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ノノ*^ー^) えりがナマタでえりながカメで |||9|‘_ゝ‘) Part4

1 :名無し募集中。。。:2012/03/04(日) 21:46:38.49 0
1 名前:名無し募集中。。。[] 投稿日:2012/01/30(月) 21:26:25.09 0
◇ふとしたはずみで生田衣梨奈と亀井絵里の身体が入れ替わってしまったことから巻き起こるストーリー 
 身体の入れ替わった二人とガキさんとの三角関係の行方は!?

【プロローグ】

|||9|^_ゝ^) <新垣さん聞いてください!ブックオフで新垣さんの写真集がすっごく安く売ってたんでコンプしました!
( ・e・)<な〜によそれ あたしの写真集が価値がないみたいじゃないの 「安く」は余計!「安く」は
|||9|^_ゝ^) <そんな事ないですよ えりなにとっては大好きな新垣さんのですもん
        価値ありありですよ 安くですけどちゃんとお金は払って買ったんですから
        お買い物上手って褒めてください あと写真集にサインしてもらって・・
♪〜トラワヨー プサンハンヘー アーイタイー
∩・e・)<はいもしもし おーっ!カメ〜 今夜?いいよ オッケー! んじゃね〜ハーイ・・ ポチットナ
|||9|#‘_ゝ‘)<亀井さんですか?
( ・e・)<えー?あん そーそー 
|||9|^_ゝ^) <あっそうだ 今度写真集全部持ってくるんでサインしてもらって・・
(・e・* )〜♪今夜はカ〜メが泊まりにくるから さっさと仕事をおわらすべ〜 ガキカメー!ってか
|||9|^_ゝ^) サイン・・

|||9|^_ゝ^) ・・

|||9|‘_ゝ‘) <いいなぁ〜亀井さんは・・ えりなも亀井さんになりたいなぁ・・

◇とまぁそういうこって この後えりりんと身体が入れ替わったナマタがガキさんと
 「ガキカメ〜」と言いながら肛門を広げたり広げなかったり
 ナマタと身体が入れ替わったえりりんがガキさんにホッペを
    _, ,_
  ( #・e・) <なんかムシャクシャするのだ
つ<;゜_ゝ゜>⊂ <痛たたたたたたた

ってされたりされなかったり・・

238 :名無し募集中。。。:2012/03/13(火) 12:16:16.09 O


239 :名無し募集中。。。:2012/03/13(火) 13:55:42.19 O
ノノ*^ー^)<お昼寝したいっちゃ

240 :名無し募集中。。。:2012/03/13(火) 14:03:04.26 O
まとめ職人さんも仕事しやすそうだね

241 :名無し募集中。。。:2012/03/13(火) 15:12:37.97 0
読む方はなんだったらまとめを見に行けば良いだけだし
作家さんやまとめてくれる人がやりやすい環境が第一かな

242 :名無し募集中。。。:2012/03/13(火) 17:37:30.20 0
とりあえずあげ

243 :名無し募集中。。。:2012/03/13(火) 18:08:37.29 O
最近の狼には珍しい良質のネタスレだな
職人さんも住民さんもマタリとしてて良い感じw

244 :名無し募集中。。。:2012/03/13(火) 19:55:55.17 0
>>243
このスレ(パート4)を立てた者だけど立てて良かったと思うよ
良い住人さんばかり

245 :名無し募集中。。。:2012/03/13(火) 20:13:18.84 0
作者の一人です
トリつける件は僕もどちらでもいいですよ
まとめサイトか次スレのテンプレにトリ推奨の旨を追加するとかどうでしょう?
強制にならない程度の表現で

246 :名無し募集中。。。:2012/03/13(火) 22:03:09.61 0


247 : ◆vWFFkClaE. :2012/03/13(火) 23:49:48.31 0
これから『リンリン編』2nd Seasonの第2回を投下します
トリはこんな感じで大丈夫かな…

248 : ◆vWFFkClaE. :2012/03/13(火) 23:52:28.28 0
>>230の続きです

第2回

「何度も言ってるように、ここはファンは入れないんだよ!まったく近頃の中学生は…」
「ですから!私はここの事務所のタレントで、佐保明梨です!それに中学生じゃなくて高校生です!」
かれこれ30分近く、明梨は警備員と押し問答していた。
リンリンとの電話の翌日。早速絵里(見た目は生田衣梨奈)に会って今後について話し合うために会社に来たのはよかったが、通用口で警備員に呼び止められた。
また、その警備員が入りたてでまだ明梨の顔と名前までは覚えておらず、ファンと間違えられて足止めされているというわけである。

「ほら、帰った帰った」
「もー!分からない人ですねー!」
こうなったら正拳突きで強行突破するしか…。明梨がそれこそ二度と出入りできなくなりそうな選択をしかけた時、救いの神が現れた。
「あれ?佐保ちゃん?」
「あ!新垣さん!お久し振りです!」
現在のモーニング娘。のリーダー新垣里沙だった。明梨にとっては大先輩である。
そこへやり取りを見ていた警備員が口を挟んだ。
「新垣さん、この子のことご存知なんですか?」
すかさず明梨が里沙に泣きつく。
「警備員さんが通してくれないんですよぉ」
里沙は笑いながら警備員に説明した。

249 : ◆vWFFkClaE. :2012/03/13(火) 23:54:39.89 0
「この子はうちの事務所のタレントで佐保明梨ちゃんです。だから通してあげて下さい」
「なんだ、本当だったのか。分かりました。佐保さん、すみませんでした。通っていただいて結構です」

