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ガキさんはせんこう花火の匂いがする

1 :名無し募集中。。。:2006/03/19(日) 16:29:20.68 0
「来る途中 町内のお祭りやってて、一回りしてから来ちゃった ね 一緒にやろうよ」
そういって差し出す手には、一掴みのせんこう花火が握られていた。


101 :名無し募集中。。。:2006/03/19(日) 22:26:25.50 0
ジジジッ・・・パチパチパチ・・・
 燐寸を擦ると、線香花火が微かな音を立てて赤みがかった花を咲かせた。刻
一刻と形を変える枝のような火花。見ていると、なぜか飽きなかった。それは里
沙と一緒だったからかもしれないが。
「今日ね、少し安心した。・・・君が東京の人になっちゃってたらどうしようって、
そんなこと考えてたんだ」
数本を消費した頃、里沙がポツリとそんなことを言った。薄暗いので表情はよ
く読み取れなかった。オレは彼女を安心させようと言葉を探す。
「あ、ガキさん来てたんじゃん!」
その時、わらわらと女の子の集団が現れて、オレと里沙の二人だけの時間は
終わった。見覚えのある子がいる。地元の高校時代の同級生達だった。
「あ、・・・君じゃん!何してたのよ二人っきりで」 
「何でもないってばまこっちん!花火してただけでしょ、もー」
女の子同士の会話が始まってしまうとなかなか終わらないものだ。オレは神
社の壁にもたれながら、話が一段落するのを待つことにした。柱を何気なく撫
でていると、オレはあることに気が付いた。

102 :名無し募集中。。。:2006/03/19(日) 22:27:12.17 0
「もう、みんな早合点なんだから本当に!」
顔を赤らめてこちらに来る里沙。オレは彼女を手招きし、柱を見るようにうなが
した。燐寸を擦ると光が広がり、柱に刻まれた文字を浮かび上がらせる。
『しょうらいは・・・くんのおよめさんだよ りさ』
確かこれを書いた時は、神主さんにこっぴどく怒られたものだ。オレは何を書
こうか迷っているうちに見付かってしまった。いつも積極的な里沙に甘えていた
オレだけど、もう以前とは違う。言うべき言葉を知っていた。
「オレ、いつか帰ってくるからさ。必ず里沙を迎えにくるから」
声が少し震えていたかもしれない。里沙はびっくりしたような顔をしていたが、
にっこりと笑ってうなずいてくれた。
打ち上げ花火が始まり、鮮やかな色彩が二人の周りを包んだ。

103 :名無し募集中。。。:2006/03/19(日) 22:28:30.79 0
連投スマソ
昭和風ガキさんのイメージで書いてみたYO

104 :名無し募集中。。。:2006/03/19(日) 22:32:55.21 0
>>103
お疲れ

105 :名無し募集中。。。:2006/03/19(日) 23:00:19.33 0
なんかガキさんのファンって他のファンと精神構造違うよね

106 :名無し募集中。。。:2006/03/19(日) 23:05:41.60 0
>>105
ちなみにどの辺が?

107 :名無し募集中。。。:2006/03/19(日) 23:07:32.57 0
たとえば精神構造とか

108 :名無し募集中。。。:2006/03/19(日) 23:16:47.07 0
>>73とか>>86とか

109 :名無し募集中。。。:2006/03/19(日) 23:19:12.29 0
>>106その手法は長持ちしないよ

110 :名無し募集中。。。:2006/03/19(日) 23:20:07.62 0
>>108
そうなのか Orz
お年頃だしいいんじゃないの?だめ?

111 :名無し募集中。。。:2006/03/19(日) 23:20:20.25 0
さあ問題発言スレに戻ろうか

112 :名無し募集中。。。:2006/03/19(日) 23:20:59.55 0
堂々と交際宣言してくれたらどのヲタでも納得でしょ?

113 :名無し募集中。。。:2006/03/19(日) 23:26:45.88 0
おやすみ 駄文を読んでくれてありがとう

114 :名無し募集中。。。:2006/03/19(日) 23:33:58.15 0
>>112
俺はそんなに大人じゃない

115 :名無し募集中。。。:2006/03/19(日) 23:34:57.80 O
>>103
お前むっちゃ上手いな
俺文才ないから見習いたい

116 :86:2006/03/19(日) 23:37:03.20 0
>>108
好きな人なら幸せになってもらいたいじゃない
たとえ自分の方に振り向いてもらえないとしてもさ
俺はそう思うよ

117 :名無し募集中。。。:2006/03/19(日) 23:44:02.13 O
ちゃんと相手の事を愛してもちろん相手からも愛されて
とっても綺麗な恋愛をしてほしい
遊びとか汚いのは嫌だ

