治るのに時間がかかるんや。
まあ、当分は片手持ちの武器で稽古したほうが良さそうだな。」

168 :名無し募集中。。。:2007/08/24(金) 22:11:29.35 0
こんにちは保管庫管理人です
ボクもちょっと大阪出張が決まりましたので2日ほど留守にします

169 :名無し募集中。。。:2007/08/24(金) 22:16:44.18 0
始めてここに来た
登場人物のネーミングだけで爆笑したんですけどwww

170 : ◆dO/kErKplo :2007/08/24(金) 23:11:42.13 0
「メグ・・・外が騒がしいようだが今日は何かあるのか?、とゆいたい」
部屋の隅っこで小さくなっていたマーサー王だがアジト内の異変に気づくなり顔をあげ尋ねる
同居人兼見張り番のメグ・アンブレラも特に差し当たり無いと判断したので喧騒の正体を告げる事にした
「さすがマーサー王、お気づきのようですね
 実を言うと今日はミキティがこのアジトに帰ってくる日なのです、リカチャンのような仕事の無い者には一大イベントなのでしょう」
「ミ、ミキティが!?」
以前にも一度触れたがここはミキティ一派のアジトである小さく古びた建物
だがミキティのアジトとは言えここではマーサー王はミキティの顔を一度として見る事はなかったのだ
小さな屋敷ゆえにマーサー王の軟禁されている部屋から建物内のほとんどを見渡す事が出来るのだが、見るのはミキティの部下ばかり
どうやらミキティはなんらかの理由でどこかに外出していたらしくこのアジトに立ち寄る事はほとんど無かったのだった
そしてそのミキティが諸々の任務を終えこのアジトに帰ってくるのだ
「来ました!ミキティ様、そしてならびにコンコン様とマツーラ様のお帰りです!」
ミキティの部下であるミヨシの声とともにアジトの本門がバタンと開く
本門をくぐり現れたミキティはマーサー王が見る限りあの大戦当時とほとんど変わらない容姿をしていた
だがそんな事よりマーサー王はミキティが後ろに従えていた2人の若者の顔ぶれに驚いたのだった
その一人は元帝国軍師であり、ミキティが失踪した時期と同時期に行方不明になったコンコン・バックマウス
そしてもう一人はこの世で最も優れた傭兵と謳われていたマツーラ・アティス・ヒメモンキだ
コンコンがミキティについている事は大体想像できたもののマツーラの存在はまさに予想外
理由はどうあれマツーラほどの実力者がミキティと手を組んでいたとしたら大ピンチだ
真贋は不明だがマツーラは全身が鋼鉄で出来ていて、打撃・斬撃・銃撃全てを無効果するという噂が流れている
「サイボーグ」の異名を持つマツーラに食卓の騎士が勝利する事は可能なのだろうか?

171 :名無し募集中。。。:2007/08/24(金) 23:28:49.40 O
>>167

面白いですよ。
続きを楽しみにしてます。

172 :外伝担当。。。:2007/08/24(金) 23:55:59.96 0
外伝V 愛するもの〜オカールとアスナ〜 14

稽古を続けるうちにイナバコフの実力がわかってきた。相当の使い手だ。
何でも昔は太陽の国と呼ばれるシスコムーン国で四天王と呼ばれていたらしい。
たまに酒を飲むと遠い目をしながらポツリポツリと話す。
普通、戦は続けてできるものではないが、
この四天王は1年半で2回の大戦と8回の戦闘をするという
前代未聞の活躍を見せ、いずれも負けなかったという。
全部は教えてくれなかったが、仲間には大陸からの戦士もいたと言う。
年を重ねたとはいえそれほどの使い手に今のオカールがかなうはずも無い。
そんな、イナバがオカールの弱点を的確についてくる。

「いて!」
オカールは剣を取り落とす。手首の上、いわゆる小手の部分を痛打される。これで5回目だ。
「オカール、お前は切るよりも突く攻撃の方がスピードも正確性もある。
ただ、引き、武器を戻す動作に隙が大きいようだな。」
そう言って、奇妙な武器を差し出す。剣を狭いV字に加工し、その間に取っ手をつけたものだ。
「これはジャマダハルといって突く攻撃をするには最適な武器なんや。
これなら小手を打たれても防具も一体になってるようなもんやから、お前にぴったりやろ。
今日からこれで稽古しよか。でも、左手はまだ戻らんか?
まあ、しゃあないから右手だけでもやろか。」
あくまでも優しく指導するイナバコフ。オカールの心にも信頼の芽が育ち始めていた。

173 :外伝担当。。。:2007/08/24(金) 23:56:53.08 0
今日はここまでです。申し訳ありませんが明日がアップできないです

174 : ◆dO/kErKplo :2007/08/25(土) 00:00:21.20 0
話だけだけどルル出てますね

175 :外伝担当。。。:2007/08/25(土) 00:11:11.75 0
ちょっとだけw

176 :名無し募集中。。。:2007/08/25(土) 01:12:55.82 O
ミヤビちゃん、誕生日おめでとう!

