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今夜も熱帯夜だな、菅谷

447 :名無し募集中。。。:2005/07/06(水) 13:09:20 0
「ねえ、雅ちゃん。おまんまんってなあに?」
そうりしゃこに言われた瞬間、雅は飲んでいた麦茶を噴いた。
「え?な、なに。りしゃこ何言ってるの?」
雅はりしゃこに悟られないように必死で動揺を隠した。
だが鼻から垂れた麦茶と鼻水の混合物が
動揺している事の何よりの証拠だった。
りしゃこは鼻水に濡れた雅の顔をじっと見つめた。
そしてりしゃこにしてははっきりくっきり、大声で雅に言った。
「おまんまん!おまんまんってなあに?教えて!」
雅の全身から冷汗が溢れ出た。

雅はおまんまんが何を指す言葉なのか知っていた。
だがそれは女の子が大っぴらに言うような言葉では無い。
ここでりしゃこに「そんな事大声で言っちゃ駄目」
と教え諭す事も出来る。だがそれでは問題を先送りするだけだ。
下手に先送りして人の多いところで
「雅ちゃんどうしておまんまんって言っちゃ駄目なの?おまんまん」
と大声で叫ばれたらそれ以上言われないようにりしゃこの口を塞ぐか
世間の冷たい視線を避けるために自分の目を潰すか、
失笑の声を聞かないように自分の耳を潰すしかなかった。
そうならないようにするにはひとつしかなかった。
「わかった。雅がおまんまんについて教えてあげる」

448 :名無し募集中。。。:2005/07/06(水) 13:09:44 0
雅は女子トイレにりしゃこを連れて行った。
ここなら少なくとも男子には聞かれない。

「ねえ、おまんまん・・・・・雅ちゃぁぁん」
りしゃこの甘えた声。いつもは愛らしいが雅は冷や冷やした。
誰がこんな事りしゃこに教えたのだろう?
「ねえ、りしゃこ。おまんまんって言葉誰に聞いたの?」
雅は迂遠な言い方は止めて直球でりしゃこに聞いた。
「桃ちゃん。おまんまんって甘くて美味しいんだって」
やっぱり。雅は舌打ちした。
桃子ちゃんめ。純粋なりしゃこに何て事を教えるんだ。
それじゃえっちなビデオの世界じゃないか。
いや雅が見たんじゃなくてえりかちゃんがね。
と雅は誰に言う訳じゃなく心の中で言い訳した。
だが上手くやればりしゃこを誤魔化せるかも知れない。
雅は閃いた。
「そう甘くて美味しいの。おまんまんって禁断の果実なんだよ」
りしゃこの腹がぎゅるるんと鳴った。

449 :名無し募集中。。。:2005/07/06(水) 13:10:05 0
「甘くて美味しい果物・・・・そ、それから」
りしゃこの目が怪しく光った。
りしゃこの身体は自然と溢れ出た体液で濡れていた。
特に口の中は唾液でいっぱいだった。
未知への好奇心でりしゃこの脳はいっぱいだった。
「雅ちゃんはおまんまんを食べたの?ねえ?」
雅は凍りついた。
「た、食べた事はないよ」
「そうなんだあ。見た事はあるの?」
無いとは言えない。雅は重い口を開いた。
「あ、あるよ。表面には毛、毛が生えてるの。ふさふさなんだから」
嘘は言わない。雅はそう決めていた。

いつかりしゃこが真実を知ったとき「雅が嘘をついた」
そう思わないようにしたい。
桃子のように「金は天下の回り物って意味を教えてあげる。
さあ次は桃子の番だよ」
と言いながらりしゃこのお小遣いを奪うような真似はしたくないのだ。

450 :名無し募集中。。。:2005/07/06(水) 13:10:27 0
「色は?ねえ色は?」
「ぴ・・・・・・ピンク。本当だよ本当なんだから!」
嘘じゃない。サーモンピンクだ。
本当にピンクなんだから本当だってば。
思わず本気でりしゃこに言いそうになったが辛うじて止めた。

「ねえ。もしかしておまんまんって桃みたいな感じ?」
「違う!桃子ちゃんみたいに汚れてないから!」
しまった。とっさに言ってしまった。雅は口を抑えた。
目の前でりしゃこは戸惑っていた。
雅が違うと言った事によって構築されつつあった
りしゃこのおまんまん像が崩れてしまったのだ。

「汚れるの?おまんまんって汚れるの?なんで?」
今にもりしゃこの口から「あばばば」と漏れ聞こえそうだった。
それほどまでにりしゃこは戸惑っていた。
「ほ、ほら果物って痛むでしょ?古くなったら黒くなって」
そう雅が言うとりしゃこは合点が言ったらしく手を叩いた。
「わかったあ!痛いことをしたら黒くなるんだ!」
雅は放心状態でうなずいた。

451 :名無し募集中。。。:2005/07/06(水) 13:10:47 0
りしゃこは嬉しそうだった。
雅のおかげでおまんまんについて随分詳しくなった気がした。
この喜びを誰かに伝えたかった。
もしも今、夏休みだったらりしゃこは
夏休みの自由研究におまんまんを選んだだろう。

「甘くて美味しいおまんまん♪お毛毛がふさふさおまんまん♪」
りしゃこは突然楽しそうに歌いだした。
キャッチーでポップなメロディだった。
慌てて雅はりしゃこの口をおさえた。
りしゃこはあばばと言いながら暴れた。