118 :86:2006/03/19(日) 23:51:52.85 0
>>117には深く同感である…とか
結局何言ってもヲタのわがままなんだけどな(苦笑
夢くらい見させておくれよ

119 :名無し募集中。。。:2006/03/19(日) 23:59:12.87 O
だよな 俺らが決める事じゃないんだけどね
でもやっぱり恋するなら綺麗な恋の方が楽しいし面白いから
遊びとかだと後からついてくる罪悪感が鬱陶しいしね あくまで男目線だが

120 :86:2006/03/20(月) 00:02:16.66 0
やっぱり恋愛沙汰で叩きたくないからね
祝福したい

でも矢口とか松浦の例を見ると実際直面したらどうなってしまうんだろうな…怖い

121 :名無し募集中。。。:2006/03/20(月) 00:04:49.64 0
真面目な交際だったら快く祝福したいんだけど
いざそうなったらまぁ複雑だろうな

122 :名無し募集中。。。:2006/03/20(月) 00:24:19.96 0
本日のお楽しみスレ

123 :名無し募集中。。。:2006/03/20(月) 00:35:39.94 0
新垣は線香花火の束を両手でいっぺんに持ち

「アハハ!見て見て!元気玉!」

まったく最高だ

124 :名無し募集中。。。:2006/03/20(月) 00:50:30.52 0
くるくる回しながら「ほらほら魔貫光殺砲!」もありか

125 :名無し募集中。。。:2006/03/20(月) 00:58:13.73 0
今までの匂い系スレに文章投下してたんだけど今回は厳しいなぁ・・・
まったく降りてくる感じがしない
今までならスレタイ見てちょっと考えればガキさんが勝手に動き回ってくれてたのに今回はそれが無い
毎回楽しみにしてたのに今回は苦しい思いだ・・・

126 :名無し募集中。。。:2006/03/20(月) 01:10:03.53 0
いいなあガキさんが勝手に動き回るなんて・・・

127 :名無し募集中。。。:2006/03/20(月) 02:05:14.94 0
じゃあ降りてくるまで保守だなw

128 :名無し募集中。。。:2006/03/20(月) 03:36:17.31 O
「これわぁー無理。えー、はい!これ・・・もダメ!」
「使えないのばっかじゃん」
「ばっかじゃん、じゃないよー?あんた一体どういう管理してんのー!」
しけったピストル花火をブンブン振り回しながら新垣が口を尖らせた。
どうしても花火がしたい、という新垣の急な提案(ワガママ)に家中ひっかき回したものの、今は3月。残ってただけ奇跡だって。

「あ!これはいけそうじゃないかな」
僕は可愛いらしい『カメ』のキャラクターの絵付き花火を手に取った。
「よぉ〜し、カモン!ファイヤー」
新垣がしゃがんだままズリズリ近づいて来て、チャッカマンを振りかざした。
火を付けると『カメ』は「まだ冬ですよ?」と一瞬戸惑いつつも、ワンテンポ遅れで火を吹き出してくれた。
「あぁ〜かわいいぃ〜」
「なんかガメラみたいだけどな」
「カ〜メ〜をたぁ〜すけに来ましたぁ〜!」
「何それ?」
「浦島太郎!」

よく分からなかったけど、楽しそうな新垣の笑顔につられて思わず笑った。何となくこの笑顔はずっと近くにあるんだと思ってた。
でもそれは突然やって来るんだ。それこそ花火のように。



129 :名無し募集中。。。:2006/03/20(月) 03:37:35.96 O
「最後の花火になるかもしれないのにこれはちょっと寂しいねぇー」
残った何本かの地味な花火からせんこう花火をひとつ取り新垣が呟いた。
「東京にも花火はあるだろ。むしろ多いだろ」
「そいう事じゃなくてさ。あと、東京じゃなくて横浜ね、横浜。神奈川ですから」
「遠くは遠くじゃん。おんなじだよ」
僕はつい拗ねたようにつっぱねてしまった。バツの悪さから逃げるようにレインボー花火に火をつけた。
「なんかこれ見てるとさ、自分見てるみたいなんだよな。コロコロ色変えて、回りの顔色気にしてさ」

「そんな事ない。色んな色を持ってて、人に合わせてあげられるって事じゃん。それって優しい事だよ」
何気なく呟いた一言に対する、思わぬ新垣の真剣な顔に少しドキッとした。
「私もそういう人になりたい。歌手に、なりたいんだ・・・。色んな色で人を楽しませれるような」
せんこう花火のほのかな明かりの向こうで新垣が小さく微笑んだ。その小さな明かりを守るための、かざす手の平に、僕はなりたい、のに。

