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ガキさんと2人で旧校舎の廊下の掃除当番2週連続

391 :名無し募集中。。。:2006/06/11(日) 21:39:41.35 0
「オラ、ちゃんと歩けやコラ!」
人相の悪い2人に両脇をガッチリ掴まれながら、オレは薄暗い旧校舎の講堂に連れ込まれた。
中には、長ラン・ボンタン・リーゼントの不良生徒が所狭しとひしめいている。その数、100人は下るまい。
「総長、廊下をフラフラしてた怪しい奴を捕まえましたぜ!」
断っておくが、オレは正真正銘、真っ当な人間だ。
どう考えてもこいつらの方が百倍怪しいのだが、どうもそういう理屈は通じないらしい。
『うあー、転校初日からエライ目に逢っちゃった・・・』
前の学校にはなかった木造の旧校舎が珍しく、ついつい足を踏み入れてしまったのが不幸の始まりだ。
廊下を歩いていたら、突然物陰からヤンキー2人が現れて、オレは成す術もなく連行されてしまった。
「ほう・・・貴様、ここが横浜番長連合のアジトと知っているのか?」
最初は、その野太い声がどこから聞こえてきたのか分からなかった。
しかし、暗闇に目が慣れるにつれ、廃棄されたグランドピアノに窮屈そうに腰掛ける巨大な影の存在に気が付いた。
『うあー・・・なんじゃこいつは・・・』
「冥土の土産に教えてやろう。我が名は横浜番長連合の四天王が一角、報国院百鬼丸。この学校を統べし者だ」
そう名乗ったのは、身長2米40糎はあろうかという巨漢だった。ボロボロの学生服を身に纏い、腰にはベルト代わりに
錆付いた鎖が巻いてある。そり上げた頭皮には紅蜘蛛の刺青。どう考えてもカタギの高校生ではない。

392 :名無し募集中。。。:2006/06/11(日) 21:40:08.59 0
「エッキキ!おやびん、おいらこいつのこと知ってますぜ!きょう転校してきたヤツでさあ!」
耳障りなキンキン声で百鬼丸にそう耳打ちしたのは、クギを打ち付けた木製バットを杖代わりにしたせむし男である。
片目がなく、まだ高校生だというのに髪の毛は紙のように白い。
「そ・・・そうなんです、すいません。まだこの学校のこと、よく知らなくて・・・」
ここが先途と、オレは必死で弁明する。
「成程、勝手を知らぬが故の過ちか。しかし、ことは一罰百戒。例外をつくる訳にはいかぬな」
どうやら話が通じる相手ではなさそうだ。オレは全身の血の気がサーっと引くのを感じた。
「古代中国では、討ち取った外敵の生首を国境に晒したと聞く。貴様のそっ首も刎ね飛ばしてくれようぞ!」
悪漢どもが、これから始まる残酷ショーへの期待で醜い笑みを浮かべる。オレが観念したその時である。
「ちょーっと、なーにしてるんですかーぁ!」
突然、凛とした女の子の声が講堂に響き渡った。

393 :名無し募集中。。。:2006/06/11(日) 21:40:35.86 0
講堂にいた全員が、入り口の扉を見る。逆光を背負って立つその姿は、線が細くていかにも頼りがいがない。しかし、
目には勇気と気迫がみなぎり、圧倒的な存在感を示していた。
「うへへ、ガキさんかーっこいいー!」
その横にはもう一人、こんな場にはふさわしくないほど暢気な声で話す女の子がいた。ガキさんと呼ばれた子よりは
頭いっこ分背が高く、体格もいい。セーラー服のすそからはたくましい太ももがのぞいていた。
「ウキっ、てめえらは風紀委員の新垣と亀井!」
せむし男がぴょんぴょんと飛び跳ねながらそう言う。
「だーめでしょうがー、転校生にそんなことしちゃあ!」
新垣さんが怒気をはらんだ声で言った。このシチュエーションでも全く物おじしていない。
「ふん、女子がいきがりおって。貴様ら、その坊主を殺る前に、そっちの2人を犯ってしまえ!」
百鬼丸の号令一下、100人の不良が二人に向かって殺到した。

