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もしも植村あかりが宇宙飛行士だったら

1 :名無し募集中。。。:2013/09/07(土) 23:10:32.02 O
リ|`・_ゝ・)<国境なんて見えへんで

2 :( ・`ゝ・´) ヒーローウルフボーイ♂ ◆HSgdrs2WUM :2013/09/07(土) 23:11:53.00 0
即死

3 :名無し募集中。。。:2013/09/07(土) 23:12:40.92 0
「ケスラーシンドローム」

4 :名無し募集中。。。:2013/09/07(土) 23:12:56.12 0
>>2
笑ってしまった

5 :名無し募集中。。。:2013/09/07(土) 23:16:11.64 0
「この酸素で今日やんねん」

6 :名無し募集中。。。:2013/09/07(土) 23:17:04.63 0
減速できません!鞘師さん助けてくださ〜い!

7 :名無し募集中。。。:2013/09/07(土) 23:18:15.07 0
「朋子ちゃんに地球の写メ送ろう・・・なんで送れへんの??」

8 :名無し募集中。。。:2013/09/07(土) 23:19:56.51 O
「船長、おしっこ」

9 :名無し募集中。。。:2013/09/07(土) 23:20:31.82 O
リ|`・_ゝ・)<エイリアン見つけたるねん

10 :名無し募集中。。。:2013/09/07(土) 23:27:38.98 P
リ|`・_ゝ・)<お、通天閣や

11 :名無し募集中。。。:2013/09/07(土) 23:33:29.73 0
リ|`・_ゝ・)<ゆかにゃんなんでずっと夜なん?

12 :名無し募集中。。。:2013/09/07(土) 23:36:13.77 O
リ|`・_ゝ・)<なんやこの惑星は…さゆきちゃんがいっぱいおる…

13 :名無し募集中。。。:2013/09/07(土) 23:40:00.05 P
リ|`・_ゝ・)<けいそせいめいたい?冷蔵庫で固めて作るやっちゃろ?

14 :名無し募集中。。。:2013/09/08(日) 00:18:08.52 0
珪化木

15 :名無し募集中。。。:2013/09/08(日) 01:00:59.49 0
リ|`・_ゝ・) 。o0(船内ですかしっ屁したらどうなるんやろ…)

16 :名無し募集中。。。:2013/09/08(日) 01:24:53.24 P
リ|`・_ゝ・)<あ、今日ナイトスクープやからウチ帰ります

17 :名無し募集中。。。:2013/09/08(日) 01:26:24.83 0
>>8
宇宙飛行士は高Gの圧力で出ちゃうので
オムツ着用

18 :名無し募集中。。。:2013/09/08(日) 01:27:46.95 0
リ|`・_ゝ・)<地球ってたこ焼きみたいやな

19 :名無し募集中。。。:2013/09/08(日) 01:33:12.09 P
リ|`・_ゝ・)<頼むわ!里保!たたこうてや!!

20 :名無し募集中。。。:2013/09/08(日) 05:30:51.91 O
リ|`・_ゝ・)<宇宙食も飽きたなあ

21 :名無し募集中。。。:2013/09/08(日) 08:43:26.41 0
リ|`・_ゝ・)<宇宙服も五本ゆびにしてや

22 :名無し募集中。。。:2013/09/08(日) 08:46:10.23 O
♪ジュージュージュージューjuice=juice
焼き肉焼いても地球(ホシ)焼くな♪

23 :名無し募集中。。。:2013/09/08(日) 08:47:46.74 0
リ|`・_ゝ・)<クソもミソも一緒なら自分はクソがええわ

24 :名無し募集中。。。:2013/09/08(日) 08:57:25.07 O
ノリ・ 。・リ<奇妙な信号を受信しています 遭難信号でしょうか?

リ|`・_ゝ・)<よう分からんけどその惑星には近づかんほうがええんちゃう?

ノリ・ 。・リ<地球外生命とコンタクトできるかもしれません 行きましょう

リ|`・_ゝ・)<ホンマに?う〜ん…しゃあない 行こか

25 :名無し募集中。。。:2013/09/08(日) 09:44:34.17 0
(*бωб) <うえむー!船内で焼肉をしないで!

26 :名無し募集中。。。:2013/09/08(日) 09:54:18.18 0
リ|`・_ゝ・) <あっ!ミスタースポックや!

jjj;´_`jj <あの人は飯窪さんよ

27 :名無し募集中。。。:2013/09/08(日) 10:29:31.73 O
宇宙船《Juice=Juice》のブリッジは、広々しているとは言い難かった。
船内の他の部屋や区画に比べると、さほど閉所恐怖症的ではないかもしれないが、たいした違いはない。
そこで5つのシートがそれぞれの主を待っていた。
多数のコンソールで辛抱強くライトが明滅し、いっぽうで様々な形や大きさのスクリーンもまた、
そこに何を表示するべきかを命令する人間の到着を待っていた。

広いブリッジは贅沢な虚飾と見なされている。なぜなら乗組員はその飛行時間のほとんどを、
〈ハイパー・スリープ〉と呼ばれる冷凍装置の中で眠って過ごすからである。
ブリッジは、くつろいだり、楽しんだりするために設計されてはいない。
厳密に仕事のためだけに設計されている。乗組員たちは、機械に劣らずそのことをよく承知していた。

音もなく気密ドアが開き、金澤朋子を先頭に、高木紗友希、宮本佳林、そして植村あかりが入ってきた。
彼女たちはそれぞれの持ち場に向かい、コンソールの前に腰を下ろした。
その身ごなしは、長い間会っていなかった友人に対するような、気安さと親近感があった。

5番目のシートは空いたままであり、まだしばらくはそのままになっているはずだ。
船長 宮崎由加が《Juice=Juice》の記憶バンク・システム、《てらだ》との密談を終えるまではだ。

28 :名無し募集中。。。:2013/09/08(日) 10:50:18.53 O
久しい年月の後に、初めてブリッジで発せられた声は、あらゆる感情を要約していた。
しかし、あいにく一同には、それが何を訴えているのか理解することはできなかった。
佳林の手でデッキに置かれた船の飼い猫 ジャスミンが鳴いているのだ。
やがて喉のゴロゴロ鳴る音に変えたジャスミンは、背もたれの高いシートに座る佳林のくるぶしに身をすり寄せた。

「じゃあ接続しますか」そう言いながら朋子は、自分のコンソールを点検し始めた。
異常を示すコントラストや不確定要素はないかと捜してみる。
その間に紗友希と佳林とあかりも、必要なスイッチを入れて、一連の制御ボタンを押す作業に取りかかった。

新しい色や光が読み出しパネルやスクリーンの上を走るにつれて、
目に見える興奮がはっきりとその場に溢れてきた。
まるで計器類が人間の相棒との再会を喜び、はつらつと働いているかのような印象を与えた。