「・・・そのままの新垣でいいと思う。不器用でひとつの色しか出せなくても、心があったかくなる、ような。

そういう新垣が・・・好きだから」
何言ってんだ、僕は。

「レ、レインボーじゃなきゃ駄目なの!」
跳び上がった新垣の顔はレインボーと言うより真っ赤で。
僕らは夜遅くまでずっとくだらない事を喋り続けた。


風の噂では最近、せんこう花火の匂いがするとファンの間で評判のアイドルがいるらしい。それって、きっとアイツの事なんだ。

間違いない。


130 :名無し募集中。。。:2006/03/20(月) 04:20:00.56 O
投下遅すぎた・・・

131 :名無し募集中。。。:2006/03/20(月) 04:38:21.36 0
ええ話や

132 :名無し募集中。。。:2006/03/20(月) 06:06:21.79 0
>>125
今回ガキさんは俺の所に来たよ
ふだんSSなんて書いた事無かったのに
何故か無性に書きたくなったよ

133 :名無し募集中。。。:2006/03/20(月) 07:52:04.03 O
ho

134 :名無し募集中。。。:2006/03/20(月) 08:17:01.98 0
ガキさんのきまぐれもんじゃ

135 :名無し募集中。。。:2006/03/20(月) 09:09:22.08 0
それまでうるさくて仕方なかったガキさんが
せんこう花火をしはじめたら静かになって
そんで最後の最後でこう言うんだ
「夏が終わっちゃったね」

136 :名無し募集中。。。:2006/03/20(月) 09:47:36.28 0
>135
ニャー!!

137 :名無し募集中。。。:2006/03/20(月) 10:02:52.27 0
       ☆ノハヽ        ノハヽヽ
      リd*^ー^)_        l(・e・*b|
      /*,`y' * *《つ|      (+ヾソ+ )
     (*ノ=メ=ヽ ̄ ,*´ 、    くヽ+く ノ
      ソ *ソ*ソ  ´ " ゙`      とノとン   ::::::........
    '''''''  ̄~ ̄~              ......:::::::::::::
                  :::::::::::::::::::::::

138 :名無し募集中。。。:2006/03/20(月) 11:55:05.41 0
花火大会に2人で行きたい

139 :名無し募集中。。。:2006/03/20(月) 11:58:59.79 0
えっ?
 ナニナニ?
      ☆ノハヽ ノノハヽ
      リd*^ー^)ノd*・e・)| <カメちゃん今度あそこ行こうよ
      ./_*|y|*]/_*|y|*]つ
      (]ヽ_/|_,l(]ヽ_/|_/
        |_|#__|  |_|#__|

140 :名無し募集中。:2006/03/20(月) 12:45:37.73 O


141 :名無し募集中。。。 :2006/03/20(月) 12:47:01.97 0
二人で一つ手に持ったせんこはな〜び♪

142 :名無し募集中。。。:2006/03/20(月) 12:53:24.37 0
      ☆ノハヽ ノノハヽ
    Σ リd;^ー^)ノd*・e・)| <あ、ミドリガメ売ってる!
      ./_*|y|*]/_*|y|*]つ
      (]ヽ_/|_,l(]ヽ_/|_/
        |_|#__|  |_|#__|

143 :名無し募集中。。。:2006/03/20(月) 14:56:44.51 O
HO

144 :名無し募集中。。。:2006/03/20(月) 16:21:28.00 O
ふぉす

145 :名無し募集中。。。:2006/03/20(月) 18:01:29.07 0
ho


146 :名無し募集中。。。:2006/03/20(月) 19:52:27.52 O
ho

147 :名無し募集中。。。:2006/03/20(月) 19:54:23.98 0
mo

148 :名無し募集中。。。:2006/03/20(月) 20:11:11.05 0
数年ぶりに田舎の祖父母の家に滞在する事になった 高校一年の夏
僕は、一人の少女と再会した。
今更祖父母の家に遊びに行くような歳ではなかったが、両親の仲が悪く家にいても鬱陶しいだけだったので、夏休みの間だけと言う条件で小学生の時みたいに祖父母の家にお世話になる事になった。

暑い昼下がり 僕は列車を降り迎えの祖父を捜したが、姿は見えなかった。
「おかしいな 時間は手紙で連絡したはずなのに・・・昨日も電話で 迎えに行くよ って 元気な声で言ってたのになぁ」 なんて独り言を言ってると 僕の姿を見てほほえむ同じくらいの歳の少女に気がついた。


149 :名無し募集中。。。:2006/03/20(月) 20:11:42.85 0
「・・・君?」
「はぁ」
「やっぱり思った通りだ さっきお爺さんが急にぎっくり腰になって迎えに行けなくなったから 替わりに行って って頼まれたの」
彼女はそう言って手を差し出した
「荷物持とうか? 自転車の荷台に載なよ」
「はぁ」 気の抜けた声で僕は答えた。 この子は誰なんだ?

