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もしあいぼんがまろやかなロマネコンティだったら２

1 ：名無し募集中。。。：2005/08/11(木) 18:39:15 0
前スレ
http://soreni.ddo.jp/souko/mirror/log/morningcoffee1092699152.html

182 ：名無し募集中。。。：2005/08/18(木) 23:17:32 0
日　凸　 ▽　∇　Ⅱ
≡≡≡≡≡≡≡　 ＠ハ＠
　Ⅱ　∩　［］ ％ Σ（　‘д‘） ﾊｯ
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183 ：名無し募集中。。。：2005/08/18(木) 23:22:16 0
ミルクロマン

184 ：名無し募集中。。。：2005/08/19(金) 00:35:03 0
キープ

185 ：名無し募集中。。。：2005/08/19(金) 02:27:04 0
日　凸　 ▽　∇　Ⅱ
≡≡≡≡≡≡≡　 ＠ハ＠
　Ⅱ　∩　［］ ％ 曰（　-д-） ｚｚｚ…
＿＿＿＿＿＿＿＿_|つ∽）_

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186 ：名無し募集中。。。：2005/08/19(金) 05:16:43 0
キープ

187 ：名無し募集中。。。：2005/08/19(金) 10:11:50 0
キープ

188 ：名無し募集中。。。：2005/08/19(金) 13:35:59 0
熟成中

189 ：名無し募集中。。。：2005/08/19(金) 16:18:21 0
熟成中

190 ：名無し募集中。。。：2005/08/19(金) 17:26:33 0
キープ

191 ：くりおくん ◆OHFvv7orCI ：2005/08/19(金) 19:14:48 O
コマネ

192 ：名無し募集中。。。：2005/08/19(金) 20:27:29 0
熟成中

193 ：名無し募集中。。。：2005/08/19(金) 22:07:07 0
熟成中

194 ：名無し募集中。。。：2005/08/19(金) 22:47:10 0

半ば押し込まれるようにして乗り込んだ車の中は
長時間蒸し暑い室内にいたせいで火照っている体を程よい冷気で冷ましていく。
手首に巻かれた鎖がチャリ、と音を立てる。
俺の住んでいたチンケな日常とこれから歩むであろう犯罪者としての日常を隔てる
あまりに小さな、だが重厚な音だった。

「自分のしたことは分かっているな」

俺を押し込んだ刑事が左隣に座りながら言う。
剣を含んだ居丈高な言い方が気に障ったが言い返す事などできない。
俺は惨めな負け犬のチンケな犯罪者で彼は正義の公僕。何を言えというのだ。

「おい、出してくれ」

動き出した車の振動を感じながら酷い脱力感とこれから待ち受けるであろう苦痛と
将来への不安が襲う。くそ、こんなはずじゃなかったのに。

195 ：名無し募集中。。。：2005/08/19(金) 22:48:06 0

『なぁ、俺たちに親はないがこうして一緒に酒を飲む仲間がいる。何かあったら俺を頼れ。
親のようにはできないかもしれん。が、こうして酒くらい奢ってやる』

俺が二十歳になるかならないか、親のない子ばかりを集めた小さな施設の、
わずかに三つ四つばかり年上のそいつが兄貴風を吹かせて奢ってくれた酒の味。
喧嘩で切った口の中に広がる甘みと痛みに誓ったはずの俺の決意は
一体どこで狂っちまったんだろう。

「久しぶりだな・・・」
ずっと車の中にいた右隣の男が不意に呟いた。

街灯の少ない田舎道を進む車の中はぼんやりと薄暗く顔は見えない。
だが聞き間違えるはずがなかった。

「あんたは・・・」
「憶えてたか」

驚愕する俺に郷愁とも同情とも取れるような声が返ってくる。

こんな恥辱が待っているとは俺の人生はなんてツイてないことばかりなんだろう。

196 ：名無し募集中。。。：2005/08/19(金) 22:49:07 0

「・・・ずいぶんな出世じゃないか、ええ？
一緒になって酒とケンカに明け暮れててよくお勉強ができたもんだ」

やめろ。
こんな惨めな姿を見られた上に牙のない歯で噛み付いてどうしようって言うんだ。
そう思うが俺の卑屈な当てこすりは留まることを知らない。
関を切ったように喚き散らした。