つ【妖刀・キラーソー】

177 :名無し募集中。。。:2007/08/25(土) 01:14:05.05 0
マーサー王久々にきた!!!!
このまま忘れ去れてたのかと思ってた

178 :名無し募集中。。。:2007/08/25(土) 01:22:07.88 0
本編担当さんも外伝担当さんもお疲れ様です保

179 :名無し募集中。。。:2007/08/25(土) 02:22:34.33 O
落ちるよ保

180 :名無し募集中。。。:2007/08/25(土) 02:53:47.90 O
加西SA保

181 :名無し募集中。。。:2007/08/25(土) 03:11:11.57 O
オイラ今日最後の保
後は何方かよろしくとゆいたい


182 :名無し募集中。。。:2007/08/25(土) 04:18:36.12 O
ノソ*^ o゚) <

183 :名無し募集中。。。:2007/08/25(土) 04:19:44.17 O
結局またオイラが保

誰もいないのだろうか?

落ちるの心配で寝れないよ


184 :名無し募集中。。。:2007/08/25(土) 04:20:29.09 0
深夜にそんなハイペースで保全しても意味ねーよw
3時間4時間相手も平気だっての

185 :名無し募集中。。。:2007/08/25(土) 04:20:28.90 O
人いたからおやすみなさい


186 :名無し募集中。。。:2007/08/25(土) 04:21:01.60 0
保全の目安はスレが550番〜650番あたりに位置してる時

187 :名無し募集中。。。:2007/08/25(土) 05:02:10.81 O
ノノl∂_∂'ル<ミヤビがいく「ほ」!

188 :名無し募集中。。。:2007/08/25(土) 05:37:14.49 O
応援します

189 :名無し募集中。。。:2007/08/25(土) 07:32:11.52 O
今日も寝れない
また睡眠薬飲まないと…保

190 :名無し募集中。。。:2007/08/25(土) 08:20:45.54 O
まぁさ食べた〜い
いや、食べられた〜い


191 :名無し募集中。。。:2007/08/25(土) 09:12:57.77 0
一番役に立っていない主人公
それがマーサー王

192 :名無し募集中。。。:2007/08/25(土) 09:23:32.08 0
>>191
主人公は熊井ちゃんだとあれほど

193 :名無し募集中。。。:2007/08/25(土) 11:54:32.77 0
あれ保

194 :名無し募集中。。。:2007/08/25(土) 12:41:27.09 O
川o・ー・) <人質とはいえ一国を治める王…失礼な真似は出来ません


川*・∀・)つ(##) <食べます?

从o゚ー゚从つ(##) <是非頂こう!

195 :名無し募集中。。。:2007/08/25(土) 13:20:02.13 O
从o゚ー゚从<おかわりとゆいたい ゲフッ


196 :名無し募集中。。。:2007/08/25(土) 14:56:44.50 0
マーサー王とコンコンが揃ったら食費がかさみそうだな

197 :名無し募集中。。。:2007/08/25(土) 16:32:29.11 O
保全中

198 :名無し募集中。。。:2007/08/25(土) 17:28:35.99 O
保全中その2

199 :名無し募集中。。。:2007/08/25(土) 18:38:38.25 O
保全中その3

200 :名無し募集中。。。:2007/08/25(土) 19:20:15.37 0
保全は1時間間隔とかじゃなくてスレ番を見てしなさい!

201 :名無し募集中。。。:2007/08/25(土) 20:40:04.08 0
>>169
わかる
マイミ・バカダナーは鉄板

202 :名無し募集中。。。:2007/08/25(土) 21:53:56.64 O
577


203 :名無しおだゆうじ。。。:2007/08/25(土) 22:12:26.43 O
外伝はこのあとすぐ↓

204 :名無し募集中。。。:2007/08/25(土) 23:06:05.60 0
俺はミヤビ・アゴロングで笑ったかな

205 :名無し募集中。。。:2007/08/25(土) 23:35:33.85 O
ミヤビの武器のネーミングから作者さんは関西人
もしくはちょっとしたお笑いマニアか土曜の昼はNHKを見てる人と推測