「ホント久しぶりですねぇ 小学校以来かな?」
彼女は笑顔で僕と過ごした夏休みの思い出を語った。
「あ・・・あの 君は?」
「あれ 憶えてない? 私ですよ 新垣ですよ」
「あーーー!!」 やっと思い出した 祖父母の家の隣に同学年の女の子が住んでいたんだ。 祖父母の近所で歳が近かった子供は、彼女しか居なかったので 自然話す事はあった が 小学生の男女の仲 良いわけもなく意地悪したりされたりした思い出がよみがえった。


150 :名無し募集中。。。:2006/03/20(月) 20:12:15.73 0
「あのツインテールの? ゲジマユ?」僕の心は一気に小学生に戻ってしまった。
「やっと思い出したの? ひどーーい」ガキさんは子供みたいにほほを膨らませた。
「今夜 花火やるんですね ついでだからおいでよ 時間は七時から 場所は・・・だから・・・」
小学生気分になっていた僕は、夜みんなで花火を持ち寄ってやるぐらいの認識しかしていなかった

祖父母の家につくと祖父は、僕が来るからと張り切りすぎただけみたいで、午後半日休んでたら、良くなる程度のものだった
僕は、祖父母と久しぶりの対面につもる話で、時間を過ごした。

待ち合わせの時間に近づいたので、家を出て待ち合わせの場所に向かう僕の心は、いつの間にか 小学生の悪ガキに戻っていたのかもしれない。 もしかしたら いつのまにか 可愛くなっていた ガキさんをみて取り残された気分になったのかもしれない。


151 :名無し募集中。。。:2006/03/20(月) 20:12:39.12 0
僕は途中の雑貨屋で、せんこう花火を買った。 僕は彼女にこう言うつもりだった。
「お前なんかが花火をするなんて 十年早い これで十分だ」と・・・本当に子供じみてる。

待ち合わせの場所に着くとそこは、人人人 人だかりだった。 花火やるって・・・打ち上げ花火の方ですか そうですか。
呆然と立っている僕の方に向かって 浴衣の少女が近づいてきた、ガキさんだ。

「おっそーい もう始まってるよ え? 何持ってるの?」
僕は、呆けたように持っていたせんこう花火を差し出した。
「あ・・・!!」 彼女は最初びっくりした顔をしていたが、やがて満面の笑みを浮かべこういった。
「憶えていたんだ」

152 :名無し募集中。。。:2006/03/20(月) 20:13:21.38 0
僕たちは、町おこしのために最近始まったというこの花火大会を最後までみていた。
花火の合間も僕たちは子供の頃の思い出話をしていた。
花火も終わり、家に帰る途中、小さな公園の前で彼女は
「ちょとこれやってかない?」といってさっき渡したせんこう花火を見せた。

別に断る理由もなかったので、僕は公園でせんこう花火を始めた。
「憶えていてくれたんだ・・・嬉しいよ」ガキさんは、思い出をかみしめるように語り出した。
「小学校の5年だっけ6年だっけ 子供達だけで花火を持ち寄って花火大会したことあったじゃないですか」 そうだったやっと思い出した、だから花火大会と聞いて、つい花火を買って持ち寄るものだと思っていたんだ。ガキさんは続けた
「その時 男の子達はみんな 爆竹を持ってきてパンパン鳴らして怖くって・・・」
「でも ・・・君は私にせんこう花火をくれて あっちでやりなよ って言ってくれて 嬉しかったんだ・・・」
「だから 今日せんこう花火を持ってきてくれたときは、ほんと嬉しかったんだ」
「夏休みの間ずっとこっちに居るんでしょ いっぱい思いで作ろうね」

そう言って笑ったガキさんの顔は夜なのにまぶしかった

僕たちの夏は始まったばかりかもしれない。


おしまい

153 :名無し募集中。。。:2006/03/20(月) 20:59:16.56 0


154 :名無し募集中。。。:2006/03/20(月) 21:29:13.74 O
まだ始まったばかりじゃないか

155 :名無し募集中。。。:2006/03/20(月) 21:32:06.30 0
>>154
第一部完 にしておいてくれ 第二部構想中

156 :名無し募集中。。。:2006/03/20(月) 22:43:46.74 0
>>152
続編楽しみだす

157 :名無し募集中。。。:2006/03/20(月) 22:52:06.67 0
何この甘酸っぱい青春の一時のガキさんスレ

イイヨイイヨー

158 :名無し募集中。。。:2006/03/20(月) 23:31:41.49 O
ほっ

159 :名無し募集中。。。:2006/03/21(火) 00:02:55.05 0
第二部
花火大会の次の日 僕は持参していた夏休みの課題をしていると、縁側からガキさんの声が聞こえる。
「おはよー 起きてる? あっ! 課題やってる まじめだねぇ 見せて」と言いながら上がり込んでくる。
「へー 頭良いんだね ふーん ね・・・ 私判らないところあるんだけど 教えてくれる? ちょっとまっててねぇ」
 上がり込んだと思ったら いつの間にか 課題を教える事になっている・・・ 昨日からの強引さにとまどいを憶えながら、僕は課題を続けた。
二十分ほどしただろうか、ガキさんは鞄になにやら詰め込んで上がり込んできた。