明梨はほっと息をついて里沙に礼を言った。
「新垣さん、ありがとうございます。助かりました」
「いいのよ。ところで今日はどうしたの?」
里沙と一緒に会社の中を歩きながら、明梨は説明した。
「生田さんに会いに来たんですよ。ちょっと約束があって」
「生田、佐保ちゃんとも交流あったんだ?」
里沙が意外な組み合わせに驚いている。そりゃそうだろうな、と明梨は思う。
何しろ生田衣梨奈とは昨年の冬ハローで顔は合っているものの、片や加入直後、明梨はハロプロエッグ選抜ということで接点はないに等しかったのだから。
今回リンリンから頼まれた件がなければ、果たして話すことさえあったかどうか分からない。もっとも、今は亀井絵里と入れ替わっているのだが。

「生田かぁ。探してきてあげるよ。って、そこにいるじゃん!」
大げさにずっこける里沙。リアクションが昭和だなぁ、とはさすがに口に出せなかった明梨だった。
「まだ娘。の打ち合わせにはだいぶ時間があるから、生田とどこかで話しておいで。生田!佐保ちゃんが会いに来たよ!」
里沙はやさしい笑顔を見せて、マネージャーのいる方へ歩いて行った。

250 : ◆vWFFkClaE. :2012/03/13(火) 23:56:14.57 0
「あ、佐保ちゃん。じゃ、人に聞かれたくないし、空いてる会議室にでも」
「こ、こんにちは。あの、本当に?」
明梨はこのどう見ても生田衣梨奈の姿をしている女の子が亀井絵里だということがまだ半信半疑だった。
「うん。そのことも二人だけになってから説明する」

「さて、と。リンリンから聞いてると思うけど、私、亀井絵里なんだ。えりぽんと入れ替わっちゃったの」
空いている会議室に入り、二人きりになると絵里は改めて打ち明けた。
「ほんとに亀井さんなんですね…」
どうやら本当らしいと分かり、明梨は呆然としていた。まさかこんなSFかアニメみたいなことが実際にあるなんて。
何とか気持ちを整理し、明梨は本題に入った。
「それで、これからどうやって元に戻る方法を調べていくかなんですけど…」
「うん。絵里もえりぽんももう散々調べたんだけど分からないんだよね。当事者だからこそ視野が狭くなってるのかも。
だから第三者の佐保ちゃんが新しい目で見て気付いたことを私たちやリンリンに教えてほしいんだ」

それから絵里は二人が入れ替わった経緯など今までに分かっていることを明梨に伝えた。
明梨はノートにメモを取り終えると、絵里に言った。
「それじゃ、亀井さんの方の情報はだいたい分かりましたので、あと生田さんの話も聞いて考えてみますね」
「ありがと。面倒なこと頼んでごめんね」
「いいんです。亀井さんや生田さんの力になれれば嬉しいですから」

その後少し雑談して、明梨は絵里と別れ、会社を出て近くの喫茶店でノートを見返した。
「ん?もしかして…。これは調べてみる価値あるかも」
明梨はリンリンに報告と相談をするべく、携帯を取り出した。

251 : ◆vWFFkClaE. :2012/03/14(水) 00:04:31.95 0
今日の分は以上です
佐保ちゃんとナマタの接点が本当になさそうだったので呼び方は想像で書きましたw

ちなみに僕が今まで書いた分は下記のものです

リンリン編(今作含めて関連作品すべて)
りほりほ救出大作戦編
ガキさんの告白編(関連作品すべて)
結婚式狂騒曲(短編)
Rへの手紙編

252 :名無し募集中。。。:2012/03/14(水) 00:25:44.82 O
これも面白くなりそうですね
期待して続きを待ってます

253 :名無し募集中。。。:2012/03/14(水) 01:46:07.30 O
|||9|‘_ゝ‘)<まだ有るんだよね、お香…どうしよっかな

254 :名無し募集中。。。:2012/03/14(水) 07:10:40.91 O
ほぜんしますデスハイハイ

255 :名無し募集中。。。:2012/03/14(水) 09:08:45.17 O
保リンおつw

256 :名無し募集中。。。:2012/03/14(水) 12:10:36.97 O
あぶないにょん

257 :名無し募集中。。。:2012/03/14(水) 12:25:50.95 0
>>251

第三者視点にどう映るのか楽しみです

258 :名無し募集中。。。:2012/03/14(水) 12:45:41.72 0
たぶんまだ先になるけど
トリのつけ方が分からない自分につけ方教えて下さい…

259 :名無し募集中。。。:2012/03/14(水) 15:25:33.47 O


260 :名無し募集中。。。:2012/03/14(水) 15:44:21.23 0
まさかの佐保ちゃん登場に嬉しい佐保ヲタだけど
破壊王ってあだ名持ってるからどうなることやらw

トリは名前欄に「#○○」
○○は好きな文字で

261 : ◆i0GrX5JVL. :2012/03/14(水) 16:14:46.61 0
こうですか?
ありがとう!

262 : ◆0aO0ooiq6w :2012/03/14(水) 16:47:56.31 O
まさかとは思うが

263 : ◆i0GrX5JVL. :2012/03/14(水) 18:34:28.83 0
保全

264 :名無し募集中。。。:2012/03/14(水) 19:58:28.16 0
うへへ

265 :名無し募集中。。。:2012/03/14(水) 21:03:21.61 0
ほっしゅ

266 : ◆vWFFkClaE. :2012/03/14(水) 21:58:05.18 0
>>260
まさか佐保ヲタさんも読んで下さってたとはw
知らず知らずのうちに需要を満たしていたんですねー

ただ佐保ちゃんについては勉強中で知識が浅いので本来の佐保ちゃんとは少し違う感じになりそうで怖いです…

267 : ◆i0GrX5JVL. :2012/03/14(水) 23:13:13.83 0
>>266
自分の書いてるものもカメとナマタが違うキャラになりつつあるので大丈夫ですよw