「ちきしょう、あんたがこんなに出世してるんなら
さっさとタカリにいっときゃよかったな」

「ああ、俺もお前が来るのを待っていた」
ヤツは昔のような静かな声で言った。

「俺を頼らないって事はそれなりに上手くやってるんだとばかり思っていたんだがな。
・・・なぜ来なかった？」

行こうと思った。だがいけるはずがなかった。
颯爽とカッコよく前へ進むあんたに
惨めにもがいて日々の生活に足掻く自分の姿を見せたくなかった。
そんな足掻きを繰り返して、小さな失敗を積み重ねて、
取り返しのつかないところまで来た頃にはもう会うに会えなくなっていた。

197 ：名無し募集中。。。：2005/08/19(金) 22:49:58 0

「俺は・・・馬鹿なんだ」
決して泣くまいと思った。
せめて男の意地としてみっともなく泣く事はすまいと。

「ああ、お前は馬鹿だ」
ぽん、というには力強い重さで俺の頭の上にヤツの手が乗せられる。

「だが、どんな馬鹿でも俺の弟分だ。血より濃い『あいぼん』で杯を酌み交わした弟だ」

ああ、あの日呑んだ酒の名前は「あいぼん」だったか。

不意に色んな事が思い出されて、俺は歯を食いしばった。

「・・・良い事なんて何もなかった」

親に捨てられ、大人に疎まれ、社会に疎外され、信じる者は皆去っていった。
たった一人、親とも兄とも同志とも思っていたヤツの前ではこんなにも情けない姿を曝して。

198 ：名無し募集中。。。：2005/08/19(金) 22:51:22 0

「大丈夫だ」
こみ上げてくる怒りや恨みを宥めるように静かなヤツの声が届く。

「何もないなんて事はない。俺が居るじゃないか。『あいぼん』があるじゃないか」
静かな車内でヤツの穏やかな声だけが存在する唯一つの音だった。

「良い事なんてこれから作っていけばいいんだ。人生に遅すぎるなんて事はない」
乗せられた手の重みが心地よくて、厚い掌の温もりが気持ちよくて涙が滲む。

決して泣くまいと思った。
人の優しさに溺れるなんて弱い人間のする事だと思っていた。
少なくとも俺の住んでいた世界ではそうだった。

だが小さい子にするようにくしゃくしゃと俺の髪をかき回す手が、
分厚くゴツイ暖かな掌が心強くて懐かしくて、優しく心の中に沁み込んでくる。

あの日呑んだ『あいぼん』のように。

「ムショを出たら会いに来い。そん時ゃ二人で飲もうじゃないか。ええ？おい」

親しげにかけられた声は遠いあの日々を思い出させる。
街へと向う車の中で俺は声をあげて泣いた。
俺には頼れる仲間がいて『あいぼん』がある
それが嬉しくて馬鹿みたいに泣いた。

誰かがスイッチを入れたカーラジオから懐かしい歌が聞こえた。
街はもうすぐそこだった。


199 ：名無し募集中。。。：2005/08/19(金) 23:10:41 0
泣いた



…こんな弱いオレでもキープしていいかい？

200 ：名無し募集中。。。：2005/08/19(金) 23:15:31 0
このワインを飲んだ人は皆平等に等しくあいぼんの優しさに包まれる権利を得る
キープ

201 ：名無し募集中。。。：2005/08/19(金) 23:23:30 0
日　凸　 ▽　∇　Ⅱ
≡≡≡≡≡≡≡　 ＠ハ＠
　Ⅱ　∩　［］ ％ 曰（　TдT） …
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202 ：名無し募集中。。。：2005/08/20(土) 00:01:17 0
年かな、涙もろくなりやがった・・・

