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後世に語り継ぎたいベリのちょっといい話

254 :名無し募集中。。。:2007/07/15(日) 15:12:44.16 0
大相撲巡業一行が五島列島のある島にやって来た。
この島に全盲の小学校高学年の少女がいた。
どういう事情なのか、この少女は相撲が好きで場所ごとにラジオを聞いている。
ところが生まれつき全盲なので、相撲放送を耳にしてもお相撲さんのイメージが湧いてこない。
「貴乃花は身長1メートル86センチ、体重148キロ」
アナウンサーの言葉は耳の穴にとびこんでくるのだが、その現実の大きさ、重さは想像もできない。
当たり前だろう。
この世に生を受けたときから全盲なのだから。

「お母さん、梨沙子お相撲さんの体にさわってみたい。体にさわってお相撲さんを確かめたいんだ」

30代の母親は少女を連れて相撲会場に現れた。
しかし相撲界にひとりの知人もいるわけはないのだ。約1時間、この親子は呆然と会場の隅で立ちつくす。
母親は必死の想いで近くに立っている若い衆にことの成り行きを、おろおろと訴えるように話した。
たまたまこの若い衆は熊井ちゃんの付き人だった。
気のいい若い衆は熊井ちゃんのところにすっとんで行き、母子の話を伝達した。

このときすでに締め込みをつけていた熊井ちゃんは、浴衣一枚を着て母子の前に笑顔でやって来た。
それからくるりと浴衣を脱ぐと、蹲踞に入った。
熊井ちゃんはこのとき身長1メートル87センチ、体重148キロ。胸毛こそ黒々としているが、全体では色白の美男力士である。
少女は熊井ちゃんの首、肩、背中、両腕、手のひらなどを両手でさわり、いままで想像の世界だけだったお相撲さんを実感した。
この間約5分。立ち上がった熊井ちゃんは母親に声をかけた。

「相撲が終わったら土俵下においで下さい。子供さんを土俵上にのせてあげますから」

打ち出しのあと、熊井ちゃんは呼び出しの親方に事情を伝えた。
少女は靴を脱いでおそるおそる土俵にのぼった。
土俵の高さは54センチから60センチだから、少女はその高さに、おどろきながらのぼっていくのがわかる。
母親は土俵下で娘を見ながらただ泣くだけだ。女はいまでも土俵にのぼれない習慣は生きている。
少女は20俵で輪を作っている土俵を手でさわり、さらに中腰になって直径4メートル55センチの土俵の砂を手と足で、いとしむようになでまわる。
黙って見つめている呼び出したちも、眼がうるんでいる。

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0ch BBS 2005-12-31