268 :名無し募集中。。。:2012/03/14(水) 23:54:06.79 O
見境なしに手を出すカメもいるくらいだからw

269 : ◆vWFFkClaE. :2012/03/14(水) 23:59:36.87 0
>>267
そう言ってもらえると気が楽です
キャラが違う部分はあくまで小説と割り切ってもらうということでw

>>268
確かにw

270 : ◆vWFFkClaE. :2012/03/15(木) 00:28:32.53 0
連投になりますが…
リンリン編>>250の続きを投下します

271 : ◆vWFFkClaE. :2012/03/15(木) 00:29:48.22 0
第3回

「それじゃ、亀井さんからひと通りの話は聞いたんだね。何か気付くことあった?」
明梨が絵里と会って事情を聴いたことを話すと、リンリンはそう尋ねてきた。
「そう、それです!亀井さんと生田さんが入れ替わった時の話で、ちょっと引っかかることがあったんです」
「引っかかること?」
「亀井さんは『二人で階段から落ちて意識を失う直前、カメラのフラッシュが光った時のような光を感じて、"またか"って思ったような気がする』って言ってたんです」
「そんな話、亀井さんからも衣梨奈からも聞いてないなぁ」
「たぶん、改めて記憶を整理しているうちに思い出したんだと思います。それで考えたんですけど…」
「うん」
「今までリンリンさんも当事者の亀井さんと生田さんも、入れ替わる直前と入れ替わった後に注目してたと思うんですけど、もしこの階段落ちが最初の入れ替わりじゃなかったとしたら?」
明梨の言葉にリンリンが怪訝そうに尋ねる。
「どういうこと?」
「つまり、階段落ちは二人の心が入れ替わって定着するきっかけにすぎず、実はもっと以前から入れ替わりの前兆や一時的な入れ替わりが起こってたんじゃないかと考えたんです。
亀井さんの言う光はその時のサインじゃないかと。それだと入れ替わりの直接的な原因は別にあるわけで、今までいくら調べても分からなかった説明もつくかもしれません」
「確かに新しい発想だけど…」

明梨のある意味ぶっ飛んだ仮説にリンリンが戸惑っているのが分かる。明梨自身も我ながら突拍子もないことを言っているなと思う。
だから、明梨は続けた。
「もちろん、これは仮説だし、生田さんの話も聞いてみないと何とも言えません。なので、この次は生田さんと亀井さんの二人に同時に話を聞きます。もし二人とも階段落ち以前のことで何かおかしなことがあったなら、この仮説に基づいて調査してみる価値はあると思います」
明梨の提示した方向性にリンリンも同意した。
「そうだね。佐保ちゃんにばかり動いてもらって申し訳ないけど、お願いしますデス」
「任せて下さい!」
その後リンリンと軽く近況報告をし合って、明梨は電話を切った。

272 : ◆vWFFkClaE. :2012/03/15(木) 00:30:54.66 0
数日後。
明梨は亀井家を訪ねていた。三人で話したいということで、絵里のオフの日に合わせてもらった。
衣梨奈と入れ替わっているとはいえ、久し振りに絵里の姿を見ることができるのは嬉しい。
しかし、この件を引き受けた時のある種ミーハーな気持ちはもはやなく、今の明梨は二人が元に戻れるように力になりたい気持ちが強かった。

「お邪魔しまぁす!」
「どうぞどうぞ」
衣梨奈(見た目は絵里)に案内され、明梨は絵里の部屋に足を踏み入れた。そこにはすでに絵里が来ており、「やぁ」と軽く手をあげて明梨を迎えてくれた。

出されたお茶を飲んで落ち着くと、明梨はまず衣梨奈に入れ替わった時の話を聞いた。
「…だいたいこんなとこですね。亀井さんと同じだと思いますけど」
「階段から落ちて意識を失うまでの間で何か思い出すことありますか?どんな些細なことでもいいです」
記憶が誤って補完されないように、絵里から聞いた話はあえて伏せて明梨は尋ねた。
衣梨奈は首をひねり考えていたが、はっとしたように明梨を見て答えた。
「そういえば…。気を失う間際に何か光を感じて、"また?"って思いました」
衣梨奈の言葉に絵里は驚いて明梨と顔を見合わせた。
「えりぽんも?そんなこと今まで言ってなかったじゃん」
「"も"って、亀井さんも光を見たんですか?」

273 : ◆vWFFkClaE. :2012/03/15(木) 00:32:18.14 0
驚いている二人に、明梨は先日リンリンに話した仮説を話した。
「…と、このように考えたんです。亀井さんと生田さんの話を聞いて、この線が正しい可能性が高くなってきました。
それで、お二人に思い出してみてほしいんですけど、同じように光を感じたとか何か階段落ち以前におかしなことはありませんでしたか?」
二人は難しい顔をして考え込んでいたが、はっと顔を見合わせ、同時に叫んだ。

「リンリンだ!」
「リンリンさん!」
思いがけず出てきたリンリンの名前に明梨は驚いて二人を見つめ、次の言葉を待った。


274 : ◆vWFFkClaE. :2012/03/15(木) 00:36:12.58 0
今日はここまでです
いよいよぶっ飛んだ展開になりつつありますw

何だか思ったより長くなりそうですがよかったらお付き合い下さい

275 :正統派 ◆i0GrX5JVL. :2012/03/15(木) 01:42:34.80 0
トリはこうした方が良いかな?