203 ：名無し募集中。。。：2005/08/20(土) 01:25:41 0
キープ

204 ：名無し募集中。。。：2005/08/20(土) 02:08:07 0
キープ

205 ：名無し募集中。。。：2005/08/20(土) 04:11:10 0
キープ

206 ：名無し募集中。。。：2005/08/20(土) 05:32:10 0
キープ

207 ：名無し募集中。。。：2005/08/20(土) 06:43:02 0
キープさせてもらうよ

208 ：名無し募集中。。。：2005/08/20(土) 10:08:09 0
キープします

209 ：名無し募集中。。。：2005/08/20(土) 13:17:17 O
店員の俺もキープ

210 ：名無し募集中。。。：2005/08/20(土) 13:22:26 0
ちょ、この名スレ復活してるｗｗ
元スレの>>1はなんか「田崎真也に御用心」とか書いてあったのに

211 ：名無し募集中。。。：2005/08/20(土) 14:38:52 0
田崎ってソムリエのハゲた人か

212 ：名無し募集中。。。：2005/08/20(土) 15:38:18 0
ハゲたソムリエの人かもしれん

213 ：名無し募集中。。。：2005/08/20(土) 18:02:06 0
キープ

214 ：名無し募集中。。。：2005/08/20(土) 19:23:56 0
熟成

215 ：名無し募集中。。。：2005/08/20(土) 21:38:01 0
キープ

216 ：名無し募集中。。。：2005/08/20(土) 22:40:20 0
>>210
思い出してﾜﾛﾀ

217 ：名無し募集中。。。：2005/08/20(土) 22:44:50 0

「お、なんだ夏祭りか」
汗に濡れたネクタイを外しながらリビングへ入ると
涼しげな紺色の浴衣に身を包んだ娘に思わず相好を崩す。
親の贔屓目無しでも若々しい娘の晴れ姿は結構なものだった。

「そう、サークルの皆で川原で花火みるの」
手慣れた様で髪を上げる仕草も
後れ毛のかかるうなじもいつの間にか随分色っぽくなった。

「女の子だけでか？」
「・・・うん、まぁ」
俺に似てウソが下手な所が嬉しいやら悲しいやら。

「あんまり遅くなるんじゃないぞ。そうだな、遅くとも10時までには帰ってきなさい」
俺としては行って欲しくないのが本音だがまさかそんなこと言えない。

「は？やだよ花火終わったあとで夜店回ったりするんだから・・・
いいよ遅くなったら友達のトコ泊まるし」

「ダメだ！外泊なんて絶対許さん！いいかどんなに遅くなっても絶対に帰って来い。
いいか？帰ってくるまで起きてるからなっ！」

だが親の心子知らず。俺の発言は娘の逆鱗に一気に触れたらしい。

218 ：名無し募集中。。。：2005/08/20(土) 22:45:57 0

お父さんは娘が信用できないのか、とか今時門限なんてありえないとか
自分にも付き合いというものがあるのだ、とか
とにかく生意気に反論してくる娘に大人気なく怒鳴り返して
近年稀に見る大喧嘩になってしまった。

「いいか絶対帰ってくるんだぞ！」
ドタドタと音荒く玄関へ向う娘にかけた声の返事は
部屋中が震えるほど強く閉められたドアの音だった。

「随分派手に喧嘩したじゃない」
さすがにやりすぎたかと凹んでいる俺の前に
あいぼんを注いだグラスを差し出しながら妻がからかう。
「警戒心ってもんがないんだよあいつは」
男を誘う、とまでは言わないが
つまらない輩が声をかけてくるような場所に
あんな格好で出かけていって挙句遅くなったら泊まればいいなんて・・・
普段穏やかな男が豹変するかもしれないなんて事をまるっきり考えていない。
その無防備さと無知さが心配させると同時に少しばかり羨ましい。


