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岡井千聖主演のテレビドラマにありがちなこと

121 :名無し募集中。。。:2013/08/13(火) NY:AN:NY.AN O
「さてと…穴から出ようか、砂場に集まる時間だ」
千聖は舞にうながされて9号房を出た。
砂場とは房前の広いフロアのことだった。
ぞろぞろと2階からもしょぼくれた囚人たちが下りて来る。
「ほら、さっさと並べ。点呼の時間だ」
ひときわ大柄な女が雑然とした囚人たちをこづきながら整列させてくる。

「並びなチビ」大柄女が千聖の横に並ぶ舞の鼻をこづいて行った。
「須藤だよ」舞が大柄女のことを千聖にそう教えた。
そしてもう一言、「人殺しさ」とつけ加えた。
「うるせえぞ萩原!」聞こえたらしく須藤が振り向いてにらみをきかした。

「さあ並べ、モタモタするな」
細身でゴボウのような女が向かい合って並ぶ反対側の囚人たちを整列させてくる。
「あれは徳永」ふたりの話し声に気づき、ジロッとにらみつける。
「ふたりはこの監舎の房長だよ。ボスだからみんなに作業を割り当てる」
「……」
「新入りはまず便所掃除から」
と、舞が千聖を肘でこづいた。
右隣に並んだ囚人がニヤッと千聖を笑った。
今までその係だったやつかもしれない。

「全員集まりました!」須藤が2階の檻にいる監督官に声を張り上げた。
「遅いぞ、5分もかかったぞ!」
監舎に監督官の太い声がこだました。

122 :名無し募集中。。。:2013/08/13(火) NY:AN:NY.AN O
食事の時間。それぞれお盆を手にして配膳に並ぶ。
「どきな」あとからやってきて須藤が列に割り込む。
奥の方で囚人たちを見張りながら食事を取っている監督官らは須藤に注意もしない。

自分のテーブルに須藤が当然やって来ると思っていた徳永は
千聖と舞の前に食事を置いた須藤を見てスプーンを口元で止めた。

同じように千聖と舞がふたりの前に座った須藤を見て手を止めた。
嘲るような笑みを浮かべて須藤が千聖の顔をのぞきこむ。
「……」千聖は無視して食事を再開した。
「ツラの傷は?」
「……」
「答えろ!」須藤が怒鳴った。
監督官らが千聖と須藤のテーブルに振り返った。
あたりのざわめきが須藤の怒鳴り声にほんのちょっとの間静まったが、すぐにもとに戻った。

「答えろといったんだぜ」
「関係ないだろ」
「質問に答えろよ」執拗に訊いてくる。
「ヒゲ剃りの傷だよ…」
千聖にあしらわれて、須藤の顔がひきつる。
横で舞がクスリと微笑む。

123 :名無し募集中。。。:2013/08/13(火) NY:AN:NY.AN O
「よくアタマに叩き込めよ新入り。ここは、あたしとあいつが支配してる」
いいながら須藤が千聖の後ろを指さした。
後ろに徳永の顔があった。目を光らせている。
「フン…」千聖はうんざりした顔で前を向いた。

須藤が鼻くそをほじくった。
指で丸めた鼻くそを千聖の食事になすりつける。
そしてご丁寧にパラパラとまぶし始めた。

「塩味を追加してやるよ。おいしくいただきな」
「……」
舞がオエッと声をあげながら顔をそむけた。


饐えた匂いがする便所の床を千聖はやっと拭き終えた。
バケツでモップを絞っているところへ須藤と徳永が仲良くやって来た。
「よく掃除したか新入り」
「あん?もっと掃除したそうな顔だな」
バッシャーンッ!バケツを徳永が蹴っ飛ばした。水浸しになる。

「念入りに拭きな」「時間はたっぷりあるぜ」
徳永がペッと床に唾を吐いていく。須藤が鼻先でせせら笑った。

千聖はモップでブン殴りつけたい気持ちをグッとこらえた。
問題を起こせば、外に出られる日が遠くなる。

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0ch BBS 2005-12-31