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ベリーズ荘に下宿することになった
424 :
名無し募集中。。。
:2010/09/08(水) 00:28:33.64 0
>>386
からのつづき
「ふぃー、つかれたねぇー」
店を出ると、戦いを終えたキャプテンの目が管理人さんのそれに戻る
手元にはパンパンに膨らんだ大型のスーパー袋が2つ
あの人数だから、買い物の量が多くなるのは仕方がない
……管理人さんは毎日大変だ
「さあ、帰ろう!」
いつもの可愛らしい口調になり、テクテクと自転車の元へ
……あれ? どうしよう 2人乗りだと、大きな袋2つは載せられない
前のカゴに一つ 後ろに一つくくりつけて…、だと人が載れない
では後ろの管理人さんが一つ抱えて…、袋が大きいので非常に不安定
じゃあ前のハンドルに一つづつ…、袋の重さが重さなのでやはり非常に危険
取り急ぎ人手が要ると踏んで自分を誘った管理人さんも、
そこまで頭が回らなかったようだ ……うーむ゛
425 :
名無し募集中。。。
:2010/09/08(水) 00:29:38.91 0
「しょうがない、ゆっくり歩いて帰ろうよ」
あれこれ思案したものの、結局そう提案する管理人さん
あ、ちょっと待ってください 僕が荷物だけ持ってひとっ走り行って来ます
その間、そこの公園のベンチにでも座っててくださいよ また迎えに来ますから
なるべく早く冷蔵庫に入れたいモノもあるし、
総合的に考えてその方が早そうだ そう結論が付いた
「ごめんね、何往復も…」
申し訳なさそうに謝る管理人さんを残し、いざバイク便業務へ
426 :
名無し募集中。。。
:2010/09/08(水) 00:31:31.50 0
往復の道中考えるのは、管理人さんの仕事のこと
買い物だけで、こんな、なのだ 他にも料理、掃除、洗濯、、、、、ほんとうに大変だ
洗濯といえば、こんなコトもあった 自分の下着の件だ――
さすがに下着は任せにくいと、下宿に来た当初はこっそり近くのコインランドリーへ
でもある日、部屋のドア開けるなり 「パンツ出して」 と一言
「実家じゃ、お父さんのもお兄ちゃんのも洗った事あるんだから」
「ずーっとそんな事してられないでしょ、遠慮しちゃダメ!」
はっきりきっぱり言われ、はいすいませんとしか返せなかった
……でも、家族と他人じゃやっぱり、違うでしょう ポツリとこぼすと
悲しそうな目をしながら 「もうそんな事言わないの!」 と――
それ以降、何事にも遠慮はしないようにしてる なるべく
管理人さんの悲しい目はヤダし
427 :
名無し募集中。。。
:2010/09/08(水) 00:32:40.70 0
なんて事をアレコレ考えながら、荷物を置いて、無事公園へUターン
急いだからそんなに時間も経ってないはず、管理人さんは……?
ああ、居た居た 西日を避けたベンチに座ってる
手を振ってみるけど、反応がない ……ん? 寝ちゃってるみたいだ
自転車を降りてそっと近寄る その表情は……、カ、カワイイ これは反則だ
いつぞや見た梨沙子ちゃんの寝顔にも負けてない
管理人さんなんて呼んでるけど、やっぱり同じ年の女の子 佐紀ちゃんだ
気配に気付いたのか目を覚ます佐紀ちゃん
寝顔を見られた照れ隠しの第一声は 「…やあ、お迎えご苦労!」
こっちもドキドキ感を悟られまいと 「…では、参りましょう!」
「ゴメンネ、疲れたのはそっちなのにネ」
行きと同じく他愛もない会話をしているが、なにか違う
腰に巻かれた管理人さんの手の感触 行きよりもギュッと感が強いのは気のせいか
428 :
名無し募集中。。。
:2010/09/08(水) 00:34:27.25 0
あっという間にベリーズ家へ到着 行きよりも随分早く感じる
ああ、もうちょっと感触を楽しみたかった
管理人さんをポーチに降ろし、自転車を片付ける
振り返ると…… まだ管理人さんがポーチにたたずんでいる
そして、やさしい微笑みで小さく漏らす 「やっぱり男の子だ 頼りになるね」
……あれ? あれれ?
……こ、これは世間一般でいうところの『良い雰囲気』ではあるまいか?
……ど、どうすればいい? 世間一般ではどどどどう反応するのが正解なのだ? …その瞬間!
429 :
名無し募集中。。。
:2010/09/08(水) 00:35:36.94 0
「お腹すいたあーー!」 と、2階の窓から聞こえる声は熊井ちゃん
「カレーはまだかぁー!」 と、玄関の内側から叫ぶのは茉麻ちゃん
う、うん知ってた やっぱり、この家はそうじゃないと!
……ん? ……気配が、気配がする!
「うぇーお腹減ったよぉー」 と、両手ブラリ戦法で家にトボトボ向かってくる桃子さん
「はいはい、もうちょっと待ってねえ」
いつもの調子に戻った管理人さんが声を出し、玄関戸を開け、日常へ
でも、でも、管理人さんのあの視線 ちょっと良い雰囲気だったのは事実
それに、今の3人はあの視線には気付いていないはず……
――『ちっ』!!
……はっ! 今の、今の舌打ちはどこから???
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