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夏はやっぱり冷やしあいぼんだな Part3
28 :
名無し募集中。。。
:2005/07/19(火) 22:04:07 0
「あっついなぁ・・・」
じっとしていてもじわじわと汗が滲むような季節。
クーラーに弱い妻を気遣って扇風機の生ぬるい風で我慢する。
気分程度に軒先に下げた風鈴はチンともリンとも音を立てない。
「たまらんなぁ・・・」
見るのも嫌気がさすほどに見飽きたテレビ画面を消して座椅子にもたれかかる。
セミの声だけがあたりを圧倒するような音量で響いていた。
何もする事がない夏。初めて過ごす何もない、夏。
「まぁ、なんですかだらしのない。
あなたにとっちゃこの時期が一番生き生きする季節でしょうに」
呆れ顔で笑いながら入ってきた妻が麦茶を差し出す。
「生徒さん達が見たら『先生は死期が近いんじゃないか』って心配されますよ」
おっとりした顔に似合わず暴言を吐く妻に顔をしかめつつ、それでも「そうだな」と納得する。
夏を、こんなにも過ごし辛いと感じたことなど一度もなかった。
「今年のチームはどうでしょうね」
差し出された麦茶はすでに汗をかきはじめている。
「心配いらん、去年までみっちりしごいてきたチームだ。
多少変更はあってもびくともせんくらいには鍛えてある。
OBの中にも優秀な指導者が大勢いる、今年はいいところまで行くぞ」
「どうかしら、『地獄の鬼監督』がいなくなって気が抜けてしまっているんじゃないかしら、
今のあなたみたいに」
「・・・・・・」
29 :
名無し募集中。。。
:2005/07/19(火) 22:05:03 0
夏は俺の季節だった。白球を照らすあの眩しい日差しが好きだった。
日に焼けた子供たちが見せる汗と涙と笑顔が大好きだった。
熱い夏が、大好きだった。
「はいコレ、元教え子さんからのお中元。あなたの好物よ」
そう言って差し出された菓子の隣に手紙が沿えてある。
「・・・熱い夏は嫌いじゃないでしょう?」
『ご無沙汰してます先生、お元気ですか。
監督業も引退され悠々自適の生活を楽しまれている事と思いますが・・・』
「もう一しごきしてあげなさいな」
手紙を読む私の隣で妻が笑う。
「去年のユニフォーム、お腹回り緩めておきましたから」
「あのやんちゃ坊主がいっちょ前にお中元か」
目の前に差し出された菓子に思わず目元を細める。
「・・・うまい。夏はやっぱり冷やしあいぼんだな」
軒先の風鈴がチリン、と音を立てた。
俺の季節がまた、やって来る。
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