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マーサー王物語第3章

459 :俺も書きたくなったから書く:2007/09/04(火) 21:19:25.17 O
「くそっ!盗賊だ」
「何としてでもお嬢様だけはお守りしろ!」
山間の夜道、貴族と思わしき馬車が盗賊に襲われていた。
あっという間に護衛の者たちは制圧され地に這い呻き声をあげている。
やがて盗賊のボスと思わしき強面の男が現われ高笑いをあげながら馬車に付けられている紋章を確認しながら叫んだ。
「まさかこうも上手くいくとはな!」
馬車の中ではひとりの少女がナイフを手に持ち場の状況を見極めんと努めて冷静に息を潜めていた。
しかし絶対絶命の状況、覚悟などそう簡単に決められる訳が無い。
小刻みに震える体を叱咤しながら少女はひたすら感覚を研ぎ澄ませていた。
その瞬間、その刹那。
外から怒号が飛び交った。
「なんだてめぇ!」
「ぐわーっ!」
それまで下卑た笑いをあげていた盗賊たちが一転、戦闘を開始している。
怒号だった叫び声もやがて悲鳴に変わりひとり又ひとりと盗賊たちは倒れていく。
その様子を少女は馬車の隙間からじっと見つめていた。
月明かりに照らされて華麗に戦うその様はまるで雪が舞う様にただしんしんと続くのみ。
そうして最後のひとり盗賊のボスを無力化した戦士は星を見上げて呟いた。
「とても静かだ…」

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0ch BBS 2005-12-31