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もしもガキさんが田舎に住む親戚のおねえさんだったら
553 :
【ひと夏の幻】編
:2007/04/14(土) 14:20:19.66 0
その年は日本中で空飛ぶ円盤=UFOブームか゜起こった
僕の田舎はUFOの発着基地と噂されている山があったので、夏休みを利用して初めて一人で泊まりにいった
「おひさしぶり、よくひとりでこれたねぇ」
ラベンダーの香る庭先を通ると従姉妹の里沙ねえが出迎えてくれた
「UFO?お姉ちゃんは見たことないなー、TVはいい加減なこと言うことがあるからな〜」
意気込んであれこれ質問すると、里沙ねえはちょっと困った顔で答えた
それでもどうしてもUFOを見たいという僕を、山に連れてってくれる約束をしてくれた
簡単なキャンプ道具を持った僕らは「噂の」山に登った、テントを張り簡単な食事をして夜が更けるのをまった
その間僕は今まで本で読んだりTVで見たりした知識を使って理沙ねえにUFOの事を喋り続けた
「それでね、宇宙人は人間たちが自然を破壊したり争いを続けている限り、ちゃんとは僕たちの前には現れないと思うんだ。
今はまだ選ばれた人だけを地球から連れ出して勉強させているんだと思う」
里沙ねえは、そんな子供の演説をけっしてバカにせず黙って耳を傾けてくれた
「だいぶ暗くなってきたね、寒くないかい?、こっちに一緒に入りなよ」
夜空に満天の星がかかる頃、急に冷え込んでくしゃみをした僕を、里沙ねえは自分の毛布のなかに招き入れた、ふたりで星を見上げていると里沙ねえはポッリと
「ねぇ、さっきの話本当だと思う? 宇宙人がみんなをお星様の世界に連れて行ってくれるって。もしそうだとしたら君なら行ってみたい?」
「うーん、行ってみたいけど。パパやママもいるし、学校やサッカーにも行かなきゃならないし・・・」
「そっか、そうだよね。残念だなー、最後の一人は君がいいかなって思っちゃったんだけど・・・今日中に別の人を選らばなきゃ」
ヘンなこと言うなぁと僕が思うと、理沙ねえがほらっと指差す先に眩く発光する大きな空飛ぶ円盤が現れて、僕達の目の前に迫ってきた
大きな光に飲み込まれるように気を失った僕は、次の朝布団の中で目を覚ました。そして不思議なことに里沙ねえの存在は僕の記憶を残して足方もなく消え去っていたのだ FIN
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