「ねーねー これなんだけどねー わかんなくてさー 適当に書いちゃったんよ ここ教えて」ってガキさん
この問題集空欄じゃまずいと思ったのか、適当に書きすぎだよ ちゃんぽんちゃん ハニホヘトー ジュマペール の羅列は、僕も笑ってしまった。
「ちょっとぉ 笑うなんてひどいー 」昨日みたいにまた ほほを膨らませた
「そんな小学生みたいな事やってるから、小学生見たいな答えになるんだよ」と言いながらほほをシャーペンのシリでツンツンとつついた。
「ちょっとぉ もぉ エッチィ バカ」とガキさん


160 :名無し募集中。。。:2006/03/21(火) 00:03:16.34 0
「バカはガキさんだろ 眉毛ビーム なんてやってたんだから」眉毛の所から何か飛び出すような動作をした。
「もう そんな事憶えて無くても良いじゃないの バカ」ガキさんがちょっと拗ねだしたのでフォローに回った。
「でも綺麗になって 眉も細くなったから 眉毛ビームはもう出なくなったんだよな」と僕 
綺麗になった この一言が聞いたのか、機嫌を直ったガキさんの課題を教えていく

そんな事やっていると お昼になった。
祖父母は今日は家にいない、一応祖母が用意しておいてくれたけど、和食なのでちょっと物足りなく感じていた。
「おばぁちゃん 何作っておいてくれたの? 煮物とあとは?」ガキさんも平気で台所に入ってくる。 あとで聞くとガキさんの家は共働きで、小さい頃は両親が働いている間僕の祖父母が見ていたらしい。そんなわけで僕よりもこの家の事は詳しかったりする。 
「男の子がこれじゃ ちょっと寂しいかも まっててねぇ」


161 :名無し募集中。。。:2006/03/21(火) 00:03:42.09 0
ガキさんはぱたぱたと自分の家に戻り、何やら鍋を持ってまた上がり込んできた。
「私の所はカレーだから一緒に食べよ」そう言いながら鍋に火をかけた。
気がつくとガキさんと二人でカレーを食べていた。味なんて覚えていない 女の子と二人で食事なんてした事無いんだから、僕は舞い上がっていた。

食事が終わると、「バイトがあるから」といってガキさんは帰っていった。
僕は課題をすませ、テレビを見ながらガキさんの事を考えていた。
「あんなに可愛かったか?」

夕方になると、またガキさんはやってきた 今度はスーパーの袋を持って
「家の両親帰るのが遅いから 一緒に食べよ」
「まぁ 里沙ちゃんが家でご飯食べてくなんて珍しいわねぇ」
お祖母さん昨日僕が来たときよりも喜んでいるのは何でですか?

その日から午前中はガキさんと課題をし、昼と夜をガキさんと祖父母で取るのが日課となった。

続く


162 :名無し募集中。。。:2006/03/21(火) 00:04:22.34 0
続きは明日upします

163 :名無し募集中。。。:2006/03/21(火) 00:08:09.96 0
どうも

164 :名無し募集中。。。:2006/03/21(火) 00:15:57.84 0
>>132
羨ましい限りです
今回は書けそうに無い・・・

他にイイ文章書いてくれる人がいるから今回は僕も読者になりますw

165 :名無し募集中。。。:2006/03/21(火) 01:08:51.58 0
続き待ってまっせ
オレもいいのが浮かんだらカキコします

166 :名無し募集中。。。:2006/03/21(火) 01:46:04.11 O
バイトしてるガキさん

見たい!

