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【管理人指数】ベリーズ家に下宿することになった 5号室【上昇中】

242 :名無し募集中。。。:2010/12/12(日) 23:07:15.65 O
第六回つづき

佐紀と千奈美の目に映った屋根裏部屋はピンク色に覆われていた。

部屋を埋め尽くすピンクのカーペット ピンクのカーテン ピンクのベッドカバー等々…。

ピンクの照明…はなかったがピンク一色に飾られた屋根裏部屋にいつの間にか設置されていたベッドには、当然の事ながらこの人物が眠っていたのだった。

「「桃!」」

「ムニャ…?せっかくいい気持ちで寝てたのに起こしちゃやぁですよぉ〜」

「この部屋は何デスか!ちょっと前まで普通に物置だったのに!」

「帰るのが面倒な時にお泊まりしてるだけだよぉ…ムニャ…」

「ハア?わけわかんない!!」

再び眠ろうとする桃子に千奈美がおそいかかる。

「チョビンを返せ――!!」



243 :名無し募集中。。。:2010/12/12(日) 23:08:43.22 O

あっという間に桃子は布団です巻きにされてしまった。上に乗った千奈美が枕で桃子の頭を押さえつける。

「ぐ、ぐるぢい…」

眠気が飛んで苦しむ桃子。心配した佐紀が千奈美に声をかける。

「千奈美やりすぎデス!桃が犯人と決まったわけでもないでしょ?」

千奈美がしぶしぶ桃子を解放し、す巻きから脱出した桃子が話し出す。

「いたたた…チョビンってなんなの佐紀ちゃん?」

「千奈美の大切なぬいぐるみだって」


今までのいきさつを話す2人に桃子は微笑む。

「ここには昨日から誰も来てないよぉ〜 気が済むまで捜してみて♪」



244 :名無し募集中。。。:2010/12/12(日) 23:10:20.13 O
桃子に言われるまま捜索を始めた2人だが、佐紀は納得がいってないようだ。

「ちゃんと自分の家があるでしょ…屋根裏部屋を勝手に改装したりして…!」

「使ってないんだからいいじゃん♪それにたまに!本当にたまになんだからあ〜」

「くっつかないの!ダメなものはダメデス!」

「うぅ…もぉの上目づかいのおねだりが効かないなんて…こうなったら…」

「2人掛かりです巻きにして欲しいの?」

佐紀の怖い言葉にさすがの桃子も大人しくなる。

ピンク色に目がチカチカしながらも部屋の捜索は終了し、残るは部屋の隅に鎮座する大きなタンスのみとなった。

「佐紀ちゃんあれも一応、ね?」



245 :名無し募集中。。。:2010/12/12(日) 23:12:30.76 O
「マスクとかマントとかしか入ってないデスけどね…」

「佐紀ちゃんのマントはもぉが借りてた♪」

桃子が布団の中から黄色のマントを取り出す。

「何してるの桃!!!」

「佐紀ちゃんの匂いがするんだもん さみしい時にぎゅ〜ってしてたんだ♪」

「大切な装備を何だと思ってるんデスか!す巻きにしますよ!」

「ごめんなさい!…それから千奈美のマントはあっちね♪」

桃子が指差した先には窓があった。

「私のマントがカーテンになってる―!?」

「カーテンを買うお金がなくて…丁度いいかな〜って」

「…千奈美 やっちゃいマスよ!」
「ケーオツ!」

「いやぁ〜!助けて!ぐるぢぃ〜!」

またも不発に終わった部屋の捜索…もうベリーズ荘内にはチョビンの隠せる場所はないのだ。

しかしその時す巻きにされ髪の毛を掴まれながら枕で殴られている桃子が息も絶え絶えに言う。

「ヂョビンのがぐぜぞうな場所にごごろ当たりがあるよ〜!」


246 :名無し募集中。。。:2010/12/12(日) 23:14:13.31 O

数分後、居間に友理奈を含めた住人全員が集められた。

ピンクのパジャマから赤いチェックのワンピースと黒のタートルネックに着替えた桃子が得意げに発言する。

「ベリーズ荘のどこにもチョビンはなかったんでしょ?だったら…

誰かが隠し持ってるに決まってるでしょ〜!さあみんな身体検査するよ!まずは佐紀ちゃん?ハイ バンザイして―!」

隣にいた佐紀の体をまさぐる桃子。佐紀の脇をくすぐり背中側に回ってスカートに手を…

「なあぁぁっっっ!!」

ビクリと反応する佐紀。抗議の声をあげる間もなく佐紀の体は触り尽くされ、桃子は次の住人にその触手…ではなく手を伸ばしていくのだった。


「梨沙子の胸おっきくてうらやまし♪」
「ゆぅん…」

「千奈美はもうちょっとお肉付けた方がいいよ」
「ん!、うるさい…」

「すぅちゃんは相変わらずモフモフしてますね〜」
「が、学生さんの前で…」

「みやは…ちょっと詰めすぎなんじゃない?」
「どんだけバカにしてんの!?」

「くまいちょーは…ええと ちょっとしゃがんでくれないと手が届かない あ〜んビキビキしないの!」


247 :名無し募集中。。。:2010/12/12(日) 23:19:00.02 O

学生を最後に身体検査は終了した。住人たちはぐったり、学生は前かがみであった。

「あれぇ?誰も持ってない…」

「みんな我慢したのに全然ダメじゃないデスか…!」

「ご、ごめん…」


桃子がしょんぼりしてしまい一同が途方に暮れる中、ついにあの人物が立ち上がった。

もちろん名探偵 金田千奈美(きんだせん なみ)である。

彼女は得意げに一同を見回すと口を開いた。

「謎はすべて解けた…!」

とたんにざわつく一同。

「今度は誰が犯人だって言うの?ちい?」
「始めは私が犯人扱いされまシタ…」

金田千には信用があまりないようだ。

「ふっふっふ 今度は間違いない! 犯人は……チミだ!!」

そう言って千奈美が指差した先にいたのは…なんと熊井友理奈その人だった!


第六回 了

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