スレ大杉なんで2chブラウザ推奨

これ参考にがんばって!!1 → 板追加手順

■掲示板に戻る■ 全部 1- 101- 201- 301- 401- 501- 601- 701- 801- 901- 最新50


レス数が1000を超えています。残念ながら全部は表示しません。
川*^A^)ノ<道重さん可愛いデス 8さゆみん

551 :名無し募集中。。。:2010/10/16(土) 21:54:00.81 0
最初はタイミングが悪いんだ、と思ってた。
だけど、こう何度も何日も続くとさすがにお互いの相性の悪さを疑ってしまう。

……まあ、もともとそんなにいいほうではないっていう自覚もあるけど。

なかなか二人きりになれるチャンスがないのはいつものことだけれど、
もう一体どれくらい、あの肌に触れてないんだろう、あの人に触れてもらってないんだろうって考えて、
今現在、最後になっている二人きりの夜からの日数を指折り数えて我に返る。

今の自分の思考を反芻して顔に熱が集まる。
きっと真っ赤になっている顔を、私は慌てて両手で覆った。

いつのまに、こんなにイヤラシイことを考えるようになっちゃったんだろう。

素肌で触れる他人の体温があんなにも心地良いものだと知ってから、
私はどんどん、イヤラシイ人間になってる気がする。
それもこれも、みんなあの人のせいだ。
可愛くて意地悪で毒舌で、そのくせ素直でちょっと頼りなくて、なのに二人きりになったら、とてもとても優しい人。
私といるときは、みんなといるときとは違った甘い声色で愛の言葉を告げる人。

思い浮かべる、ということをしなくても簡単に思い起こせる声と瞼の裏に蘇る顔。
それに呼ばれる錯覚でまたハッとする。

552 :名無し募集中。。。:2010/10/16(土) 21:54:58.34 0
だめだ。
一緒にいなさすぎて、ちょっとしたきっかけでも逆に余計にあの人のことばかり考えてしまう。

今日はもう仕事も終わったし、さっさと帰ってしまおう。
そういえばお気に入りのあの店は今日から新メニューが始まるはずだ。
美味しいご飯を食べたらきっと変な気分も吹っ飛ぶ。

と、思っていたのに。
楽屋のドアを開けたそこには、一瞬前まで私の思考を支配してた道重さん自身がいて。

その目が私を認めて、少し困った顔をした。

「お疲れ、リンリン」
「おつ、かれさま、です…」

もう何度も言い続けている言葉なのに、みっともなく噛んでしまった。

いきなり二人きりになってドキドキする。
ずっとこうやって二人になりたいって思ってたのに、
いざ本人が目の前にいるってなったらどうしていいかわからなくなった。

一瞬でも困った顔をしたのを見逃さなかった自分を褒めたいような、罵りたいような奇妙な気分になって、
道重さんの顔をまともに見ることもできなくて、どうしていいかもわからなくなって、
別に急いでなんてないのに、慌てたふりで自分の荷物をまとめて帰り支度なんかしたりして。

553 :名無し募集中。。。:2010/10/16(土) 21:57:00.30 0
「…帰るの?」
「ハイ…」
「なんで? 久しぶりに二人きりになれたのに」

言葉にされて、カッと全身が熱をもったみたいになる。

道重さんもそんなふうに思ってくれてた、たったそれだけのことがこんなに嬉しいなんて。

「リンリン?」

呼びかけてくる声はいつもの甘ったるい声。
それだけで胸がギュッてなる。
いますぐ、抱きついてしまいたい。

…いつのまに、こんなに、好きになっちゃったんだろ…。

頭ではそう思うのに、身体のほうはなぜだか石みたいに動けなくなって、
私は道重さんに背中を向けたまま、呼びかけに応える返事すらできない。

「…リンリン? どうかした?」
「なんでも、ないです」

答える声が掠れる。
みっともない。情けない。カッコ悪い。逃げ出したい。

振り返る勇気が何故か出ない。

554 :名無し募集中。。。:2010/10/16(土) 21:58:04.50 0
振り向かない私の雰囲気から何かを察したのか、背後で人の動く気配がした。
咄嗟に振り向いたら立ちあがっている道重さんと目が合って、気づいた彼女が小さく笑う。

でも、その次の瞬間、不意に表情を歪めてそのまましゃがみこんでしまった。

「えっ、道重さん?」

しゃがむと同時に、先日捻挫してしまった左足を押さえたのを見て血の気が引く。

「ちょ、だ、大丈夫ですかっ」

慌ててかけよって彼女の前で床に手をつき、押さえている足に手を伸ばそうとして、その手をそっと掴まれた。

「え…」

なに、と思うより早く、私は彼女の腕に抱きしめられていて。

「えっ、ちょ、道重さん?」
「つかまえた」
「!」

ぽつ、と嬉しげに言われた言葉が、捻挫の痛みは嘘だと教える。

「ひどい、心配したのに!」
「ごめん」

言いながらも、抱きしめる腕のチカラを弱める気はないみたいで。

「だってリンリン、こっち向いてくれないし。でもさゆみ、リンリンともっとお話したいし」

確認するみたいに、彼女の手のひらが私の腕を撫でる。
彼女に触れられている、というだけで、特に激しい何かをされたわけでもないのに身体が熱くなっていく。

555 :名無し募集中。。。:2010/10/16(土) 21:59:43.15 0
「…ずるい」

思わず漏れてしまった声に、道重さんは堪え切れないみたいに吹き出す。

「可愛い言い方しちゃって」
「だって…道重さん、ずるい」

こうされただけで今まで二人きりになれなかった時間が遠くに飛んでいくみたい。

そんなふうに思わせてしまうんだから。

「…淋しかった?」
「ハイ…」
「さゆみも」

答えると同時に、ぎゅって、また強く抱きしめてくれる。

「すごくすごく、リンリンと、こうしたかった」

甘ったるい声が耳に届いて、嘘をつかれたことへの怒りがもっと触れたい欲求に変わる。
応えるかわりに、私からも彼女の背中に手をまわして、力強く抱き返した。

「…そんなの、リンリンのほうが、もっともっと、ですから」





おわり

177KB
掲示板に戻る 全部 前100 次100 最新50

0ch BBS 2005-12-31