>>274
おつ!
まさかの新展開にドキドキしてますよーw

276 :名無し募集中。。。:2012/03/15(木) 03:03:00.79 O
おやすみ

277 :名無し募集中。。。:2012/03/15(木) 05:41:06.03 O
wktk

278 :名無し募集中。。。:2012/03/15(木) 09:26:57.04 O
規制中の保全

279 :名無し募集中。。。:2012/03/15(木) 11:00:08.33 0
>>275
シリーズものを上げているならタイトル+トリが明快ですね

280 :名無し募集中。。。:2012/03/15(木) 13:27:56.51 O
絵里の欲望が衣梨奈の瞳に妖しい光を宿らせる
なにも知らない無垢な少女たちに逃れる術は無いのか‥‥

281 :名無し募集中。。。:2012/03/15(木) 14:47:55.83 0
>>280
wktk
待ってるよ

282 :名無し募集中。。。:2012/03/15(木) 16:15:57.77 O


283 :名無し募集中。。。:2012/03/15(木) 18:30:37.53 0
うへへ

284 :名無し募集中。。。:2012/03/15(木) 19:48:34.30 0
ふはは

285 :名無し募集中。。。:2012/03/15(木) 20:53:28.89 0
おほほ

286 :名無し募集中。。。:2012/03/15(木) 22:22:39.92 O
あげとくっちゃ

287 :正統派 ◆i0GrX5JVL. :2012/03/15(木) 23:14:44.62 0
>>279
そういえばいわゆる正統派って名乗ってるだけでタイトルつけてないんですよね…w
まとめサイトの「小説」ってところの作品書いてます
いまさらだけどタイトルつけようかな…w

288 :名無し募集中。。。:2012/03/16(金) 00:12:28.86 O
そういえばタイトルないですねw
無理につけなくても分かりますよー

289 :正統派 ◆i0GrX5JVL. :2012/03/16(金) 01:56:26.85 0
とりあえず寝る前保全
筆が進まず申し訳ない…w

290 :名無し募集中。。。:2012/03/16(金) 06:29:44.88 0
慌てずに

291 :名無し募集中。。。:2012/03/16(金) 07:00:57.67 0
焦らず

292 :名無し募集中。。。:2012/03/16(金) 09:37:20.75 O
焦らしましょー

293 :名無し募集中。。。:2012/03/16(金) 12:23:28.98 0
ほっしゅ

294 :名無し募集中。。。:2012/03/16(金) 14:52:13.30 O
从*・ 。.・)<やりたいの

295 :名無し募集中。。。:2012/03/16(金) 17:56:21.27 0
夕方の保

296 :名無し募集中。。。:2012/03/16(金) 19:02:23.69 0
あげとくか

297 :名無し募集中。。。:2012/03/16(金) 20:46:24.02 O


298 :名無し募集中。。。:2012/03/16(金) 22:11:52.49 0


299 :名無し募集中。。。:2012/03/16(金) 22:21:30.38 O
正統派まちw

300 :リンリン2nd ◆vWFFkClaE. :2012/03/16(金) 22:22:57.99 0
『リンリン編』2nd Season>>273の続きを投下します

301 :リンリン2nd ◆vWFFkClaE. :2012/03/16(金) 22:26:14.60 0
第4回

絵里も衣梨奈もお互いの口からリンリンの名前が出たことに驚き、思わず顔を見合わせた。
「いいよ、えりぽんから話して。なんでリンリンの名前が出てきたの?」
絵里は先に話すよう衣梨奈を促した。
「去年の6月下旬に座間で娘。のライブをやった時のことなんです。その日は来日していたリンリンさんが観に来て下さってて、楽屋で会って記念写真を撮りました」
絵里は何か言いたげな様子だったが、結局何も言わず衣梨奈の話の続きを待った。
「…いえ、正確には記念写真を撮ったはず、なんです。私、リンリンさんと写真を撮る直前から撮り終わった後の数分間までの記憶がすっぽり抜け落ちてるんです。
写真を撮る直前、フラッシュのような光で視界が真っ白になって…。視界が戻った時にはその当時は知らなかった亀井さんの家のリビングにいたんです。それから数分後にまた楽屋に戻ってたんです。
でも、幻か夢だと思ってずっと忘れちゃってました」

302 :リンリン2nd ◆vWFFkClaE. :2012/03/16(金) 22:28:47.16 0
衣梨奈の話が終わると、続いて絵里が話した。
「じゃあ、やっぱりあれ本当のことだったんだ。私も去年の6月下旬、家のリビングにいて、『そういえばリンリン来てるんだっけ。会いたいな』って思ったらえりぽんと同じように光を見たの。たぶん、同じ瞬間に。
私の場合、視界が戻ったら隣にリンリンがいて、写真を撮るところだった」
明梨は二人の話を聞いて、考えた。二人が光を見て視界が戻るまでの状況の一致から、一時的な入れ替わりがこの時起こっていたのはたぶん間違いない。
でも、それだけでは入れ替わりの原因と元に戻る方法にたどり着くのは難しい。何か他にヒントになることはないだろうか。
まずはその時の写真を見てみたい。明梨は衣梨奈に尋ねた。
「そのリンリンさんとの写真ってどこかで見られませんか?」
衣梨奈は眉を寄せて考えていたが、やがてぱっと表情が明るくなった。
「リンリンさんのブログに写真が残ってます!2011年6月下旬の記事です」
「大きい画面で見たいので、パソコン借りていいですか?」
明梨が頼むと、絵里が「いいよ」とパソコンを立ち上げてくれた。
パソコンが立ち上がると、明梨はリンリンのブログにアクセスして目的の記事を探した。

「あった!」
それは2011年6月27日付の記事だった。モーニング娘。のライブを鑑賞した時のことが日本語と中国語で綴られており、メンバー全員とのツーショット写真も載っていた。
嬉しそうなリンリンとメンバーの表情が印象的だった。
そうだ、生田さんとの写真。つい見入ってしまった明梨はリンリンと衣梨奈の写真を見た。
「これ!生田さんの写真だけぼやけてます!この写真を撮ってる時のことで何か覚えてますか?」
明梨の質問に、絵里が笑って答えた。
「ああこれ?マネージャーさんが撮ってくれたんだけどさ、何度撮ってもピンボケなの。一番ましだったのを載せたみたいだね」
しかし、明梨は真剣な表情で絵里の言葉に首を振った。
「たぶんそれ、マネージャーさんのせいじゃないですよ」
絵里も衣梨奈も真顔になった。
「じゃ、これが何か入れ替わりと関係あるってことですか?」
衣梨奈がパソコンの画面に表示されている写真を覗き込みながら尋ねる。
「まだ分かりませんけど…。少なくとも何かのサインである可能性はあります。このことも含めてリンリンさんとも相談して、次にどうするか決めましょう」
明梨がそう言うと、絵里と衣梨奈も賛成した。