394 :名無し募集中。。。:2006/06/11(日) 21:41:10.29 0
「だ・・・っだめだ、女の子に手を出すなよっ!」
しかし、オレの心配は杞憂に終わった。
「コノー、なかざわ〜〜〜っ!」
亀井さんが意味不明な気合いとともに繰り出したミドルキックが、不良その@に炸裂。胸骨が陥没する「ギゴッ!」と
いう音が鳴り、彼は不良そのAからそのIまでを巻き込んで講堂の向こう側まですっとんだ。
「も〜う、や〜めて下さいよ〜!そんな大勢で〜!」
新垣さんが手にしたバスケットボールを投げると、それはまるでピンボールのように不良そのHから不良そのSの顔
面を跳ね回り、またたく間に累々たる屍の山ができた。
「こ・・・っ、こいつら強ええ・・・!」
戦力の5分の1を一瞬で失った不良軍団は、怖気づいて立ちすくむ。新垣さんと亀井さんは、お互いの背中を守るよう
にぴったりと寄り添い、臨戦態勢を取ったままだ。
「どけい!この腑抜けらが!」
割れ鐘ように周囲を圧する声が響いた。

395 :名無し募集中。。。:2006/06/11(日) 21:42:09.70 0
風紀委員は前々から目障りと思っていたところよ。大方クィーン・エクリュの差し金だろうが、返り討ちにしてくれる!」
業を煮やした百鬼丸が立ち上がる。その手には、長さ3米はあろうかという巨大な斬馬刀が握られていた。
「どうしようガキさ〜ん、あの人、めっちゃ大きいんですけど〜?」
「大丈夫、オバケは絶対触れない約束になってるから!」
「しゃらくさい!我が刀のサビと消えよ!」
百鬼丸が巨体に似合わぬスピードで二人に詰め寄り、刀を振り下ろした。
しかし、新垣さんと亀井さんはもうそこにはおらず、刀は盛大に空を切る。
「この人、絵里に危害食らわすんですけど〜!
亀井さんが巨大な刀を駆け上がり、百鬼丸の水月を蹴り込んだ。そこを踏み台にジャンプし、顎に膝蹴りを食らわす。
「ぐうっ・・・!」
雲を突く巨体が揺らぐ。新垣さんはその隙を見逃さず、次の攻撃のモーションを取る。
指でVの字を作って眉毛に当てるそのポーズ。あれは一体・・・?


396 :名無し募集中。。。:2006/06/11(日) 21:42:45.51 0
「ま・・・マズい百鬼丸様!あの構えは・・・」
せむし男が頭を抱えて絶叫する。新垣さんは構わず、その技を開放した。
「まゆげっ、び〜〜〜〜むっっっ!!!」
次の瞬間、新垣さんの額の辺りからまばゆい光が溢れ出し、百鬼丸の巨体を包んだ。
「きっ・・・貴様ら、わし一人を倒したところで図に乗るなよ!わしなど所詮、『あのお方』に比べれば雑兵も同然。貴様らが
血の海でのたうち回る姿が目に浮かぶわ・・・!」
百鬼丸が、全身から黒い煙をあげながら床に倒れこんだ。
「う・・・うわ〜っ、百鬼丸様が討ち取られた!」
不良軍団は蜘蛛の子を散らすように退散する。そして、講堂にはオレと新垣さん、亀井さんの3人だけが残された。
「うへへ、だいじょうぶ〜?」
「キミも転校初日にトラブルに巻き込まれちゃダメでしょ〜、ほんとにも〜!」
「あ・・・ありがとう、助かったよ」
超人的な戦闘能力で死の淵から救ってくれた二人に、オレは深々と頭を下げた。
風紀委員か・・・いったい、何者なんだろう?オレの中で、この二人への興味がむくむくと頭をもたげてきた。
特に、まゆげビームなる必殺技(どんな仕組みなんだろう?)を使った新垣さんという子に・・・。
平凡だった学校生活、どうやら楽しくなりそうだぞ!

397 :名無し募集中。。。:2006/06/11(日) 21:43:11.47 0
「ふ〜ん、百鬼丸が屠られたかい。やるねえ、風紀委員も」
真夜中の校舎屋上。足下に広がる夜景を睥睨しながら、その女性はせむし男からの報告をつまらなそうに聞いていた。
「ウキっ!そりゃもう、強いのなんの。特に新垣は、胸もないくせに腕っぷしだけは百人前で・・・」
「悪いことかい?」
「へ?」
突然の質問に、せむし男は思わずピタっと動きを止める。
「胸がないってのは、そんなに悪いことかい?」
せむし男は、思わずしまったというように口を手で覆う。
「お、お館様、あっしは別にお館さまがAカップだとか、そんな話は・・・」
次の瞬間、せむし男は金網ごしに投げ捨てられていた。
「面白いじゃないか新垣・・・、いつか決着を付けなきゃと思っていたところだよ。『滝川の狂犬』と呼ばれた私の力、とくと
思い知るがいい!アーハッハッハッ!」
人気が絶えた校舎に、その高笑いだけがこだましていた。

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