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川*^A^)ノ<道重さん可愛いデス 8さゆみん
52 :
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:2010/09/27(月) 21:28:45.79 0
ライブが終わり、あたしたちはマイクロバスで東京に戻る。
近くて遠いそこからの帰京は、事前に想像してたよりも時間がかかって。
途中、サービスエリアで休憩を挟むことになった。
みんな眠い目を擦ってバスを降りる。
「絵里? 降りないの〜?」
あたしは隣の席の絵里に声をかけた。
絵里は、安眠グッズフル装備で爆睡していた。
外に出て体を伸ばすことよりも睡眠のほうが大事らしい。
声をかけても起きてくる気配はなかった。
「ありゃ、絵里もか」
どうしようかと迷っていたら、あたしの後ろから愛ちゃんが顔を出した。
“も”ってことは……?
「リンリンもだよ。声かけても全然起きないの」
今日の愛ちゃんの隣はリンリンだった。
背伸びして愛ちゃんの座ってたほうを見ると、確かにリンリンも絵里と同じようにぐっすりと眠りこんでいる。
安眠グッズに埋もれてる絵里とは違って、リンリンはマスクと毛布だけで姿勢よく寝てたけど。
53 :
転載
:2010/09/27(月) 21:29:08.11 0
寝かしといてやろっか。二人とも疲れてんだろうし」
色々と、と付け加えて、愛ちゃんは少し寂しそうに笑った。
その意味がわかってあたしの目頭も熱くなる。
この二人とジュンジュンは、一瞬だって気を抜かないように頑張ってるんだ。
愛ちゃんが先に降りて、あたしもバスのステップに足をかける。
マネージャーも運転手さんも既に外に出てるから、今バスの中にいるのは、あたしと爆睡中の二人だけ。
それに気付いたら、外に出る気なんてどこかに吹っ飛んでしまった。
バスの通路を引き返して、自分の席にも目をくれず、あたしは愛ちゃんの席に座った。
隣には、相変わらず眠りこけたままのリンリン。
あたしはあと何度この寝顔を見られるんだろう。
その回数はきっと、限られている。
54 :
転載
:2010/09/27(月) 21:29:40.89 0
「……ほんとはさ、いつか言おうと思ってたんだよ?」
君のことが好きだよ、って。
「でも……困らせちゃうもんね」
もう、簡単には会えなくなるのに。
「でも………だから、これくらい…許してくれるよね……?」
そっと、リンリンが背を預けている座席のシートに手をかける。
二人の顔が近付いた。
そして、重ねた。
気持ちも、温もりも、何も伝わらないマスク越しのキス。
気付いてほしい。
気付かないでほしい。
矛盾した二つの気持ちは、どっちも本物だった。
どうしようもなくなって、すぐにバスから降りた。
夏が終わったばかりのはずなのに、夜風が冬みたいに冷たい。
「……冬なんて、来なくていいのに」
呟きを聞いた人はいなかった。
あたしの隣には、誰もいないから。
以上
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