303 :リンリン2nd ◆vWFFkClaE. :2012/03/16(金) 22:30:25.49 0
亀井家を辞して帰宅すると、明梨は早速リンリンに連絡を取った。
リンリンは明梨の話を聞き終わると、しばらく沈黙してた。少しの間があって、考えをまとめたのかリンリンが口を開いた。
「状況を考えると、私もあの写真は何かのサインだと思う。でも、亀井さんと衣梨奈が離れた場所にいて直接の接触はなかったのに入れ替わったのが分からない」
リンリンも明梨もそこで考え込んだ。
ややあって、リンリンがぽつりと呟いた。
「…条件?」
その言葉に明梨もはっとした。確かにそれは考えてみる価値はありそうだ。
「それですよ!あの日、あの場所で何かの条件が重なった。そして入れ替わりが一時的に起こった」
リンリンも同意した。
「決めつけはよくないけど、考えられる可能性を一つずつ調べて行こう。あれは…ハーモニーホール座間。佐保ちゃん、調べてみてくれる?」
「もちろんです!ホールに入るのが大変かもしれないけど、突破するので大丈夫です!」
明梨の勢いに少し心配になったのか、電話を終える前に「無茶しないでね」と釘を刺した。

304 :リンリン2nd ◆vWFFkClaE. :2012/03/16(金) 22:34:49.05 0
今日はここまでです
何だか佐保ちゃんがものすごく頭が切れるキャラになってるけどいいんだろうかと思いながら書いてますw

ちなみに本文中のブログ記事は↓です
http://blog.sina.com.cn/s/blog_6713f0d401017phk.html

9期と写ってるリンリンにほっこりしたなぁ…

305 :名無し募集中。。。:2012/03/16(金) 23:50:36.54 O
読む前にほ

306 :名無し募集中。。。:2012/03/16(金) 23:59:51.34 0
乙です
佐保ちゃんはUUGメンバーやヲタでも何考えてるかわかんですよw
ただスイッチON状態の時はキレまくり冴えまくり
ONの時間短いですがw

307 :名無し募集中。。。:2012/03/17(土) 01:06:20.28 O
寝るほ

308 :名無し募集中。。。:2012/03/17(土) 02:18:34.39 O
おやすみっ!

309 :名無し募集中。。。:2012/03/17(土) 03:08:34.26 O
新しい切り口ですね
続きを楽しみにしてます!

310 :リンリン2nd ◆vWFFkClaE. :2012/03/17(土) 09:44:31.84 0
>>306
スイッチON状態の佐保ちゃん見たいですw
佐保ちゃんのステージというとハロコンのあぁ!以外だとラストのエッグ新人公演ぐらいしか観れてないなぁ…

311 :名無し募集中。。。:2012/03/17(土) 14:01:04.25 0
浮上

312 :名無し募集中。。。:2012/03/17(土) 15:23:35.47 O
ノノ*^ー^)<保全

313 :正統派 ◆i0GrX5JVL. :2012/03/17(土) 17:34:43.69 0
リンリン作家さんのつです!
ここからどう展開されていくのか楽しみにしてますよー

314 :名無し募集中。。。:2012/03/17(土) 19:05:33.60 0
>>304
改めて見たけどなんか嬉しくなるわw

315 :リンリン2nd ◆vWFFkClaE. :2012/03/17(土) 20:27:41.40 0
『リンリン編』2nd Season>>303の続きを投下します

316 :リンリン2nd ◆vWFFkClaE. :2012/03/17(土) 20:30:43.47 0
第5回

「うちのホールでやるコンサートの前に施設の下見がしたいってことでアップフロントの人から聞いてるから入ってもいいけど、君一人なの?」
「あ、はい。研修も兼ねてまず一人で行ってこいって言われて」
ホールの受付の人はあからさまに胡散臭そうな目で明梨を見ていた。まぁ、マネージャーさんに何とか頼み込んで口をきいてもらったけど、明らかに無理あるからなぁ。
「それに君、なんかハロプロのアップアップガールズとかってグループにいる子に似てない?」
やばっ、この人ハロヲタ?正確にはハローじゃないけど。ばれないうちに入っちゃおう。
「いやぁ、言われたことないですよ。気のせいじゃないですか?それじゃ、お邪魔させていただきます」
「あんまり色々触って壊さないでね!」
「はぁい」
明梨は受付の人に一礼してホール内に入った。

317 :リンリン2nd ◆vWFFkClaE. :2012/03/17(土) 20:33:33.85 0
ハーモニーホール座間。ハロー!プロジェクトのユニット、アーティストがよく使用する神奈川県にあるホール。明梨もこうして一人だけでホール内に入るのは初めてだ。
「えっと、あの写真に写ってたのはたぶん楽屋がある辺りの廊下だよね」
明梨は関係者以外立ち入り禁止のエリアへと入って行った。
あらかじめすべての部屋に入ることができるように鍵は開けてもらってある。写真の廊下はすぐに分かった。カラープリントしてきた写真を確認し、明梨は周辺の部屋から調べていくことにした。
何室かある楽屋は当然毎回片付けられていて目ぼしいものは何も見つからなかった。明梨は一部屋ずつ見て行き、倉庫のようになっている部屋に目を止めた。