167 :名無し募集中。。。:2006/03/21(火) 04:05:34.89 O
ho

168 :名無し募集中。。。:2006/03/21(火) 06:00:01.99 0


169 :名無し募集中。。。:2006/03/21(火) 09:18:05.11 O
ほぉ

170 :名無し募集中。。。:2006/03/21(火) 10:34:41.40 0
君がいた夏は遠い夢の中 闇に消えてった線香花火

171 :名無し募集中。。。:2006/03/21(火) 11:45:22.01 O
線香花火って遺すべき遺産だな

172 :名無し募集中。。。:2006/03/21(火) 13:04:42.23 0
WBC対策で保全しとく

173 :名無し募集中。。。:2006/03/21(火) 13:36:56.77 0
ほしゅっとな

174 :名無し募集中。。。:2006/03/21(火) 14:39:04.56 O
ほす

175 :名無し募集中。。。:2006/03/21(火) 14:47:50.76 0


176 :名無し募集中。。。:2006/03/21(火) 14:47:55.02 0
もう一保守

177 :名無し募集中。。。:2006/03/21(火) 15:41:24.52 O
ちょっ落ちる落ちる

保全

178 :名無し募集中。。。:2006/03/21(火) 15:53:50.53 0
第三部 前編

最近ガキさんがよそよそしい。 朝課題を一緒にやっているときも、前ならわざわざ僕の隣にきて、僕をどきどきさせたんだが、最近はちゃぶ台の向こう側に座っている。 服も暑いのに長袖の服を着て来る。

思えば、先週のあれからだ。
先週 課題をやっているとガキさんが、
「新垣ですね 今日 お昼からバイト休みなったんですよ 暑いから川へ泳ぎに行きましょ 決まり 場所はあそこの“大岩”の所 近いから家から水着を着て服を羽織っていけばいいよね」
相変わらず強引さで、その日は泳ぎに行く事になった。


179 :名無し募集中。。。:2006/03/21(火) 15:54:06.31 0
僕は“大岩”と言うところで泳ぐのは初めてだった。 名前の通り巨大な岩を避けるように川が蛇行して、泳ぐのに丁度良いくらいの深みを作っていた。 
「さ 泳ごうか」水着の上にジャージを羽織ってきた と言うガキさんはジャージを無造作に脱ぎだした。 
「いくら水着を着てるからって !!」 いきなり目の前で着替えを始めるガキさんにそう言うと
「あはっは 何照れてるのよ 今の君はピカピカに光ってぇ」 と節を付けながら脱いでしまった。
「どう? 可愛い?」そう言ってガキさんは、僕の目の前でくるりと一周した。 新しく買ったと言うガキさんの水着は、スクール水着がセパレートになったくらいの地味なものだったが、目の前で無造作に服を脱いで水着になる姿を見た僕にとっては、十分刺激的なものに映った。
「もう 変な目で見ないでよ エッチィ!!」そう言いながらガキさんはバスタオルでその体を隠してしまった。 さっきは見ろと言っておきながら、今度は見るなと・・・どうすれば良いんですか?


180 :名無し募集中。。。:2006/03/21(火) 15:54:49.70 0
「さ およご 冷たーーい  おいでよぉ」 僕の困惑をよそにガキさんは川の中に入っていく。 僕も後に続いた
最初は普通に泳いでいるだけだったんだが、だんだん 盛り上がっていって水の掛け合いになっていった。
「へっへっへぇ ここまでとばせるかな 」ガキさんは、水の中にあった石の上に立ってそう言いながら僕の方を振り向いた。
そんなところに立つと・・・案の定ガキさんは足を滑らせひっくり返ってしまった。
「あはははっ」 すぐに立つと思っていた僕は、ガキさんの異常に気がつくのが少し遅れてしまった。 仰向けに倒れたためにパニックになっておぼれてしまったんだ。
ばじゃばじゃ暴れながら流れるガキさんを追いかけようとして、僕は思いの外、水の抵抗ある事に気づいた。
川は蛇行しているので一度上陸してショートカットすれば、追いつくかも 僕はそう思い、急いで岩に上り下を見た ガキさんだ。

181 :名無し募集中。。。:2006/03/21(火) 15:55:33.59 0
急いで飛び込んで僕はガキさんを抱えて水にあがった。 ひっくり返った拍子に水を飲んだのか、ゲホゲホ言いながらガキさんは、涙声で
「あをねびっくりがえっだびょうじに・・・」どうやらひっくり返った拍子に鼻から水が入ってパニックになったと言ってるみたいだった。
「大丈夫だよ もう安心だよ」僕は優しく髪をなぜながら落ち着かせようと声をかけていた。 そのうち「うわーん 怖かったよぉ」と泣き出しているガキさんを慰めている内に僕は気がついた。
この体勢はいわゆる ハグ? 急に僕は、自分の腕の中にいる生き物が女の子というものなんだ そう考えると だんだん 頭が真っ白になってしまった。

うやむやの内に水遊びは終わり、僕たちは家に帰った。
ガキさんのお袋さんが、おぼれた娘を助けてくれてありがとう ってお礼に来たのは、夜の九時過ぎだった。 

182 :名無し募集中。。。:2006/03/21(火) 15:56:15.77 0
第三部後編は夜upします

183 :名無し募集中。。。:2006/03/21(火) 16:02:45.28 0
斉藤哲夫かよ!