206 :名無し募集中。。。:2007/08/26(日) 00:14:42.54 O
辻本相談員はハロモニにも出てたしな

207 :名無し募集中。。。:2007/08/26(日) 01:03:33.25 0
kaikdsi

208 :名無し募集中。。。:2007/08/26(日) 02:19:26.56 0
辻本はわりと全国区でしょ

209 :名無し募集中。。。:2007/08/26(日) 05:23:17.86 0
辻本は全国区ではないけど知る人は結構多いかな
まぁハロモニでリカチャンとアゴネタで絡んだしDDの作者さんなら普通に知ってたんじゃね
DDだからハロモニくらい見てるでしょ

210 :名無し募集中。。。:2007/08/26(日) 07:45:54.08 O
もし、作者さんが関西人ならベリコン大阪に行ってる可能性も一応あるわけだ

ミヤビちゃん聖誕祭に参加したのかな?

211 :名無し募集中。。。:2007/08/26(日) 07:48:01.00 0
関西人じゃない俺も参加したよ>聖誕祭
すげー楽しかった

212 :名無し募集中。。。:2007/08/26(日) 08:23:03.62 0
>>194
ああ何かこの二人気が合いそうw

213 :名無し募集中。。。:2007/08/26(日) 09:56:41.07 O
少し保全しますね

214 :名無し募集中。。。:2007/08/26(日) 11:13:24.12 O
予防保全

215 :名無し募集中。。。:2007/08/26(日) 12:15:30.52 0
ミヤビも15歳になったし怪我も治るだろう

216 :名無し募集中。。。:2007/08/26(日) 13:54:52.99 O
今日梨沙子欠場らしいね



217 :外伝担当。。。:2007/08/26(日) 14:58:42.85 0
外伝V 愛するもの〜オカールとアスナ〜 14

そんなある日、来客があった。
見たことの無いような立派な服を着た貴族のようだった。
「すまんな、ちょっと席外してくれるか。ああ、外に居てくれ言う意味や。終わったら呼ぶから。」
今までは客が来ても外に居ろといわれたことなど無かった。
オカールは何か不安なものを感じ、勝手口から様子を覗う。
「・・・という訳で、タラステル家にあの二人を頂く事で主には話しを通しております。」
「そうか、それは良かった。ええ子達や。良く働くし明るいしな。それに将来は偉い別嬪になると思うで。」
「ははは、それはありがたい。それではこれはいつものお礼です。」
「まあ、そんナンいらんけど、くれる言うんはもろとこか。」
オカールはショックで思わず声が出そうになったが、咄嗟に口を自分でふさぐ。
(まただ、また売られちゃうんだ・・・イナバさん・・信じてたのに・・好きだったのに)
それまでの信頼は増幅されて憎しみに変わる。
(もう、誰も信じるもんか。大人なんか。それに悪いのは俺たちを買う貴族だ!
あんな奴等が居るから、俺たちは幸せになれないんだ。絶対に許さないぞ!)

218 :名無し募集中。。。:2007/08/26(日) 15:19:15.83 O
やっと続きキター−−−(゚∀゚)−−−!!

219 :名無し募集中。。。:2007/08/26(日) 15:33:39.15 0
タラステルってマイマイのとこか

220 :外伝担当。。。:2007/08/26(日) 15:40:08.40 0
外伝V 愛するもの〜オカールとアスナ〜 16

オカールには聞こえなかった会話が実がまだあった。
「それにしても、タラステル家のお嬢さんも、もうそんなに大きくなるのか。」
「はい、ちょうどアスナさんと同じ年です。マイマイお嬢様の良い遊び相手に、
そして将来はよき護衛役になっていただければと思っています。」
「あいつらもびっくりするやろな。急に貴族の屋敷で暮らすんやって言ったら。」
「当然、扱いは奴隷や使用人としてではなく、お嬢様の同じように生活してもらいます。
誰あろう、アッチャーさんの頼みですからね。」
「そう言ってもらえると助かるわ。最近鍛えた子達の中ではずば抜けて才能あるやつらや。
よろしゅう頼むわ。」
そう、イナバコフは良かれと思いマーサー王国の名門貴族である
タラステル家のマイマイ・チチハエ・タラステルの学友・護衛役として推薦していたのだ。
これで、親のないオカールたちにも幸せな暮らしを遅らせてやれると安心していた。

「オカール、アスナ、今日は早く寝えや。明日はちょっと出かけるさかいに。」
「はーい。」
元気良く返事するアスナに対し、オカールはただ頷いただけだった。
(ふん、俺たちを売り飛ばしに行くんだな。そうはさせないぞ・・・)



221 :外伝担当。。。:2007/08/26(日) 15:40:47.77 0
>>217は15話目ですね

222 :名無し募集中。。。:2007/08/26(日) 16:08:31.09 O
从o゚ー゚从<夕飯まだ〜

223 :名無し募集中。。。:2007/08/26(日) 16:45:06.99 O
从o゚ー゚从<メシまだー?