甘くて美味しいおまんまん。軽快なメロディが脳内を駆け巡る。
思わず雅も口ずさみたくなったが理性で押さえ込んだ。
「なんで止めるの?おまんまんって歌ったら駄目なの?」
りしゃこは怒っていた。雅は答えられなかった。
「あのお・・・・・だからおまんまんはおまんまんだから・・・・」
雅はパニックになっていた。頭を抱えて悩んだ。
ここまでおまんまんについて考えて事なんてなかった。
「うふふふ。どうしたの雅ちゃん」
気持ちの悪い声がする。雅は顔をあげた。

やっぱり。そこには桃子が居た。

452 :名無し募集中。。。:2005/07/06(水) 13:11:04 0
「あ、桃子ちゃんだ。ハッピーおまんまん」
「ハッピーおまんまん」

りしゃこと桃子は「ハッピーおまんまん」の声と共に
両腕を左右に大きく開いた。
ふたりはとても嬉しそうに笑った。
それを見た雅までなんだか嬉しくなった。
が冷静に考えたらハッピーおまんまんってなんだよ。
雅はハッピーなおまんまんを想像して赤面した。

桃子が手の開き方が甘いとか指導している。
恐らく桃子が考案した挨拶だろう。
「ちょっと桃子ちゃん。りしゃこに変な事教えないで」
「え?なあに?何が変なのか教えてよ雅ちゃん。ね、りしゃこ」
「うん。教えて」
桃子ちゃんめ。わかってるくせに。
雅の口から歯軋りの音が漏れた。

453 :名無し募集中。。。:2005/07/06(水) 13:11:30 0
雅は考えた。おまんまんについて。
だがおまんまんについて論理的に説明出来る中学生なんて居ない。
必死で考えたが明確な答えは出なかった。

むしろおまんまんと言ってもいいじゃないか。
だっておまんまんなんだから。
という考えが雅の頭を支配しつつあった。
おまんまんと叫びたい。雅はそんな衝動に駆られた。

「ねえ、まだあ?」
りしゃこがあくびした。
「もうちょっと待ってあげて。はい。お菓子」
桃子はりしゃこにお菓子を与えた。
「ありがとう桃子ちゃん。いつもごめんね」
「ううん。だって桃子、りしゃこの笑顔が見たいから」
「桃子ちゃん大好き」
ふたりはポリポリとお菓子を食べ始めた。

454 :名無し募集中。。。:2005/07/06(水) 13:11:50 0
「雅ちゃんも食べる?」
「いらない。だってここおトイレだもん。それにそのお菓子
どうせりしゃこから巻き上げたお金で買ったんでしょ?」
雅は憤っていた。
りしゃこから金を奪い、その金の一部でりしゃこを喜ばせる。
それで恩を感じたりしゃこから更なる金を巻き上げる。
桃子の手口はわかっている。
「うふふふ。違うよ」
桃子は笑った。
「雅ちゃん勘違いしないで。これは舞波から貰ったお菓子だから」

「桃子ちゃん最低ね・・・・。りしゃこお願い。
桃子ちゃんは金に汚い外道よ。もう関わるのは止めて!」
「あばばば」
「桃子ちゃんは凄く良い人だから離れられないって言ってるよ」
「勝手にりしゃこの通訳なんてしないで!りしゃここっちに来て!」

雅はりしゃこに手招きした。
だがりしゃこは桃子に寄り添って冷たい目で雅を見ていた。
雅ちゃんって怒るから恐い。
りしゃこの目がそう物語っていた。

455 :名無し募集中。。。:2005/07/06(水) 13:12:13 0
「りしゃこは桃子のものだよ。悔しい雅ちゃん?」
悔しかった。わずかにうなずいた。それでも顎は大きく動いた。
「うふふ。もはやりしゃこは桃子の傀儡なんだから」
「かいらい?なあにそれ桃子ちゃん」
「えーっとね。土偶みたいなもんだよ」
「桃子ちゃんかしこーい」

雅はりしゃこを取り返したかった。
その為には桃子よりも美味しいお菓子を持っているか
賢いところを見せなければならない。
今はお菓子は持っていない。だから賢いところを見せなければ。
おまんまんの全てについてりしゃこに語るしかない。
雅は決心した。

「あのね・・・花にはおしべとめしべがあってね」
「雅ちゃんのお話つまんなーい」
「はい。うまい棒だよ」
「桃子ちゃんありがとーもぐもぐ」
駄目だ。お菓子がある限りりしゃこは話を聞かない。
あのお菓子を奪わないと。

456 :名無し募集中。。。:2005/07/06(水) 13:12:36 0
「桃子ちゃん。お菓子ちょうだい」
雅は出来るだけ普通に平坦な声で言ってみた。
だが微妙に声が裏返ってしまった。

桃子から物を貰うという屈辱。耐えがたかった。
だがそれに雅は必死で耐えたのだった。
桃子はにやりと笑った。
「いいよ。どんどん食べて桃子は全然気にしないから」
そう言いながら手帳に「雅にお菓子あげた」と書いた。

恐らく半年はみんなに言いふらすだろう。
だが気にしない。りしゃこを奪い返すためだ。
雅は桃子のお菓子袋にあるお菓子を片っ端から食べた。
「み、雅ちゃん・・・・・・」
さすがの桃子も驚いた。自分でもそこまでは食べない。
食べたフリをしてポケットに入れる。

雅は食べた。1000円相当のお菓子を全部食べた。
お腹が更に出てしまった。でも気にしない。
これでりしゃこを桃子の魔の手から守れるのならば!
「こ、これで勝負はわからないわ桃子ちゃん」
「雅ちゃん貴様ぁ。桃子のお菓子を食べ尽くすなんて。許せない」



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