184 :名無し募集中。。。:2006/03/21(火) 16:25:29.35 0


185 :名無し募集中。。。:2006/03/21(火) 16:41:58.82 O
俺「なにがせんこう花火だこんなに花びらをびしょ濡れにしやがって」
ガキさん「言わないで・・・」

186 :名無し募集中。。。 :2006/03/21(火) 17:05:49.95 0
ガキさん「なによ、あんたの線香花火」
>>185「……」

187 :名無し募集中。。。:2006/03/21(火) 17:56:39.87 0
第三部 後編

ガキさんが僕を避けるようになって、一週間ほどたった祖父母が朝から出かけて二人っきりで課題をやってた日 そんなに避けるんなら自分の家でやればいいと思うんだけど、なぜか毎朝僕の家に来る なんか不可解なガキさん。

「ね? この前のあれ 」とガキさん
「あれ?」 「そう 私がおぼれかけたとき 」助けたんだから、そんな不機嫌な声で言わなくても良いと思うんだけど ガキさんは続けた。
「触ったでしょ」そりゃ急いで水から出さなきゃ と思って、つかめるところを持って抱えあげたけど
「どさくさに紛れて変なところ触ったでしょ」 なんかもう完全に言いがかりですよガキさん。 
「・・・君だけは、そんな事する人だなんて思ってもなかったのに!!」
「やっぱり 男は狼なのね 隙を見せた 新垣が悪いのよ」そう言うと両手で顔を覆い泣き出してしまった。 

188 :名無し募集中。。。:2006/03/21(火) 17:56:54.83 0
男は女の涙に弱い それがたとえ冤罪であっても
「そんなんで泣くなよ わかったごめん ごめんなさい 機嫌直せよ」
「ヒックヒック 何でも言う事聞いてくれる?」涙声のガキさん うつむいて覆った両手の合間から大粒の涙がぽとぽと落ちてる、いくら事故だと言ってもよっぽどショックだったんだろうな 僕は多少の罪悪感を感じた。
「言う事聞いてくれる?」
「ああ だから機嫌直せよ」
「今度の日曜日、村の夏祭りなんだけど、連れてってくれる?」
「はぁ!?」
「やっぱり 男は狼なんだぁ ひーん」完全に嘘泣きがバレバレですよガキさん その手元の目薬は何ですか?
バレバレの嘘泣きに困惑しつつ、約束を了承する僕


189 :名無し募集中。。。:2006/03/21(火) 17:57:18.53 0
日曜日までのガキさんは、それまでとは打って変わってハイテンションだった。
泣いたり、笑ったり、ころころ表情が変わるこの子に僕は引かれてはじめているのかもしれない。

待ち合わせに現れたガキさんは、花火大会の時と同じピンクの花柄の浴衣、黄色い帯 ポニーテールみたいに髪を結んで花のアクセサリを着けていた。
ガキさんが綿菓子 射的 輪投げとテキ屋を巡るたびに僕の手に荷物が増えるのは、仕様ですか?
僕の両手がいっぱいになった頃
「あ これいい」 と立ち止まったのは、子供向けの玩具を売っているテキ屋だった。
「これ新垣に買ってくださいよ」そう言って指さしたのは、プラスティックの指輪だった。
「モルドールの中 オロドルインの火口に捨てに行くのですか?」と僕がぼけると
「違いますよぉ シャザーンを呼び出すんですよぉ」僕が知らないようなボケで返してくれた。

190 :名無し募集中。。。:2006/03/21(火) 17:58:21.52 0
いつの間にか僕たちは、人通りの少ない村はずれまで来てしまった。
「今日はホント楽しかったよ 無理言ってごめんね」とガキさんさっきまでと打って変わってしおらしい
「・・・君とこれてホント良かったぁ 新垣ね・・・ 」ガキさんが話している間僕は上の空だった。
 もう少しで、自然と手をつなぐ事が・・・
「あそこに座ろうか」とガキさん 公園のベンチを指さす。
「・・・君が夏の間だけでもこっちにいてくれるって聞いて 新垣ホント嬉しくなっちゃって ひょほー  って感じになっちゃって あれ なんか変なたとえだね あははは」
こんなたわいもない話を聞いているだけで、僕はガキさんがいとおしくなって、抱きしめたくなってきてた。
「ガキさん」そう言って僕は思いきって肩に手を回した。
「だめですよ そんなの まだ早いですよ ね もう少ししたら」
「さっき買った指輪・・・これして待っているから 新垣を 私をさらう準備ができたら その時は・・・」さっき買った指輪を左手の中指につけてみせてガキさんはそう言った。
「来年の夏も再来年の夏も ここに来るから 一緒にお祭りを見よ 」はぐらかされてようだけど、ガキさんと心が通じているのを感じた。