朋子の前の読み出しパネルに、新たな文字や数字が表れた。
朋子はそれらを、自分の記憶に刻まれているものと相関させてみる。
「ここまでは問題なし。うえむー、別の絵を見せてちょうだいな」

29 :名無し募集中。。。:2013/09/08(日) 10:53:36.38 O
リ|`・_ゝ・)<地球はアホやった

30 :名無し募集中。。。:2013/09/08(日) 11:11:24.32 O
あかりの指が、並べられた制御装置の列の上を滑らかに走った。
ブリッジすべてのスクリーンに生命がよみがえる。見やすいように天井から吊り下げられているものだった。
あかりは自席に近いそれらの四角形のひとつを眺めてから、顔を曇らせた。

そこに表示されている映像は、ある程度あかりの予期していたものだったが、すべてがそうではなかった。
何よりも重要なのは、彼女たちの視野を占めていると予想されたあるものが、見あたらないことだった。
それはきわめて重大な事実であり、その他のあらゆる正常な面を打ち消してしまった。
「地球は…どこなん?…」

自分のスクリーンを入念に眺めた朋子は、星の散らばる、だが他に何もない暗黒を認めた。
仮にハイパー・スリープから目覚めるのが早すぎたとしても、少なくとも太陽系はスクリーンに表れていなければならない。
しかし、予想された地球と同様に、太陽もそこには見あたらなかった。

スクリーンの中心には、ひとつの恒星が鎮座していたが、それは太陽ではなかった。
色がまったく違う。その周囲を巡る機械で誇張された斑点は色が違うどころではなかった。
あり得ない形、あり得ない大きさ、あり得ない数の惑星群。
「私たちの太陽系じゃないわね…」紗友希が呆然とした口調でつぶやいた。

31 :名無し募集中。。。:2013/09/08(日) 11:14:58.32 0
なんかすごそうなのがキタ━━━(゚∀゚).━━━!!!

32 :名無し募集中。。。:2013/09/08(日) 11:34:18.76 O
「もしかしたら、問題は星の位置じゃなくて、私たちの向きかもよ」
佳林自身、あまり説得力があるとは思っていないことが明らかな口調だった。
「航路算定のミスで目的地の反対に飛んでたのかもしれない」

「そうね。最高倍率で調べれば、あれがケンタウリだって分かるかもしれない。
太陽は後ろにあるんだわ。パニックを起こすのは、じっくり調べてからでも遅くないわよ」
朋子はあえて付け加えなかった。
スクリーンに今見えている星系は、太陽系に似ていないのと同様にケンタウリにも似ていないことを。

カメラのとらえた唯一の星系は、先ほどから様々なスクリーンの中央にでんと収まりかえっているそれだけだった。
色あせた恒星と、それを巡る惑星群。自分たちの船がその星系を当面の目標としているらしいことは、
今や乗組員たちの胸の中でも疑問の余地がないくらいになってきていた。

とはいえ、時間的誤りであって空間的誤りではないとう可能性もまだ消え去ったわけではない。
太陽系は、この星系のすぐ後方に位置しているのかもしれない。
それを突き止める、確実な方法がひとつあった。

33 :名無し募集中。。。:2013/09/08(日) 11:57:32.62 O
「航宙管制所を呼び出して」朋子が下唇を噛みながら言った。
「接触できれば私たちは正しい星区にいるってことになる。太陽系が近くにあれば辺境中継地のどれかから応答があるわ」

あかりの指が別の制御装置を操作した。
「こちら、遠宇宙商業タグボート《Juice=Juice》。地球に向かって航行中。
航宙管制所応答せよ。聞こえますか?オーバー」
スピーカーを通して返ってきたのは、遠い星たちの微かな、絶え間ないざわめきだけだった。
佳林の足元で、ジャスミンが星たちのざわめきに合わせて喉をゴロゴロと鳴らした。

あかりは再度試みた。「こちらは遠宇宙商業タグボート《Juice=Juice》。太陽系航宙管制所応答してください。
本船はただいま船位測定不能の状態です。これは緊急呼び出しです。応答してください」
依然として聞こえるのは神経質な星たちのざわめきのみ。

ついに応答も得られず、誰何もされずに終わった。あかりは落胆して送信装置を切った。
受信装置のほうは、万が一他の船が近くを通過した場合に備えて、全チャンネルを開放しておいた。

34 :名無し募集中。。。:2013/09/08(日) 12:04:41.40 0
オリジナル?

35 :名無し募集中。。。:2013/09/08(日) 12:08:09.06 0
うざい

36 :名無し募集中。。。:2013/09/08(日) 12:10:15.23 0
よく見たらガラケーからなのか
投下が遅いと思ったらもしかして手打ち?

37 :名無し募集中。。。:2013/09/08(日) 12:38:03.35 0
携帯で小説書くって大変だろ
PC持ってないの?

38 :名無し募集中。。。:2013/09/08(日) 12:51:58.43 0
たこ焼き器持って来てん

39 :名無し募集中。。。:2013/09/08(日) 13:02:40.07 O
「太陽系の近くじゃないのは分かってるわ」自分の持ち場に下がっているスクリーンにあごをしゃくりながら紗友希が言った。
「とにかく続けて」と、朋子が紗友希に告げた。それから佳林に向き直った。
「それじゃいったいどのあたりにいるの?指標はまだ読み取れない?」
「ちょっと待って。かなり辺境にいるみたいだから、簡単にはいかないの」佳林が口を尖らせる。
「続けて」「今やってるところだってば」

数分間にわたる集中的な捜索の甲斐あって、ようやく佳林の顔に満足の微笑が浮かんだ。
「はあ…私たちの位置が分かった。レティクル座のすぐ近く。植民星区の外縁にも到達していないわ。
こんなに遠くじゃ航宙標識をとらえるのは不可能だし、太陽系の中継地なんて言うまでもない」

「なんでこんなところにおるん?」あかりが内心の疑問を口に出した。
「船に故障もないし、しかも地球は遥か遠くだとしたら…なんで《てらだ》は凍結を解いたのかしら?」

単なる偶然ではあるが、あたかもこのとき、まるで疑問に答えるかのように、
船内に“アナウンスに注意”の信号がけたたましく命令的な音を鳴り響かせ始めた。

40 :名無し募集中。。。:2013/09/08(日) 13:10:03.53 0
リ|`・_ゝ・)<船長、それは非論理的やで

41 :名無し募集中。。。:2013/09/08(日) 13:31:02.60 O
それは由加の声だった。「食堂に集合してください」
「ランチの時間?」佳林は戸惑った顔をした。物問いたげに仲間たちをかえりみた。
「行けば分かるわよ」と、朋子が応えた。

快適には程遠いが、食堂は5人の乗組員全員を収容できる程度には広かった。
もっとも全員が揃って食事を摂ることは滅多にないため、楽に座れる設計ではなかった。
一同は居心地悪げに、お互いにぶつかったり、押したり、なんとか他人をイライラさせまいと気を使ったりしていた。