積み上げられたパイプ椅子やテーブルを順に見ていくと、部屋の奥に一台の電子ピアノが大事そうに保管されていた。
明梨は何気なく鍵盤にかかっていた布を取りあちこち眺めていたが、メーカー名の横にある刻印を見て思わず息をのんだ。
「"Erina Mano"って…。これ、マノピアノ?なんでこんなとこに?」
真野恵里菜モデルとしてヤマハが製作した世界に一台しかないモデル。まさかこんなとこにあるなんて。
明梨は興味津々でマノピアノをあちこちいじっていたが…。

バキッ。

嫌な音をたてて底面の一部が剥がれてしまった。
「どうしよう…。こんなのばれたら真野ちゃんにお説教どころじゃないよ。…ん?」
剥がれたパーツは折れたような断面ではなく最初から外れるようになっていたかのようにきれいだった。
パーツが外れたことで見えたスペースを覗き込むと、奥に何かが挟まっているのが見えた。


318 :リンリン2nd ◆vWFFkClaE. :2012/03/17(土) 20:34:36.89 0
「よっと…」
何とか手を入れて奥に挟まっているものを引っ張り出すと、それは数枚の写真だった。
どこかの橋。神社。電話ボックス。夕日に染まる橋。夕暮れの街並み。夕暮れの山。
「何だろこれ?真野ちゃんはどうしてこんな写真を大事そうに…」
明梨はそう呟いて、ふと神社の写真を裏返してみた。
「えーっと。"あいたいよ… いつかきっと一緒に!! えりな・リンリン"こ、これ!」
かすれた文字を何とか読んで明梨は驚愕した。
「これはひとまずリンリンさんに見てもらわなきゃ」
明梨はリンリンに報告するためにこの数枚の写真と裏面のメッセージ、マノピアノをカメラに収めた。

-----

私は明梨から送られてきた報告のメールと添付された画像を見た。
「恵里菜…」
溢れる涙を拭い、もう一度写真とメッセージを見返す。
この写真に写っている風景は私がモーニング娘。を卒業して日本を離れる直前、恵里菜に写真で見せたもの。
どうしても大切な存在である彼女に見せたかった風景だから。
しかし、私は彼女に写真は渡していなかったので、彼女自身がこの地を訪れて撮影したものらしい。
その気持ち、そしてメッセージが嬉しかった。
最後に明梨のメールを読み返していると、気になる一文があった。

『なんかこの神社の写真だけ他のよりも妙に鮮明なんですよね』

「普通では考えられないけど、でも…。入れ替わり自体が考えられないことだし」
写真とメッセージ、あの場所でそして入れ替わりが起こった事実について考える。そしてひとつの仮説にたどり着いた。
私は少し考えて、明梨にモーニング娘。と恵里菜のオフが合う日を調べてセッティングしてくれるよう依頼するメールを送った。

319 :リンリン2nd ◆vWFFkClaE. :2012/03/17(土) 20:38:59.33 0
今日の分はここまでです
もはやリンリン編というより佐保ちゃん編みたいになっててすみませんw
リンリンは次回にたくさん登場する予定なのでお待ち下さい

写真の場所は…リンリンについてよく知る人なら分かるあの場所です

320 :名無し募集中。。。:2012/03/17(土) 21:39:33.81 O
物語が動き出してきたねー

おつです!

321 :名無し募集中。。。:2012/03/17(土) 23:11:04.84 0
浮上

322 :名無し募集中。。。:2012/03/18(日) 01:10:19.24 O
リンリーン

323 :名無し募集中。。。:2012/03/18(日) 04:28:44.27 0
HAHAHA

324 :名無し募集中。。。:2012/03/18(日) 10:37:29.36 0
おっと

325 :名無し募集中。。。:2012/03/18(日) 13:36:55.21 0
どっこい

326 :名無し募集中。。。:2012/03/18(日) 15:39:41.78 0
川*^A^)

327 :名無し募集中。。。:2012/03/18(日) 17:42:56.83 O
つづきまち

328 :名無し募集中。。。:2012/03/18(日) 19:49:10.04 0
|c|*‘ u ‘)

329 :名無し募集中。。。:2012/03/18(日) 21:58:07.14 O
あぶね

330 :正統派 ◆i0GrX5JVL. :2012/03/18(日) 22:44:54.35 0
こんばんは いわゆる正統派です
>>185のつづきあげます


一瞬、時が止まった気がした。
目の前にいる愛佳の質問の意味が分からなかった。

「だれって……えりは…」
「亀井さんじゃ、ない、ですよね?」

衣梨奈の心臓が高鳴る。
愛佳の瞳は真剣だった。なぜ、バレてしまったのか、考える。
なにが悪かったのだろう?話し方?方言?仕草?全部?え、え、えぇぇぇ?!
必死に整理しようとしても、なにもまとまらない。
あまり沈黙が長いと不自然だが、どう切り返すのが正しいかが分からない。どう答えるのが正解?
衣梨奈は背中に嫌な汗が流れるのを感じる。

「田中さんからも、聞きましたよ」
「な…なにを?」
「いま、亀井さんが…いえ、あなたが言った話と同じことをこの前、田中さんにも質問されました」

331 :正統派 ◆i0GrX5JVL. :2012/03/18(日) 22:45:40.17 0
愛佳の言葉に衣梨奈は息を呑む。
この行動そのものが、愛佳の質問への答えになっている気がしたが、それでもせずにはいられない。
れいなが同じ質問を愛佳にぶつけた。それが持つ意味なんてもう、ひとつしかない。衣梨奈にだって、それくらい分かる。
彼女が何処まで核心をついているかは分からないが、少なくとも疑っているのは事実だ。
そしていま、目の前にいる愛佳も、それは同じだった。
下手をすれば、れいなよりも、真実に近い場所にいるのは彼女かもしれない。
だとするならば、ここでもう、話してしまった方が良いのではないか。

先日にきた、道重さゆみからのメール。「同期で飲みましょう」というあの内容だって、突きつめて考えれば、疑われているから以外の何物でもない。
絵里も少しだけ話していたが、9期の聖や里保、香音たちだって絵里と衣梨奈の変化に気付いていないわけではない。
そうなれば、恐らく里沙だって、なにかしらの疑念は抱いているはずだ。
もうだれもが、絵里と衣梨奈の微妙な関係性に気付いている。
そうなった以上、隠し通すことは出来るのか。誤魔化すことに意味はあるのか。
此処で素直に話してしまった方が良いんじゃないか?