219 ：名無し募集中。。。：2005/08/20(土) 22:47:13 0

「お前だって心配だろう？悪い虫がついたらどうするんだ」
余裕綽々といった感じの妻を恨めしく睨む。

「花火大会で口説かれた身としては引き止めるのも悪いかな、と思って」
イタズラっぽく笑いかける妻に呑みかけのあいぼんに少しむせる。

「いいじゃないの。この機会に素敵な出会いがあるかもしれないし・・・
私が、あなたと出会ったみたいに。」
チン、とグラスを鳴らすと嬉しそうに妻はあいぼんを口に含んだ。

「世の中、俺みたいにいい男ばかりじゃないだろう」
ふて腐れたような俺の反論は妻の笑い声にかき消された。

どうということも無い会話を交わしつつグラスを重ねていると不意に物音がした。
時間は１１時を少し過ぎたところ。ふふ、と妻が笑い席を立った。

「ただいま・・・」
リビングに入ってきたのはまだ少しふて腐れた顔をした娘。
「・・・おかえり」
少し気まずい空気が流れたがお互い何も言わなかった。
俺の心配と娘の意地と、俺の責任と娘の自立がぶつかって出た結果がこれ。

門限過ぎの娘の帰宅。

お互いに怒っているんだぞ、というオーラを発しながら謝るタイミングを探している。

220 ：名無し募集中。。。：2005/08/20(土) 22:52:02 0

「おかえりなさい。暑かったでしょう？」
ここぞというタイミングで妻が顔を出す。もう一つグラスを手にしながら。

「丁度良かった、お父さんだけじゃ話が弾まないから。・・・一杯だけならいいわよね？」
娘の家での飲酒を良しとしない俺に有無を言わせないような笑顔で同意を求める。
「ああ、一杯だけな」

まだまだぎこちない表情で娘がテーブルに近づく。

「これ、お土産」
ガサガサと白いビニール袋の中には少し冷めたたこ焼き。

「花火、楽しかったか？」
「うん」
「さあさ、たこ焼きで乾杯しましょうか」

3人のグラスに注がれたあいぼんの甘やかな香りと香ばしいたこ焼きの匂い。
「よし、食うか。美味そうだな」
「うん、ちょっと冷めてるけど」
「･･･怒鳴って悪かったな」
「ううん、あたしも少し言いすぎた」
「二人とももういい？たこ焼きがますます冷めちゃうじゃない。はい、乾杯」
妻の朗らかな声がリビングの空気をふっと軽くする。

カチン、カチン、とグラスのぶつかる軽やかな音が
俺と娘の喧嘩の終結を告げた。

221 ：名無し募集中。。。：2005/08/20(土) 23:21:02 0
なぜか父親の顔が高嶋政伸にコンバートされるorz

キープ

222 ：名無し募集中。。。：2005/08/21(日) 00:32:51 0
日　凸　 ▽　∇　Ⅱ
≡≡≡≡≡≡≡　　 ＠ハ＠
　Ⅱ　∩　［］ ％ 曰.　（‘д‘ ） ＜そんなお客様にあいぼんでございます
＿＿＿＿＿＿ ∀＿⊂∽＿）＿
　:　　　　　　　　⊥ ｺﾄ
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￣　┻ ￣￣￣┻￣

223 ：名無し募集中。。。：2005/08/21(日) 01:51:21 0
マスター、頂くよ


224 ：名無し募集中。。。：2005/08/21(日) 01:51:24 0
キープ

225 ：名無し募集中。。。：2005/08/21(日) 02:47:00 0
>>217-220
俺もいつか娘とあいぼんを酌み交わす日が来るのかな・・・

226 ：名無し募集中。。。：2005/08/21(日) 05:10:17 0
熟成中

227 ：名無し募集中。。。：2005/08/21(日) 09:11:29 0
熟成中

228 ：名無し募集中。。。：2005/08/21(日) 10:09:51 0
>>198-194
今までにない感じでよかったです

キープしますね

229 ：名無し募集中。。。：2005/08/21(日) 12:30:56 0
熟成中

230 ：名無し募集中。。。：2005/08/21(日) 14:24:11 0
熟成中

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