「太陽系に到着したんじゃないことは、もうみんな知ってるわ、ゆかちゃん」代表して朋子が言った。
一同は、期待するように由加を見守っていた。「なぜ急き立てるように起こされたか突き止めるべきじゃない?」朋子が続ける。

「そのとおり」由加が応えた。それから重々しく説明を始めた。
「みんな知ってるように、特定の事態が発生した場合、《てらだ》は旅を中断するようプログラムされてるの」
効果を狙って、由加はちょっと口をつぐんで、それから続けた。「それが発生した」

「かなり深刻な事態でしょ」そう言いながら佳林はジャスミンに目をやった。
「全員をハイパー・スリープから目覚めさせるなんて、軽々しいことじゃないもの。必ず危険が伴ってる」
「じゃあそれを教えてほしいわ」あかりがつぶやいた。

「こう言えば安心してくれると思うけど」由加が続ける。「船自体はまったく快調だと《てらだ》は言ってる」

42 :名無し募集中。。。:2013/09/08(日) 13:59:24.19 O
「つまりどういうことなの?」紗友希が合点のいかない顔で訊いた。
「緊急事態は船外、特定するとこの宙図にない星系の中にあるということ。私たちはそこに近づいてるの」
一同はポカンとしながら由加を見つめた。
「ある不明の発信源からの送信をとらえたの。雑音だらけで解読に手間取ったけど遭難信号なのよ」

朋子が眉をひそめながら訊く。「遭難信号なんて一番簡潔で分かりやすいはずよ。コンピューターが解読に手間取るなんて信じられないけど」
「《てらだ》はこれがあらゆる意味で標準的な信号ではないと考えたのよ。つまり…人間が発する信号だと考えていない」
食堂内にざわめきが引き起こされた。静まるのを待って由加が説明を続ける。
「確実な情報じゃないのよ。コンピューターが混乱するなんて聞いたことないけど。
ただ《てらだ》がこれを遭難信号だと、私たちを目覚めさせるだけの重要なことだと確信したのよ」

「だからなんなん?」あかりは超然と他人事のような顔をしていた。
朋子がやれやれといった口調で答えた。「運航中の教範に書いてあるでしょ。こういう事態では私たちは援助と協力をしなくちゃならないのよ」
ちらりと由加を見やりながら朋子が言った。「信号を発しているのが人間だろうが、そうじゃなかろうがね」

43 :名無し募集中。。。:2013/09/08(日) 14:36:22.40 O
ブリッジに、明かりの灯った宙図テーブルがあった。5人はテーブル上のコンパスのそれぞれ向かい合ったポイントに立った。
「これよ」由加がテーブル上のひとつの輝く点を指し示した。「みんなに聞いてもらいたいものもある」
一同がそれぞれの席に戻ると、由加がスイッチを押した。
静電の微かなざわめきがブリッジを満たす。不意にそれらが止み、ある音にとって変わった。
背筋がぞくりとするような奇怪な音。しばらくすると、また静電がとって変わった。

「なんなの?」紗友希の表情はひきつっていた。由加はスピーカーを切った。ブリッジ内に人間的なものがよみがえった。
「いままでに聞いたどんな遭難信号にも似てないわ」朋子は嫌悪感を顔に出していた。
「遭難信号というのは《てらだ》が言ってることよ」由加が一同に言った。
「声かもしれへん…」言いかけてあかりは黙り込んだ。自分の発した言葉に不愉快なものを感じて蒼くなった。

「じきに分かるわよ。照準は合わせた?」
「惑星上の該当部分をキャッチしました」
「かなり接近してるわね…」紗友希が不安げな声を漏らした。
「そうじゃなきゃハイパー・スリープから起こすはずないでしょ」佳林が険しい目をしながらつぶやいた。

44 :名無し募集中。。。:2013/09/08(日) 15:05:20.40 O
「接近角度は赤経9分45秒、赤緯マイナス20度5秒」「全体をスクリーンに映してみて」
あかりは一連のボタンを操作した。ブリッジのスクリーンのひとつが瞬き、明るい点を映し出した。
「反射能が高い。もっと近くできない?」「やってみる」
即座にスクリーンがズームして、光点に接近した。空間に浮かぶあまり見映えのしない扁平な球体を映し出す。
「いいわよ、うえむー」朋子が言う。「あれがそうだってことは確か?ごちゃごちゃした星系だけど」
「間違いないで。ほんの小惑星やな…たぶん1200キロメートル、それ以上やない」
「自転は?」「…しとるな。周期はおよそ2時間かな。待ってくれたら細かい数字も出るけど」
「さしあたり充分よ。重力はどう?」佳林が読み出しパネルを見た。「…0.87…かなり密度の高い物質みたいね」

「重金属の塊なのかな」由加が言った。「金鉱捜しもできるかもね」
朋子の意見はもっと現実的だった。「つまりあの上を歩けるわけね」
一同は座り直して、軌道突入の準備に取りかかった。

「軌道遠地点に接近。用意。30 29 28…」紗友希が秒読みを続け、各自が任務に従事した。
「赤道軌道固定」紗友希が宣言した。ちっぽけな惑星は無関心に回転していた。

45 :名無し募集中。。。:2013/09/08(日) 15:07:24.56 0
荒らし?

46 :名無し募集中。。。:2013/09/08(日) 15:23:25.03 0
これリアルタイムで全部手打ちしてるとしたら
それはそれですごいな

47 :名無し募集中。。。:2013/09/08(日) 15:38:13.01 O
「明暗界線を通過。夜側に入ります」佳林が一同に告げた。
下方では黒い線が分厚い雲を分断し、一方の側では雲が明るく反射し、もう一方の側では、墓のように暗かった。

「これまでのところ万事順調ね。船体に損傷なし」由加がシートの背にもたれて、ちょっと息を入れた。
「こちらも同じ」「ここも」口々にほっとした様子の声が聞こえた。
「じゃあ降りよう。大気圏飛行準備」乗組員は、それぞれ割り当てられた任務に自信を持って、忙しく立ち働いた。
猫のジャスミンだけが左舷のコンソールの上に座り、近づいてくる雲をじっと眺めていた。

「下降します」それぞれが特定の計器に集中していた。
由加は自らの計器操作に注意を向けて、絶えず変わっていく無数の数値を検討し記憶した。
遠宇宙飛行というものは、コンピューターに難しい仕事は任せるものである。
大気圏飛行となると、まったく話が違う。操縦士の仕事になってくるのだ。
茶色と灰色の雲が船体の下腹に触れた。「注意して。下界は厄介そうよ」

「垂直降下開始します。針路修正」朋子が言う。
「了解。ところでとも、天候の影響は?位置計算とエンジンの推進力は一致する?」
「これまでのところはうまくいってるわよ。でも雲の下に出ないと確実なことは言えない。出られればだけど」