―いきなり行き詰ってんねー、絵里たち

そう、彼女はあの日、そう言った。
その言葉通り、絵里と衣梨奈は行き詰っていた。
自分たちで調べても、元に戻る方法は見つからず、それどころか、日々の仕事に追われ、絵里は衣梨奈として、衣梨奈は絵里として生きる日々が続いている。
その中で、衣梨奈は自分の故郷の言葉、福岡の博多弁を時折失っていることに気付いていた。
それがもし、入れ替わりによる副作用、つまり、魂が肉体へと同化していっている変化だとすれば、もう、戻れないかもしれないという不安も芽生える。
この現状を打破するには、やはり、別の視点、新しい風を入れる必要があるのではないかと考えていた。
当事者のふたりで考えるにはもう限界かもしれない。
だとすれば、ある程度近い場所にいて、それでいて当事者ではない愛佳は充分にその要件を満たしている。

332 :正統派 ◆i0GrX5JVL. :2012/03/18(日) 22:46:37.70 0

―言って、しまおうか……

そうやって衣梨奈の中の衣梨奈が囁く。
話してしまえ。もう良いじゃないか。たぶん愛佳にはもうバレている。
衣梨奈だということには気付いていないかもしれないが、絵里ではないことは明白だ。だったら、隠し通すことは出来ない。
それに、愛佳に問い詰められ、言葉を失ってもう数分経とうとしている。生放送だったらとっくに放送事故レベルだ。
衣梨奈はひとつ、息を吸う。もう誤魔化せないかと自嘲気味に笑った。


―心配、かけたくないんだぁ、みんなには


瞬間、絵里の言葉が頭をよぎった。
いつだったか、この入れ替わりをだれにも話さずにメンバーと接するのはツラくないかと訊ねたときのことだった。
本当の「亀井絵里」としての自分を隠し、「生田衣梨奈」として生きていくのは想像以上に厳しい。
衣梨奈だって、絵里として生き、家族と過ごすのは、騙している気がして、あまり嬉しくはない。
そんなとき、絵里は「しょうがないからさぁ」と笑った。

333 :正統派 ◆i0GrX5JVL. :2012/03/18(日) 22:47:06.95 0

―よく言うじゃん、乗り越えられる壁しか与えないって。かみさまがくれるのは、必要なものなんだよ、自分に

そんなこと言われたって、衣梨奈には納得できなかった。
どう考えたって、理不尽な出来事でしかない。
かみさまの気まぐれとしか思えない事態なのに、絵里は悲観しながらも、膝を折ることはしなかった。

―まー、有難迷惑だけどさ。でもそれで、みんなに心配させたくないから

絵里のメンバーへの想い。
行き詰っていることは承知で、このままで良いわけないことも分かっている。
それでも絵里は、メンバーに迷惑をかけたくないと、衣梨奈に体を返すことを優先し、自分で背負いこんでいる。

その姿は、「自分よりも人のために生きてきたから」と高橋愛が称したとおりだと、衣梨奈は思った。
現役のころの絵里を、衣梨奈はDVDでしか知らないけれど、分かる。
その優しさが、彼女の強さでもあり、痛みでもあるのだと―――

334 :正統派 ◆i0GrX5JVL. :2012/03/18(日) 22:48:04.88 0

「っ……えり、は……」

衣梨奈はカラカラになった喉から音を絞り出すように震わせる。
絵里の想いは確かに感じていた。
自分で背負いこんで歩いていく強さも、人に心配をかけない優しさも、衣梨奈への心遣いも。

それでも、それでも、それだからこそ、衣梨奈はぎゅうと拳を握り締めて、口を開いた。

「亀井さん、では、ないです」

初めて衣梨奈は、自分が亀井絵里という存在ではないことを認めた。
伝えられた愛佳はなにかを言おうと口を開くが、それに被せるようにして、衣梨奈は言葉を繋ぐ。

「でも、いまは、亀井絵里なんです」

そう答える以外に術はなかった。
ここで、自分が生田衣梨奈だと伝えることは、絵里のいままでの努力を無駄にしてしまう気がした。
もしだれかに真実を伝えるのなら、そのときは亀井さんと一緒に伝えたかった。
自分だけの感情や判断で、こんな大きな真実を、だれかに共有してはいけないと思った。

だが、衣梨奈はひとつだけ、愛佳に伝えた。
いま、あなたの目の前にいるのは、亀井さんではないけれども、亀井さんなのだと。
どうか、どうか分かってほしかった。
逃げることはしない。絵里が託してきた想いを踏みにじることもしない。
だから、信じてほしかった。
いつか必ず、真実を伝えられる、その日まで―――

335 :正統派 ◆i0GrX5JVL. :2012/03/18(日) 22:49:04.46 0


「………そうですか」

愛佳は長い沈黙の後、紅茶を飲み干した。
目の前にいる彼女の瞳は、揺れていなかった。
今日此処に来た時よりもずっと輝いていて、なにかを決意したような、そんな瞳になっていた。

問い質すことが正解だったのかもしれない。
彼女の言葉を信じるのならば、もう目の前にいるのは「亀井絵里」ではないことは明らかだった。
それでも彼女は、「いまは、亀井絵里なんです」と必死に伝えた。
言葉の裏には、微かな嘘と真実が入り混じり、ピリッとした切ない痛みを携えている。
それが彼女の信念であり、想いだとするならば、応えたかった。