「帰ろうか?」「うん」夏祭りが終わった。


191 :名無し募集中。。。:2006/03/21(火) 17:59:06.70 0
第四部 次で終わります
でき次第upします

192 :名無し募集中。。。:2006/03/21(火) 18:32:44.48 0

ガキさんって本当こういうの似合うな

193 :名無し募集中。。。:2006/03/21(火) 19:16:03.41 0
いつのまにか第4部まで来てたー!!作者さん乙です
ガキの頃に岩の上から川に飛び込む遊びやってたのを思い出したよ

194 :名無し募集中。。。:2006/03/21(火) 19:19:18.35 O
コネヲタ、いつもここからの絵見ただろ?見てないふりか?
あのゴリラみたいな鼻が新垣だよ、まさに絵に描いたような新垣だよ
メンバー達が笑って良いものか困って、結果静まりかえったぐらい良く似た絵だよ
コネヲタさ「新垣はゴリラ」なんだよ分かった?

195 :名無し募集中。。。:2006/03/21(火) 19:24:26.10 0
第四部 最終回

夏休みも終わりに近づいたある日 僕は実家に帰るため荷物をまとめていた。
普段なら最終日まで課題を残して四苦八苦している時期なんだが、今年はガキさんと毎日こつこつ続けていたせいか盆過ぎには終わっていた。

「ね もう帰っちゃうの? 」
「明日」
「じゃ 時間あるんだ ちょっと良い?」もう慣れました。

連れて行かれたのは、ガキさんがおぼれた“大岩”だった。
大岩に腰掛け 川の流れを見ていると夏休みがほんの一瞬で終わるような気がした。
いきなり現れた美少女がじつは子供の頃遊んだちんちくりんだなんて・・・
いつの間にか僕の心の中に入り込んで・・・
でも あしたには 彼女が居ない生活が待っている現実
それが耐えられず 苦しかった。
いろいろ何か話したかった。


196 :名無し募集中。。。:2006/03/21(火) 19:24:42.08 0
「わたし・・・ ・・・君が来ると聞いて、懐かしい位にしか思ってなかった。」
「それよりも おじいちゃんの頼みだから ・・・君のおじいちゃんとおばあちゃんが本当のおじいちゃんとおばあちゃん見たいに思っていたらから なんか 取られるような気がして・・・」
「でも 花火大会の時 私のためにせんこう花火を持ってきてくれて なんか感激しちゃった」
「・・・君って小学生の時私に意地悪バッカしていたでしょ」それはお互い様と僕は心の中で突っ込んだ
「それなのに こんなに優しくしてくれて・・・ バカ スキニナッチャッタジャナイノ」
「え!?」
「ううん 何でもない ね 約束だからね 迎えに来てよ 早くしないと 私 電池切れちゃうよ・・・」 泣きそうな顔をしたガキさん
僕は思わずガキさんを抱きしめた。お祭りの時とは違う ただただガキさんがいとおしくて

197 :名無し募集中。。。:2006/03/21(火) 19:24:59.34 0
「来年も来るよ 再来年も来るよ お正月も来るよ 休みになったら来るよ・・・・ 手紙も出すよ 電話もするよ・・・ 」ガキさんをこの手に抱きしめながらそうつぶやいた 自分に言い聞かすように
「私も・・・会いに行くから・・・あえないなんて寂しいよぉ」

僕たちは初めてキスをした。

翌朝 列車に乗るまでガキさんは来なかった。 僕は最後にもう一度会いたかったけど会うと未練が残りそうで 複雑な気分だった。

夏休みが終わって一週間後ガキさんから封書が来た あえなくて寂しい旨 玩具の指輪は大切に取ってある旨が書いてあった そして一本のせんこう花火が同封されていた。

僕とガキさんのひと夏の話は終わりだ
夏休みが終わって最初の実力テスト、僕はガキさんと一緒に勉強したせいか成績は上がっていた。 しかしわからないところを空欄にせず ちゃんぽんちゃん や ブットイマン なんてついつい書いてしまい。 担任の先生に
「学力が上がったが、バカになったなぁ」と言われたのは秘密だ。

おわり


198 :名無し募集中。。。:2006/03/21(火) 19:25:47.83 0
読んでくれてありがとう
僕に降りてきた ガキさんの話は終わりだ

199 :名無し募集中。。。:2006/03/21(火) 19:31:26.53 0
>>198
乙でした
「電池切れちゃうよ」がヨカタ!

200 :名無し募集中。。。:2006/03/21(火) 20:33:00.31 0


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