48 :名無し募集中。。。:2013/09/08(日) 16:05:09.23 O
船が目に見えないものにぶつかった。肉眼に見えないのであって、計器に見えないのではない。
2度、3度と大きく船が跳ね上がり、その後で厚い黒雲の層の中に落ち着いた。
突入は円滑に進行していったが、長くは続かなかった。大気の海の中に、激しい潮流が渦巻いていた。
だんだんとその潮流が船をもてあそび始めた。「乱気流!」紗友希は自分の制御盤と格闘した。

「航行燈と着陸燈、両方点けて!」スクリーンを覆い隠している渦流の中に、何かを読み取ろうと由加が命じた。
「計器に変わるものはないよ。この中じゃ」佳林が応じる。
「いいから点けて。目で見たい」《Juice=Juice》の下腹に強烈な光が灯る。
しかし雲海の中ではごく弱々しくしか透過せず、明確な視野を与えてはくれなかった。
それでもその光は暗いスクリーンを照らし、それによってブリッジ内と心理的雰囲気を明るくした。

エンジン・ルームが不意にがくんと揺れて、ついで反対側に傾いで、また荒っぽく揺れた。
「なんなん?聞いた今の?」あかりが叫んだ。
「ああ、聞こえた」佳林が読み出しパネルを不安そうに点検した。
「2号吸入口で気圧が下がってる。シールドが吹き飛んだみたい…」佳林はいくつかのボタンを慌ただしく押した。

49 :名無し募集中。。。:2013/09/08(日) 16:33:10.09 O
「2号がやられてる。吸い込み口から塵が流れ込んできてる」
「閉じて!早よ閉じてってば!」あかりが怒鳴る。
「私が何をしてると思ってんの!?」佳林が怒鳴り返した。

「落ち着いて。…補助エンジンのひとつが砂で詰まったわけか…」朋子が言う。
佳林がコントロールのひとつを調整した。「バイパスして詰まったものの逃げ口を作ればいいのよ。たいしたことない…はず」

「それでも損害は受けてる」風に飛ばされたざらざらの砂が、吸入口のライニングにどんな被害を及ぼしているか、由加は考えたくもなかった。

「どこを飛んでんねん?船体がやられる前に回路のどこかで電気火災が起きるで!」
あかりがまた叫んだが、他の4人もおおわらわで作業に追われていた。
「発信源に近づいてる」紗友希が計器を読んだ。「あと20キロメートル…」
「減速旋回」由加は手動操舵装置の上に乗り出した。
「針路を左へ2度3分修正して」由加は紗友希の指示に応じた。
「そこ!捜索範囲の中心まで…針路そのまま」「よし、接近するわよ」
由加は再び操舵装置を動かした。「3キロメートル…2」わずかに興奮しているような紗友希の声が響く。
「ほとんど発信源の真上を旋回してるわ」「よくやったわ、みんな。地形を調べて。着陸地点を見つけるのよ」

50 :名無し募集中。。。:2013/09/08(日) 17:02:53.90 O
見えない地表から地形を読み取ろうとして、あかりは苦心していた。
不適当な示数がパネルに返ってくるたびに、どんどん渋い顔になった。
「光学探知は無理やわ」あかりがつぶやく。見えない下界は広漠たる荒れ地、不毛の砂漠であることしか分からなかった。

「レーダーもノイズしか入らんし」ついで赤外線、紫外線と試した。
ややあって、ようやくいくらか満足できる示数が読み出しパネルに表れた。
続けて、明るく輝く文字とコンピューターによるスケッチが出てきた。「出たで」

「着陸できそうな場所は?」由加の問いかけにあかりが肩の荷を下ろしたように答えた。
「判明してるかぎりでやったら、どこでも降りれるよ。表示によれば、完全に平坦やで」
由加が思い浮かべたのは、溶岩平野だった。薄い冷えた皮が表面にあるだけで、
その下にはどろどろに溶けた地獄が潜んでいるといった光景だった。
「平らな何なのか調べてちょうだい。水か、溶岩か、砂か」

あかりは背筋を伸ばした。「モニター作動。分析装置作動。…あかんノイズばっかり」
「船を低く下ろしたらどう?」朋子が提案した。「地表に近づけばノイズも減るでしょ」
由加は慎重に船を地表へ近づけていった。「ノイズが減ってきたよ。だんだん減ってきてる」

51 :名無し募集中。。。:2013/09/08(日) 17:08:55.72 0
あーりーが有能すぎて草

52 :名無し募集中。。。:2013/09/08(日) 17:32:14.73 O
再び由加は高度を見失った。朋子と紗友希が計器をにらんだ。
充分な余裕を地表との間に残してはいるが、万が一エンジンに故障が起きれば、
あるいはこの惑星独特の下降気流でも発生したならば、たちまち高度は変わってしまう。
かといって旋回速度を落とすわけにもいかない。強風の中でコントロールを失う危険がある。

「ええで…晴れてきた…よし!」あかりは映像スキャナーのとらえた等高線と読み出し表示を調べた。
「かつては溶岩やったけど、今は違うみたい。玄武岩、流紋岩、一部に溶岩の表層。
すっかり冷えて固なってる。地殻活動の形跡もなし」さらにいくつかの計器を調べる。
「うちらの真下、断層もなさそうや。着陸にはもってこいの場所やで」

由加はちょっと考えた。「地殻構造に間違いないでしょうね?」
あかりはいくらかムッとして頬を膨らませた。「年代データと照合してん。火山の中に着陸させるようなことするわけないやん」
「ごめんごめん。地図も標識もないんだからさ。ちょっと神経質になってるのよ」由加が取り繕った。
「みんなそうよ」佳林が待ち構えていたように言った。

53 :名無し募集中。。。:2013/09/08(日) 18:00:18.11 O
「じゃあみんな、用意はいい?」誰も反対しなかった。
「可能な限り螺旋降下して目標に近づけるわよ」由加の張りつめた声が響いた。
「信号をよく見張っててね。真上に降りたりしちゃ困るからね」

調整が行われ、電子の召し使いたちが忠実に準備を実行していく。
横風と黒い空気の抵抗と戦いつつ、船は着実に螺旋コースを描きながら降りていった。
「高度10キロメートル、下降中」紗友希が冷静に告げる。「減速。着陸用エンジン始動」
「ロック完了」朋子が自信を持って自分のコンソールを操作した。「ここからの降下はコンピューターがモニターします」
《てらだ》がコントロールを受け継ぎ、人間には到底真似できない正確さで、下降を調節し始めた。

「着陸用エンジン停止」由加は最後の点検を行い、いくつかのスイッチを切った。
「エンジン・オフ。揚力は正常に作動中」一定した脈動音がブリッジを満たした。
5メートルまで降下したところで、船は着陸エンジンを噴かして、風の吹きすさむ闇の中に浮かんだ。

「脚を出して」由加が命じたときには、朋子はすでに作業を開始していた。
微かなブウーンという音がブリッジに流れた。船の下腹から数本の金属の脚が延びる。
甲虫のそれのように、ゆっくりと未だ肉眼では見えない岩に向かって延びていった。