哀しみも寂しさも、これからの不安もそこには混在している。
それでも、それでも彼女は、傘を手に取った。
雨の降る夜の闇の中、傘を手にし、ドアノブに手をかけて前へ進もうとしていた。

そうだ、最初から彼女たちは、“家”を出る努力をしていたのだ。
雨がやむのを待っていたり、ただ無意味に怖がって出てこなかったわけではない。
外にいるみんなのために、みんなに心配をかけないために、躊躇していただけだったのだ。
それが、亀井さんの昔からの優しさなんやろうし、「彼女」もその優しさに応えたいんやろうなって、愛佳はふと思った。

336 :正統派 ◆i0GrX5JVL. :2012/03/18(日) 22:49:23.55 0

愛佳は立ち上がり、ゆっくりと自室へと歩く。
歩けるようにはなったけど、未だに足の痛みは消えない。
治ると信じ、ゆっくりと療養すると決めた絵里と同じように、愛佳もまた、自分と闘っていこうと決めていた。
逃げないで向きあうことを教えてくれたのは、他ならぬ、亀井さんだったから―――

「幽体離脱の科学的証明はされていませんけど、憑依って概念もあって興味深いです」

ノートを開きながらぽつんと言葉を残した愛佳に衣梨奈は顔を上げた。
片眉を下げて苦笑交じりに言う彼女は、紛れもなく、モーニング娘。8期の先輩だった。

「それはひとつの肉体にふたつの魂が入っている状態なんです。その場合、ひとつの魂は眠ったままの状態なんですけど」

ちらりと見たノートには丁寧な字で愛佳の調べたであろう実績がまとめられている。
幽体離脱・憑依・魂の緒・精神・混線・肉体への拒絶など、難しい言葉が並べられ、衣梨奈は一瞬あっけにとられる。
先ほど愛佳は、れいなからも話を聞いたと言っていた。
れいなになにかを相談されて以降、彼女は自分なりのアプローチをしていたのだと衣梨奈は知る。

「ひとつだけ、教えてもらっても良いですか?」
「え、あ、はい」
「亀井さんは……ちゃんと生きてるんですよね?」

そう言われて衣梨奈は深く頷く。
愛佳はまだ、衣梨奈として生きている絵里に会っていない。
だから、衣梨奈が絵里に憑依したという可能性を捨てきれてはいなかったようだ。
今日、衣梨奈に会ってその可能性を排除した愛佳は、少しほっとしたまま話を続けた。

337 :正統派 ◆i0GrX5JVL. :2012/03/18(日) 22:49:48.19 0
「入れ替わりって話は実は少なからずあるんですけど、おおむね共通しているのは、“肉体への大きな衝撃”ってことだけなんです」

肉体への大きな衝撃。
思い当たるのは、あの階段から落ちた出来事しかない。
やはりふたりの仮説通り、階段から落ちたことにより、魂が肉体から離れたと考えるのが自然かもしれない。

「此処からはもう、私の仮説なんですけど…」
「はい」
「愛佳はかみさまって存在は信じていません。けど、なんらかの力っていうのは信じてます」

愛佳の言葉を噛み砕こうとしたが、衣梨奈は一瞬思考が止まり「ん?」と眉を顰める。
そんな彼女に優しく微笑みかけ、愛佳は言葉を繋げる。

「人の願いとか、想いとか、祈りとか、そういう気持ちの強さは、時に大きな力になって働くこともあるんです」
「気持ちの……強さ?」
「愛佳はかみさまの気まぐれなんて信じません。そうやなくて、もし入れ替わったのなら、そこには意味があるんです。
たとえば…そう、たとえば、亀井さんとあなたの心の中に、無意識のうちに“自分”を離れたいという気持ちがあったとか」

そのふたつの想いがたまたま重なり、結果、階段から落ちたことを契機に、ふたりは入れ替わったのではないかと愛佳は続けた。
その仮説に衣梨奈はいよいよ眉を顰める。
入れ替わりたいと願ったのではなく、「“自分”を離れたい」という気持ちが少なからずあった?
生田衣梨奈として生きてきた14年間。その14年を捨てたいと思ったということだろうか?

338 :正統派 ◆i0GrX5JVL. :2012/03/18(日) 22:50:14.53 0
「もっと簡単なことかもしれません」
「簡単なこと……」
「亀井さんになって、自分の中に起きた変化とか、そういうものがあったら書きだしてみると良いかもしれません。
前の自分と、いまの亀井絵里としての自分。そこにもしかしたらなにか……まあ、ないかもしれませんけど」

愛佳の言葉に衣梨奈はもう一度頷く。
自分の中での変化。
いままで衣梨奈は、博多弁を失ったり、笑い方が絵里に似てきてしまい、同化現象だと負の側面ばかり見て来た。
だが実際は、正の側面もあったのではないか?
亀井絵里として生きることで、生田衣梨奈としては分からなかったことや、知らなかった世界を見ることが出来ている。
そこになんらかの鍵があるのかもしれない。

もし同じことが、絵里にも言えたとすれば……

だとするならば、この入れ替わりは、かみさまの気まぐれではなく、絵里と衣梨奈のささやかな心の願いの反映なのだろうか。


「仮説です、すべては。あんまり考えすぎんで下さい」

愛佳の言葉に衣梨奈はふと我にかえった。
心配そうに瞳を見つめる彼女に、衣梨奈は優しく笑いかける。

「だいじょうぶです。自分でも、もう少し考えてみます」
「はい。なにかありましたら、力になりますから」

愛佳の言葉を受け、衣梨奈は深く頷いた。
もう少し、考える必要がある。
自分自身について、もっと深く、ちゃんと向き合おう。
きっとそこに、なにかあるはずだから―――

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