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もし熊井ちゃんとりしゃこが核戦争後の荒廃した世界を当てもなくさすらう旅人だったら 第2章

251 :名無し募集中。。。 ◆9OE19tvUME :2007/11/19(月) 01:17:20.16 0
熊井ちゃんも起きてそろそろ出発というところに沈んでいたリサコがふと顔を上げる
「・・・雨降るゆ」
「ホントに?・・・じゃなかった、そっか」
思わず出てしまった言葉に睨まれてしまい千奈美は納得する
リサコの天気予報は確実なのだ
「熊井ちゃーん、リサコが雨降るってー」
「ふわぁ・・・雨?じゃあ・・・どうしよっかミヤ」
「・・・止むまで待つしかないんじゃない?」
眠そうな熊井ちゃんにミヤが答える
「そうだね・・・もうちょっといさせてもらえるか頼んでくる」
「りーも行くっ!」
きっとキャンディー目当てであろうリサコが立ち上がる
千奈美はいつもの笑顔でリサコの手を取り部屋を出て行った

「・・・熊井ちゃん眠そうだね」
「んー?」
「・・・・・・・・・モモのこと、見送ったの?」
横になった状態で熊井ちゃんはミヤを見る
俯きがちで表情は見えないがただ単に気にしているだけのようだった
しかしどう答えていいのか困る熊井ちゃん
「・・・モモ、ウチのことなんか言ってた?」
沈黙を肯定と受け取ったらしく話を続けるミヤ
「んー・・・別に・・・」
嘘は苦手なのではぐらかす熊井ちゃん

252 :名無し募集中。。。 ◆9OE19tvUME :2007/11/19(月) 01:17:51.88 0
「・・・そ、っか・・・・・・」
ミヤのどこか寂しそうな表情に気付き体を起こす熊井ちゃん
「どうかしたの?」
「・・・・・・・・・みーやん、なんて初めて呼ばれたんだ」
ズルズルと座り込むとナイフを取り出すミヤ
じっと刃先を見つめる横顔が悲しい笑顔に変わる
「・・・ウチ、こんなだからさ・・・ちーともずっと一緒にいるけど・・・
 なんか、怖がられてる感じがして・・・多分・・・そうなんだろうけど」
つぅっと指で刃先をなぞると赤い血が溢れてくる
「・・・だから・・・あだ名、初めてつけられて・・・嬉しかった」

悲しげだがどこか幸せそうな笑顔に胸が痛くなる熊井ちゃん
自分自身も同じ・・・リサコに初めて『熊井ちゃん』と呼ばれたとき心が温まった
しかしモモコはリサコとは違う

「ミヤ・・・モモが行っちゃって悲しい?」
「・・・悲しい、多分」
自分の感情に自信が持てないミヤ
長い間心の奥底にしまって埃を被っていた物だから
色褪せてしまってはっきりと認識するのが困難だった
赤く濡れた刃先と傷口から血を垂らす指を見比べてミヤは黙り込んだ

253 :名無し募集中。。。 ◆9OE19tvUME :2007/11/19(月) 01:18:22.76 0
「・・・、・・・・・・」
何か言おうとするが何も言えず俯く熊井ちゃん
決心したように顔を上げるとミヤの傍に座る
見上げるミヤを抱きしめる熊井ちゃん
カラン、と音を立ててナイフが落ちる
「っ、くまい、ちゃん?」
「ウチがモモの代わりになる!」
「・・・はぁ?」
「モモみたいにちっさくないけど・・・モモみたいに、可愛くないけど・・・でも・・・ウチが傍にいるよ!」
体が離れると至って真剣な表情の熊井ちゃんがいた
「ぁ・・・ありがと」
思わずお礼を言ってしまうミヤに微笑む熊井ちゃん
心に積もった埃が少しずつ落ちていくのをミヤは感じた

ミヤの心の痛みをわかってあげられるのはきっと自分だけだ
熊井ちゃんはそう思った
リサコと出会って温まった心で今度はミヤを温めてあげるんだ
ミヤはこんなに純粋な心を持ってるんだ
幸せになる必要がある・・・

『嘆きの者』の運命を知らない熊井ちゃんはそう思っていた

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