54 :名無し募集中。。。:2013/09/08(日) 18:27:42.45 O
「4メートル、3メートル…あ!」紗友希が言葉を詰まらせた。船も止まった。
着陸用の脚が固い岩にぶつかったからだった。厚い緩衝材がいくらか着地のショックをやわらげた。
何かがパシッと音をたてた。末梢の電気回路か、正しく補整されなかった過負荷であろう。
続いて、激しいショックが船内を一斉に走り抜けた。金属が振動し、不気味なうめきが船いっぱいに伝わる。

「ヤバい!ヤバい!」佳林が叫ぶのと同時に、ブリッジの明かりがすべて消えた。
《Juice=Juice》の互いに補い合っている神経の末端を通って、故障が雪だるま式に膨れ上がりながら伝わっていく。
それにつれて、計器類が注意を促すけたたましい悲鳴を発していた。

ショックが機関部を襲った。成形天井材に取り付けられたパイプが一列そっくり吹き飛んだ。
パネルが燃えあがり、手近の圧力バルブが膨れて弾け飛ぶ。

ブリッジでは全員が懐中電灯を手探りしながら、補助発電機を作動させるボタンを捜していた。
補助発電機は、主力エンジンからの直接供給が断たれたときに、それに代わって電力を供給する。

「おかしいわ。補助発電機が作動していなきゃいけないはずよ」朋子が常識的な考えを口に出した。
ようやく懐中電灯をつかんだ由加がスイッチを入れた。
その光に助けられ、残りの4人も各自の懐中電灯を見つけた。どうにか作業のできるくらいの明るさになった。

55 :名無し募集中。。。:2013/09/08(日) 18:29:04.33 0
リ|`・_ゝ・)<パンツは黄色かった

56 :名無し募集中。。。:2013/09/08(日) 18:54:27.37 O
紗友希と佳林とあかりが、急いでエンジン・ルームへと走った。
しばらくして、インターコムのスイッチが入った。「どんな状況?」由加が訊いた。
「ひどいもんよ」紗友希の声音には、腹立たしさと懸念が同時に現れていた。
遠くで昆虫の羽音のようなブンブンという音がしており、背景音になっていた。

「エンジンが塵を吸い込んだのよ。降りてくるときに吸い込んだやつ。掃除が遅かったわ。電気火災になってる」
しばらく間があった。聞こえるのは化学消火器のシュウッという音だけだった。
ようやく紗友希が報告してきた。「ひどく過熱して、電池が焼き切れてた。火は消したけどこれじゃ…」

由加が朋子を見やった。「何かがドカンと音をたてたでしょ。もっと悪い事態も考えられるわ」
「船体に損傷がないかチェックする」朋子は深く息を吸い込んで作業を開始した。
素早く船体の非常与圧計を調べ、次に個々の船室の気圧を示す図に目を走らせた。
「異常はないみたい。正常な気圧よ。もし穴があっても計器に表れない程度ね。自動溶接が塞いでるはず」
由加も自分のコンソールを調べた。大規模な停電の場合には、計器類は自動的に独立した電源に切り替えられるのだ。
「外部の空気に汚染された形跡もないわね。とりあえず船体に損傷はなさそうだわ」

57 :名無し募集中。。。:2013/09/08(日) 19:18:05.54 O
エンジンの応急処置をしている紗友希と佳林を残して、あかりがブリッジに戻ってきた。
「とも、外部スクリーンでまだ動くのがあれば、点けてみて」朋子はトグルを調節した。
顕著な光のちらつきがあり、地形らしきものがおぼろげに見えた後、完全な闇になった。
「だめね。少なくとも補助発電機を作動させないと。バッテリーだけじゃ、最低限の映像走査も無理」

オーディオ・センサーはそれほどのエネルギーを要しなかった。
惑星の声がブリッジの中に伝わってきた。風の吹き荒れる音が高くなり低くなりして続いている。
うつろなピチピチいう音が暗いブリッジに充満した。

「ブリッジ、聞こえる?」機関部からのインターコムが再び通じた。
「カリンちゃん?状況はどう?」由加は胸のうちで幸運を願うおまじないをした。
「窒息して天まで登るとこだったよ」疲れきった声の調子だった。
「可燃物の層が薄くて助かったわ。スクラバーはうまく働いてる」佳林は溜め息をついた。
由加は唇をなめた。「被害の程度は?表面的な損害は考えなくていいわ。気にしてるのは、船の運航ができるかどうか」

58 :名無し募集中。。。:2013/09/08(日) 19:42:20.57 O
「そうね…パネルがそっくりやられてる」佳林が報告した。
「補助の負荷分担ユニットもやられてるし、モジュール12も3つのセルライトが死んでる」
意味が相手に浸透するのを待ってから佳林は続けた。「他の細かいのも知りたい?」

「いえ、いいわ。ちょっと待ってもらえる?」由加は朋子をかえりみた。
「スクリーンをもう一度試してみて」朋子は言うとおりにしたが、やはり結果は得られなかった。

「カリンちゃん、報告は他にある?」あかりがピックアップに向かって言った。
「今のところ…なしよ。火事でやられたところを調べ終わったら、電源について詳しく知らせるわ」
「修理はどう?やれそう?」由加は佳林の簡単な報告を胸のうちで繰り返していた。
セルライトの問題は時間がかかる。さしあたり考えたくない。
「詰まったダクトをきれいにして、吸入口を張り替えなくちゃいけないよ。完全に修復は無理だけど、応急手当でもたせるしかない」
「分かった。他には?」
「言ったでしょ。モジュール12だよ。分かりやすく言うと主力電池をそっくり失ってるわけ」
いったん話を中断して、紗友希と二言三言聞き取れない言葉を交わした。
「塵がへばりついて過熱を起こして火事になった。推進装置のシステムがそっくりダメになったのよ」

59 :名無し募集中。。。:2013/09/08(日) 20:02:58.63 O
「なんとか応急処置をする手はあるの?」由加は尋ねた。
その装置はなんとしてでも修理しなくてはならない。交換するわけにはいかないのだ。
「…と思う。さゆきちゃんもそう思ってる。すっかり掃除してもう一度真空にして、もつかどうか試すわ。
密閉が保てればなんとかなる。無理なら金属成形で穴を塞げばいいし。
でもダクト全体にひびが走ってたりしたら、そのときは…」佳林は語尾を濁した。

「今のところは当面の問題を考えましょう」由加は提案した。「処置できるよう祈るわ」
「ふう…まあベストを尽くすわ」「ブリッジ終わり」「機関部終わり。差し入れ待ってるよ」

由加がインターコムを切り、待ち受けるように朋子を見た。
「ゆかちゃん、船の機能回復にどのくらいかかると思う?カリンちゃんたちの考えが当たってて、なおかつ修理した箇所がもつとして」
由加は読み出しパネルを眺め、ちょっと考えた。「15時間から20時間…」
「うん。私は18時間と踏んでたよ」朋子はにこりともせず言った。
「じゃあ補助装置の仕事を始めましょうか。停電が直り次第、すぐに動かせるようにしておきたい」

60 :名無し募集中。。。:2013/09/08(日) 20:46:56.57 0
リ|`・_ゝ・)<窓どうやって開けるん?

