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後世に語り継ぎたいベリのちょっといい話
198 :
名無し募集中。。。
:2007/07/14(土) 15:57:35.10 0
「ペリコローゾ(危険すぎるぞ)!」
アナウンサーの絶叫がマクハリ・コロシアムに響き渡る。
UFAの裏側のユニットからやってきた小柄な無名ピヴォを、
ベリーズ工房の誇るDFシステムがまったく止められないのだ。
「この10番を止めるにはもはやファールしかないのか?」
「オカイピッチとマイマイピッチの2人だけで、ゴールまでの道を探しだしてしまう」
混乱する放送席はその選手の名前の発音すら把握していなかった。
「見たこともないファーストネームだ。オカイ・センセイ?チセイ?」
エキジビジョンマッチを見ていたヨシザワ・サトタ・フジモトのうち、
フジモトがコーチを呼びつけてささやいた。
「この余興が終わったら、あの10番をすぐにここに連れてくるんだ」
「ロッカールームにですか?」とコーチが聞き返すと、
フジモトはうんざりしたような目でコーチを見上げた。
「いいか?私が『ここ』と言ったら、それはガッタスA代表の選手名簿のことだ」
すべての試合が終わった後、ヨシザワ・サトタ・フジモトとUFAオーナーの前で、
チサトはガッタスA代表の契約書に震える手でサインを記入していた。
「あの、カピターノ(キャプテン)・ヨシザワ」
チサトが震える声で言うと、ヨシザワは微笑んで首を傾げた。
「条件に不満があるなら、代理人を入れよう」
「そうじゃありません。早く帰らないと電車がないんです。
ぼくの家はすごく、すごく遠いんです」
チサトがそう言うと、サトタとフジモトはどっと笑った。
なぜ笑われたのか理解できないチサトは真っ赤になった。
「君はもう電車に乗ることはない。君がどうしてもと望まない限りはね」
ヨシザワが静かに言った。
「残念だがラガッツォ(少年)、君は今夜からリムジンに乗って母親の家に帰るんだ」
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