224 :外伝担当。。。:2007/08/26(日) 17:09:50.10 0
外伝V 愛するもの〜オカールとアスナ〜 17

イナバはこの日ことのほか酒を飲んだ。よほど嬉しかったのだろう。
だが、それがオカールには憎々しく写った。
それはそうだろう、自分達が売れて儲かったら、それは嬉しいだろう。
オカールは自分の気持ちを表情に出さず、酒を注いだ。
イナバが寝てしまうとオカールはアスナに昼間のことを説明した。
「でも、そんな・・・イナバさんが・・・あんなに優しい人が、私たちを売るなんて。」
「でも、本当に聞いたんだ。貴族の使いと話してるのを。俺とイナバさんとどっちを信じるんだ。」
「うん、わかった。でも、どこに行くの?」
「マーサー王国に行こうと思う。大きな町だし。一生懸命働けば生きていけるよ。」
今回の逃亡ではオカールは自分達の荷物だけをまとめて出た。
やろうと思えばイナバコフの金目のものをごっぞり頂くことも出来たが、
今まで世話になったのを思い出すと手を出す気にはなれなかった。
イナバの家から持ち出したのは貰ったジャマダハルの片方だけだった。
「いいか、アスナ。これからは俺のことをお兄ちゃんて呼ぶんだ。女二人の姉妹だと知れると、
こんな結果ばっかりだ。二人が大人になるまで俺はお前の兄ちゃんだ。」
「・・・うん、お兄ちゃん。ごめんね、アスナ頼りにならなくて。」
「そんなこと無いよ!アスナがいなきゃ俺はもう生きていく元気が出ないもん。」
二人は夜の道を手をつないでマーサー王国へ向かった。

その頃、残されたイナバコフはテーブルの上に残された置手紙を読み慟哭していた。
「なんでや、もう少しで幸せに暮らせたのに。何でそんな誤解で出て行くねん!
まるで自分達で不幸に向かって歩いてくみたいじゃないか!
神様どうかあの子達に幸せな生活をおあたえ下さい。私の幸福の残りをすべて差し上げます。
でなきゃ、あの子達が不憫で・・・どうか、どうか・・・」

225 :名無し募集中。。。:2007/08/26(日) 18:12:10.44 O
素晴らしい出来に脱帽…

226 :名無し募集中。。。:2007/08/26(日) 19:07:35.39 O
続きは
(・∀・)っ/凵⌒☆チンチン


227 :外伝担当。。。:2007/08/26(日) 19:15:27.74 0
外伝V 愛するもの〜オカールとアスナ〜 18

王国に着いた二人はまず住むところを探した。
繁華街や城から近いところは小奇麗だが住み着けそうなところは無かった。
市場に行って住み込みで働けるところを探したが、さすがに子供だけを雇うところは無かった。
二人が最後に着いたのは貧民街だった。見るからに清潔そうではない。
自分と同じくらいの子供達が道端に寝ている。ここなら何とか生きていけそうだ。
と、そこへ立派な身なりの役人らしき男が二人現れた。
「おい、お前ら!ここからすぐに立ち退け!ここは道だ、お前らの住処じゃない!」
そう言うなり、子供達を蹴り飛ばし始める。これにはどんな温厚な人物でも黙っていられない。
まして、血の気の多いオカールや優しいアスナがほっておける訳が無い。
「おにいちゃん!」
「わかってる、任せて!」
そう言うと、腰に下げたジャマダハルを右手に着け役人と子供達の間に割って入る。
「おい、マーサー王国の役人てのは盗賊を放っておいて子供を蹴飛ばすのが仕事かよ・・・」
「なんだ、お前は!痛い目にあいたくなければ黙ってろ!」
そう言うと、一発オカールの頬を張る。役人の張り手なんて効きもしない。
そこでニヤッと笑い返すオカール。
「先に手を出したのはそっちだからな。後悔すんな・・・」
おもむろに背中に隠しておいたジャマダハル装備した右手をかざす。
これには役人もビビッて一歩下がる。
その隙を見逃すオカールではない。すかさず左腕の肘の内側、左足の太股、そして微かに頬に傷を負わせる。
「ヒイィィィ・・・」
情けない声を上げて倒れる役人。オカールはもう一人の役人に声をかける。
「おい、これはここに置いてても良いのか?命が惜しいんなら持って帰れ。」
役人はもう声も出せずに、仲間を引きずって帰る。
その間中、アスナはけられて怪我した子供達に手当をしている。

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