61 :名無し募集中。。。:2013/09/08(日) 21:38:37.49 O
朋子の持ち場の小さなスピーカーが、やかましくビーッと鳴り始めた。
朋子は計器のひとつを調べて、インターコムのスイッチを入れた。「ブリッジです」
疲れはてた、だが満足げでなくもない声音で、佳林が船の反対側の端から報告してきた。
「間に合わせの溶接完了したよ。一時しのぎだけどね。さあ電気が通じるリン♪」

朋子は補助手動装置のひとつを操作した。ブリッジに光が戻る。
主電源に依存する読み出しパネルが瞬いて明るくなった。
由加、朋子、あかりがホッとしたように何かつぶやき、吐息を漏らした。

「電力と光が戻ったわよ」朋子がインターコムに近づいた。「さすがね、おふたりさん」
「まあね」佳林が答えた。「軽いもんよ」紗友希も短い返事をした。
それから察するに、2人は並んでピックアップのすぐそばにいるようだった。

「油断は禁物よ」佳林が言った。「ホントに一時しのぎだから。そっちは?なんか新しい状況は?」
朋子は首を振った。それからこの動作が相手に見えないのを思い出して、改めて言った。「全然」
手近の舷窓の外を見やる。ブリッジの明かりが、荒涼とした大地の一部に弱い光を落としていた。
時折、強い風が大きな砂粒や岩の欠片を吹き上げ、反射できらりと光る。

「裸の岩ばかりよ。もっとも、あんまり遠くまで見通しが効かないけどね」
「何か故障があったらすぐ連絡するよ。そっちも連絡してね」佳林が話を締めくくった。
「了解」朋子はスイッチを切った。

62 :名無し募集中。。。:2013/09/08(日) 21:46:04.43 O
リ|`・_ゝ・)<疲れたさかい新狼へ帰るわ ほな

63 :名無し募集中。。。:2013/09/08(日) 22:36:12.77 0
一日かけて乗っ取った挙句にそれかよ
中途半端なこのスレ一体どうすんだ

64 :名無し募集中。。。:2013/09/08(日) 22:50:01.65 0
279 名無し募集中。。。 2013/09/08(日) 20:04:23.89 0
あーりーはやっぱすげえ

植村あかり

2014年 健 全
2015年 健 全
2016年 健 全
2017年 健 全
2018年 健 全
2019年 リア充に…
2020年 舞台を宇宙に移す

65 :名無し募集中。。。:2013/09/08(日) 22:59:44.80 0
リ|`・_ゝ・)<船長、釣りして来るわ

66 :名無し募集中。。。:2013/09/08(日) 23:11:26.95 0
リ|`・_ゝ・)<船長、そろそろ空気入れ替えよ

67 :名無し募集中。。。:2013/09/09(月) 03:00:00.24 0


68 :名無し募集中。。。:2013/09/09(月) 04:49:25.92 0
リ|`・_ゝ・)<保全してええのかな?

69 :名無し募集中。。。:2013/09/09(月) 05:26:19.75 0
惑星LV910の続きはよ

70 :名無し募集中。。。:2013/09/09(月) 09:41:19.51 O
リ|`・_ゝ・)<その惑星には おかっぱの女の子が…

71 :名無し募集中。。。:2013/09/09(月) 15:05:50.39 0
>>27
すげえ

72 :名無し募集中。。。:2013/09/09(月) 16:52:50.55 O
リ|`・_ゝ・)<むー

73 :名無し募集中。。。:2013/09/09(月) 20:17:09.82 O
リ|`・_ゝ・)<保全するで

74 :名無し募集中。。。:2013/09/09(月) 21:04:18.66 O
朋子は飽きることなく何度でも繰り返し、コンピューターに理論的な問題を問い合わせていた。
「外への呼びかけに何か応答はあった?」由加が自分の席から半身を乗り出して、朋子を見た。
「教範にあるすべての信号、あと思いつく限りのものは片っ端から試したわ」
朋子は失望の表情で首を振った。「例の遭難信号が同じ間隔で繰り返されてるだけ」
朋子が続ける。「空白の他にはパチパチした音がするけど、コンピューターによるとこの星系特有の放電現象だってさ。
もしも何かが、あるいは誰かがこの星で生きているとしても、遭難信号を発する以外のことはできないということね」

由加は鼻を鳴らした。「あーりー、主電源をオンにして。フラッドライトを点けてみる」
あかりがスイッチを押した。一連の強力なライトが舷窓の外に灯り、船体を背景にして、風と砂塵がはっきり見えた。
それは時には空中に小さな渦巻きを作り、時には彼女たちの視線を横切って、かなりの強さで吹いていた。
点在する孤立した岩。大地の起伏。目につくのはそれだけで、どこにも生き物の痕跡はなかった。
生命を示すわずかなもの、灌木の茂みも、何ひとつない。闇に風が吹き荒れ、砂塵が渦巻いているのみだった。

「…なんもないな…」あかりは溜め息をついた。あるのは空白と、敵意を秘めているような不毛な広がりだけだった。

75 :名無し募集中。。。:2013/09/09(月) 21:28:59.25 O
由加が立ち上がって舷窓のひとつに歩み寄り、その外で絶え間なく吹き荒れる風と、窓ガラスをかすめていく岩の欠片を眺めた。
このちっぽけな世界で、風が止む時があるのだろうか、と由加は考えた。
ひょっとしたら自分たちが降り立ったのは、この土地の条件からすると穏やかな小春日和とも限らない。

しかし、この小さな惑星の規模からして、真に過酷な気象条件を生むことは考えにくい。
現在の天候がさらに悪化することは、おそらくないだろう。由加はそう考えて、多少の慰めを見いだした。

気象状態の特異性が、ひとしきり議論になった。
「このひどい風じゃ、どこにも行かれへんよ。少なくとも暗いうちは」あかりが指摘した。
朋子がコンソールから目をあげた。「《てらだ》によると、あと30分でこの星の太陽が昇るって。なんにせよ暗くはなくなる」

「それはありがたいわね」希望の切れ端に由加が飛びついた。
「あの信号の発信者がこれ以上何も言ってこなくても、あるいは言ってこられなくても、
私たちは捜しに出かけなくちゃならない。もしくはその発信源をね――とも、発信源までの距離は?」
朋子は読み出し表示を調べて、さらに正確を期するために地上位置測定装置を作動させた。
「約3000メートル、方角は現在地から北東よ。スキャナーの読み取れる限りでは、ほぼ平坦な地形ね」

76 :名無し募集中。。。:2013/09/09(月) 22:01:15.71 O
「地質はどう?」由加が尋ねた。
「降下の時にうえむーが調べたのとだいたい同じね。ほとんど夾雑物のない純粋な玄武岩」

あかりは宇宙服が使える時間を頭において、距離を時間に換算してみた。
「どうにか歩いていける近さやな」ホッとした表情で言った。
「船を動かさんといかん距離やないと思ったけど。この風じゃ地上から地上へ移動するのは難儀やもん」

「よしよし。足の下にあるものは分かったわけね。とも、大気の構造も調べてみて」と由加。
朋子はいくつかのボタンを押した。《Juice=Juice》の外殻に小さな窓が開いた。
そこから金属製のフラスコが風の中に伸び、この惑星の空気を少量吸い込んで、また船体に戻った。
試料は真空の容器に放出され、複雑な機器類が分析を始める。
じきにそれらは、数字や記号となって、朋子のコンソールに表示された。

朋子は手早くそれらを点検して報告した。
「多量の不活性窒素、わずかな酸素、高濃度の遊離二酸化炭素。メタンガスとアンモニアも含まれてる。
アンモニアの一部は凍結状態で存在してる…かなり寒いわね外は。
全体としてかなり原始的かつ標準的な構造よ。もちろん呼吸はできない」
「気圧は?」「10の4乗。突風じゃない限り、行動が制限されたりはしないはず」
朋子が説明を続けた。「おまけにすごい多湿。多くは水蒸気みたい。不思議ね。これほど多量の水蒸気がメタンガスと共存してるなんて。
まあいいけど。とりあえず湧水を見つけても、飲んじゃだめよ。たぶんないと思うけど」口の端で笑った。

77 :名無し募集中。。。:2013/09/09(月) 22:37:07.07 O
「玄武岩の地表、冷えて固まった溶岩、かなり低い気温。そんなところかな」朋子がまとめた。
「もし空気が呼吸可能だったとしても、低温をしのぐには宇宙服が必要ね。生き物がいるとすれば、ずいぶんタフだわ」由加が言った。

「視界を悪くするのにちょうど間に合うくらいの空気があるわけね」あかりが愚痴った。
「高望みしたらきりがないでしょ。もっと条件が悪いこともあり得たんだし」由加がたしなめた。
「そうそう。どこかのガス星にでも降りることを考えたら何倍もましよ」朋子が言って、外の嵐を眺めた。
夜明けが近づくにつれて、それは徐々に静まりつつあるように見えた。

「さて、ダクト修理の手助けに行きますか」由加が言った。「あーりー、一緒に行くわよ。とも、引き続きデータの解析をお願い」
「了解、船長」朋子が応える。
「修理の目処がついたら、小遠征の準備もしなくちゃ」
「うちは志願するで」あかりが快活に言った。「謎の呼び出し人をこの目で見てやりたいねん」

78 :名無し募集中。。。:2013/09/09(月) 23:17:34.05 O
冷房装置がフルに働いているにもかかわらず、エンジン・ルームはひどい暑さだった。
熱気の原因は、山ほどの溶接作業と、狭い場所でそれを行わなくてはならないことにあった。
サーモスタット周辺はひんやりしているのだが、溶接部に近いところでは、急速に気温が上昇した。

レーザー溶接器そのものには罪はない。比較的低温のビームを発する。
ところが、金属が溶け合って、溶接されるさいに、副産物として熱が発生するのだ。
紗友希も佳林も上半身裸で作業をしていたが、それでもむき出しの肌を汗が伝って滴り落ちていた。

5人は互いに協力しあって着々と復旧作業を進めた。
「悪くない」小さなコンポーネントをこじりとり、肩に下げた道具袋を探って、代わりの部品を取り出す。
噴き出る汗が由加のシャツをぴったり身体に貼り付かせていた。
新しいモジュールが手際よくはめ込まれた。まるで台に植えられた義歯のようだった。

「ふう…ようやく終わったわね。これが最後の損壊部分よ」由加はシャツを脱ぎ捨てながら大きく息を吐いた。
「はあ〜、往生した!」あかりも勢いよく服を脱いで、ツンとしたバストをあらわにした。
「少し休んでから食事にしましょ。そのあとで遠征隊について話し合うから」
「オーケー」「了解」汗を拭ったり、髪をまとめたりしながら、乗組員たちはエンジン・ルームを出て食堂へと向かった。

79 :名無し募集中。。。:2013/09/10(火) 03:22:46.02 0


80 :名無し募集中。。。:2013/09/10(火) 04:07:44.84 0
404 名前:名無し募集中。。。 :2013/09/10(火) 02:16:30.26 0
http://stat.ameba.jp/user_images/20130910/01/juicejuice-official/ec/af/j/o0405072012678616538.jpg

画像
あーりーがむろ乳を握ってるwww

81 :名無し募集中。。。:2013/09/10(火) 09:44:38.03 0
これは名作だからスレごと保全すべき?

82 :名無し募集中。。。:2013/09/10(火) 09:50:32.85 0
コピンク曲の雨子が軽くSF小説を書いたのかと思ったがそうではないっぽいな

83 :名無し募集中。。。:2013/09/10(火) 12:07:48.10 0
http://i.imgur.com/UT6KUWv.jpg

84 :名無し募集中。。。:2013/09/10(火) 14:10:06.02 0
スペースダンシングガールあーりー

85 :名無し募集中。。。:2013/09/10(火) 17:16:30.37 0
紗友希と佳林がボーナスを要求する訳だな

86 :名無し募集中。。。:2013/09/10(火) 20:04:02.74 0
a

87 :名無し募集中。。。:2013/09/10(火) 20:45:27.63 O
リ|`・_ゝ・)<保全しまっせ

88 :名無し募集中。。。:2013/09/10(火) 21:29:12.49 O
食堂のテーブルに、ミネラルウォーターや紅茶の他に各自の好みの食べ物が加わった。
誰もがゆっくりと時間をかけて食べていた。
彼女たちが味わっているのは、自動調理機が提供してくれる食べ物というよりも、
むしろ、船の修理にある程度の目処がついたという喜びであったかもしれない。

重労働の後で飢えてはいたが、宇宙旅行お決まりの食べ物に対する悪口雑言が口にできぬほど飢えてはいなかった。
あかりが、一同に向かってスプーンを振り回し、口一杯に食べ物を頬張ったまま言った。
「これはいったい何のつもりやろ?」「卵でしょ」佳林が言った。
「卵がなんなのかくらいはうちだって知ってんで。知りたいんはこの黄色の水っぽいやつ」
「とうもろこしパンじゃないの」紗友希が皿を指差した。
文句を言いつつも、あかりの食べるペースは少しも落ちる気配を見せなかった。
そんながつがつぶりには無関心に、猫のジャスミンはテーブル中央に置いた皿から上品に食べていた。

「これよりひどい食べ物も食べたことあるし」佳林は代用ベーコンに添加ビタミンを振りかけた。
「これより美味しい食べ物も食べたことある」ベーコンをトーストに乗せてぱくりとかじった。
「地球に帰ったら、ちゃんとしたものが食べたいわ」紗友希がスプーンに乗った掻き卵を見つめながら言った。

89 :名無し募集中。。。:2013/09/10(火) 22:14:02.59 O
オートシェフに後片付けを任せて、由加は一同に呼びかけた。「さてさて。私の見解を話すわ。みんな聞いて」
あかりだけはドーナッツと称するものにまだ食いついていた。
「チョコレートよりバターミルクのやつがええなあ」
朋子はあかりが差し出したその太い輪にしげしげと目をやった。
「うえむー、その味の違いが分かるの?」「色が違うやん」
朋子は笑いもせずピシャリと言った。「ゆかちゃんの話を聞くわよ。ほら、ちゃんと座りなさい」

「船を離れられるのは、2人が限度。それに」由加は続けた。
「たぶん、すでに死んでる漂流者と、自動的に繰り返される信号とを見つけるだけだと思うの。
そうじゃなきゃ、今ごろは生存者からなんらかのコンタクトがあっていいはずだからね。
でも、どういうものを発見するかは、よく分からない。
敵意のあるなしを抜きにして、この星にはあんまり生き物はいないみたいだけど、
不必要な危険もないとは言いきれないからね」

「お宝を発見するかもよ」佳林が無邪気に口許をほころばせた。
「既知の宇宙の限界を広げる高潔な志しだわね」紗友希がからかった。

「うち行くで。ええやろ、ゆかちゃん?」あかりが挙手しながら言う。
「私はかまわないけど、みんなどう?」由加が3人に訊いた。「異論ないよ」「お留守番してます」
「じゃあ決まりね。私とあーりーで遠征隊。各自、モニターとバックアップをお願い」

90 :名無し募集中。。。:2013/09/10(火) 22:41:46.01 O
由加とあかりは、狭い廊下づたいに船内を下へ降りていった。
今では彼女たちは、ブーツを履き、手袋をはめ、作業用の絶縁スーツを着用していた。
念のため、レーザー・ガンも携えているが、これはさっきまで使っていた溶接器の小型版だった。

由加がスイッチのひとつを操作した。保護シールドが開いて、隠されたボタンが現れた。
由加はそれらを定められた順序で押した。ブインという音が起こり、ドアがするすると開いた。

宇宙服が壁に並んでいる。かさばった不恰好なものだが、測定した船外の条件どおりならば、絶対に欠かせないものだ。
由加とあかりは互いに手を貸し合って、この生命を維持してくれる人工の皮膚を身に付けた。
それから、それぞれの宇宙服の機能を試験してみる。
それを終えると、いよいよヘルメットを載せる番だった。
真剣な表情で、注意深く載せる。今度も互いにそれが正しく気密を保つか点検し合った。

自動調節装置が稼働する。各自のタンクから流れてくるいささかカビ臭いが、しかし健康的な空気を呼吸し始めた。
由加は手袋をはめた手で、ヘルメット内部の通話装置を作動させた。「マイクチェック、マイクチェック。聞こえる?」
「ワンツー、ワンツー。聞こえるよ」朋子がピックアップの出力を上げながら答えた。「そっちは聞こえる?」

91 :名無し募集中。。。:2013/09/10(火) 23:01:32.26 O
「よし。これで用意はいいわね。あーりー、私がそうしろと言わない限り、なるべく武器は使っちゃダメよ」
「お友達になれそうな保証でもあんの?」あかりが疑問を呈した。
「最悪より最善を期待してるだけよ」由加は通話装置の別のチャンネルを呼んだ。「カリンちゃん、いる?」
答えが返ってきた。「下のブリスターに行く途中。ちょっと待っててリン♪」

「了解」由加はあかりに向き直った。「内側のハッチを閉じて」
あかりは必要な操作を行い、扉が背後で閉まった。「ええよ。外のを開けて」

2人は無意識に宇宙服の背をエアロックの内側に押し付けていた。
未知のものに対する、動物の本能的な反応だった。
ハッチが開いた。砂塵と蒸気の雲が2人の前で渦を巻いていた。
焦げたオレンジ色の夜明けだった。見慣れた地球の太陽とは異質だったが、ものを見るだけの明るさは与えてくれた。
もっともその濃密で微細な塵で濁った大気の中では、
それでもほとんど見通しは効かなかった。

92 :名無し募集中。。。:2013/09/10(火) 23:20:04.13 0
http://i.imgur.com/VP5zbau.jpg
http://i.imgur.com/KMsbzwr.jpg
http://i.imgur.com/Kr4Srwb.jpg
http://i.imgur.com/uvqHiTg.jpg
http://i.imgur.com/gOT4B3j.jpg

93 :名無し募集中。。。:2013/09/10(火) 23:23:42.83 0
エロ過ぎる
睾丸汁を腹奥にぶちまけてやりたい

94 :名無し募集中。。。:2013/09/10(火) 23:26:17.17 O
2人は外に出て、船の支柱の間を走っている昇降台に乗った。
スイッチを入れると、台は下降し始めた。取り付けられたセンサーが地表までの距離を計算する。
台が黒い岩の一番高い点に触れた瞬間に停止した。

由加、あかりの順に慎重に地表に降り立った。溶岩は固く、ブーツで踏みしめてもびくともしなかった。
強風が、地表の様子を見定めようとする2人の視界を妨げていた。
目下のところは、自分の足の下からそのオレンジ・ブラウンのもやの中へ続く地面以外は見えなかった。

気の滅入る光景だ、とあかりはちょっぴり後悔した。
必ずしも恐怖を感じさせるわけではないが、やはり見通しが効かないというのは不安をかきたてる。
鮫がうようよしている海に漂う自分を連想させた。

それにしても、この荒れ地には暖かい色彩というものがまったくなかった。
ブルーもなければグリーンもない。あるのは濁った黄色、くすんだ茶と灰色だけだった。
心を慰めるようなものは皆無である。失敗した化学実験、そして排泄物を想起させる大気と地面だった。
もしもこんなところに棲んでいるものがいるとしたら、気の毒の一言しかない。
棲むものがあるともないとも、明確な証拠はないが、
あかりには、この世界にはどんな生命もいないという直感があった。

95 :名無し募集中。。。:2013/09/10(火) 23:30:43.29 0
>>93
アナルSEXかwww
膣奥は聞いたことあるけど腹奥って初めて聞いたw

96 :名無し募集中。。。:2013/09/11(水) 01:57:00.85 0


97 :名無し募集中。。。:2013/09/11(水) 02:48:31.53 0
あーりーは固体燃料ロケット派

98 :名無し募集中。。。:2013/09/11(水) 05:19:46.53 0
いよいよジャガーBuono発見か

99 :名無し募集中。。。:2013/09/11(水) 08:16:50.26 0
宇宙遊泳ってクロールなん?

100 :名無し募集中。。。:2013/09/11(水) 10:11:08.00 0
平泳ぎ

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